坂茂のウェブサイトに、東京・渋谷区での「2021 新型コロナウィルスワクチン接種会場 / 紙の間仕切りシステム」の写真が5枚掲載されています。
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妹島和世が、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2021の審査委員長を務めることが発表されました。
その他の審査員には、ペルーの建築家サンドラ・バークレー(Sandra Barclay)、レバノンのヴィジュアル・アーティスト兼映像作家ラミア・ジョレイジュ(Lamia Joreige)、ガーナとスコットランドの建築家レスレイ・ロッコ(Lesley Lokko)、イタリアの建築家・歴史家ルカ・モリナーリ(Luca Molinari)が名を連ねています。審査員5名のうち4名を女性建築家・クリエイターが担っています。授賞式は2021年8月30日に行われるとのこと。今回の建築展のテーマは「どうやって一緒に生きていくのか?(How will we live together?)」です。
The International Jury of the Biennale Architettura 2021
The Jury, chaired by Kazuyo Sejima, will award the official prizes. The Awards Ceremony will take place on Monday 30th August 2021.
アワードには以下の5つの賞があります。
The International Jury will award the following official prizes:
- Golden Lion for best National Participation
- Golden Lion for best participant in the International Exhibition How will we live together?
- Silver Lion for a promising young participant in the International Exhibition How will we live together?
The Jury may also award:
- a maximum of one special mention to National Participations
- a maximum of two special mentions to the participants in the International Exhibition How will we live together?
アルヴァ・アアルトが1936年に完成させた自邸の、日本語解説付オンラインツアー動画が、期間限定で公開されています。アルテックの主催で行われたもので、2021年5月13日までの公開との事。アーキテクチャーフォトでは世田谷美術館でのアアルト展もレポートしているので併せてどうぞ(アアルトの自邸の模型や図面も紹介しています)。
Artek Tokyo 2nd anniversary のテーマ「自然とともに生きる – Live with Nature」をオンラインから体験していただけるオンライントークシリーズ。そのひとつとして、5月4日(火・祝)に、フィンランドのアアルト自邸から中継でオンラインツアーを開催しました。
ご好評にお応えし、5月13日(木)までの限定でアアルト自邸オンラインツアーの録画をご覧いただけます。アルヴァ・アアルト財団、ハンナ・パルナさんの日本語ガイドとともにお楽しみください。



芦沢啓治建築設計事務所の内装デザインによる、東京・渋谷区の「ブルーボトルコーヒー 渋谷カフェ」です。建築設計は日建設計が手掛けています。店舗の場所はこちら。お店の開店は2021年4月28日より。
渋谷駅から代々木公園に向かって歩く公園通りから一本入った場所にある渋谷区が有する北谷公園。
その北谷公園内に唯一存在する商業施設であるBlue Bottle Coffee Shibuya Cafeのインテリアデザインプロジェクトである。
公園を通り抜け、石巻工房製のベンチでゆったりとコーヒーを楽しむ人たちを横目に通り過ぎ、メインエントランスを入ると、キッチンをおおらかに、また弧を描くようにタイル張りの カウンターが囲む。このタイルは今回公園とカフェを、そして1階と2階のインテリアをつなぐ役割として選定したもので、ロンドンの建材メーカーDzekとプロダクトデザイン・スタジオFormafantasmaが開発したタイルである。
また、2階にはカーテンで区切ることのできる床のレベルを落としたソファエリア、楕円形のダイニングテーブル、図書館のようなライトで手元を優しく照らしてくれるハイテーブルに加え、タイルによる大きなローテーブルを囲んだソファエリアと、多様なシチュエーションで各々の楽しみ方を模索してもらえるように計画した。

妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文を紹介します。
こちらの内容は関係者・関係機関からの了承の上、こちらのページより転載するものです
令和3年度東京大学学部入学式 祝辞
皆さま、東京大学へのご入学おめでとうございます。このような栄えある場所で、皆様にご祝辞を申し上げる機会をいただきましたことをとても光栄に思います。この機会に私がこの場で何をお話しできるかを考えました。大学に入学されてこれから専門の道を歩まれる皆さまに、私が専門の道で経験してきたことを少しお話しさせていただきたいと思います。
私がお伝えしたいことは、まず一つは、専門的に考えてゆくことは、意外に専門以外の他の分野のことも考えることになっていくものだな、ということです。それから2つ目は、他分野の専門家とのコラボレーションの重要性です。そして3つ目は、自身の専門の研究を深めてゆくことは結局、その専門領域内にとどまらないで、私たちの世界全体を考えることになっていく、ということです。これらは、おそらく、いずれの専門分野にもあてはまるのではないかと思います。
自分の事で恐縮ですが、自分の経験から話させていただきます。私は日本女子大学を卒業し、6年ほど設計事務所で働いて、その後1人で設計事務所をはじめました。最初に設計したものは、50平米ほどの、小さな週末住宅でした。小さな住宅であっても、週末に自然の中でのびのび時間を過ごせるようにと考え、野原の中に家具がぱらぱらと並び、それら一つ一つにテントをかけて繋いでいくようなイメージから、建築を考え始めました。つまり、堅牢な箱のような建築の中にいろいろな場所がある、というのではなく、身の回りの小さな場所が繋がっていって、柔らかな全体が出来上がる、というやり方です。小さな単位が次々と繋がっていくアイデアなので、敷地が広ければどこまでも広がってゆきます。いろいろな居場所がつながってどんどん大きくなると、それは街のようなものにもなる、と考えました。その週末住宅は、個人のための小さな建物でしたが、私はその小さな建物の設計を通して、街のありようをも同時にイメージしていたようにも思います。
『建築家ビャルケ・インゲルス氏:「快楽主義的持続可能性」を語る』という動画が、Bloombergに掲載されています。BIGが設計した屋上がスキー場になっている発電施設と、その背景にある思想について語っています。日本語字幕付。
以下の動画はyoutubeにアップされた英語字幕版。
「妹島和世氏が手掛けた日本女子大学・目白キャンパス 正式オープン」という記事が、建設通信新聞DEGITALに掲載されています。妹島のコメントも紹介されています。
建築家・建築史家の藤森照信とシンガーソングライター小田和正の対談記事が、建設通信新聞DEGITALに掲載されています。二人は東北大学建築学科での同級生として知られています。


永山祐子建築設計の設計で近くオープンする、群馬・前橋市のジンズの新施設「JINS PARK」です。施設内外に地域のコミュニティの場となる広場を設けるとの事。場所はこちらで開店は2021年4月29日。
JINS 史上最大面積を有する「JINS PARK」の設計は、国内外の様々なプロジェクトを手掛ける建築家の永山祐子氏が担当。
訪れるたびに新しい出会いがあり、大人にとっても子どもにとっても居心地がよい、そんな明るく開放的な空間を目指しました。まず1階のエントランスを抜けると、空へと抜ける大階段が訪れた人を出迎えます。
丘に腰をかけるように座ることができる大階段は施設中央に配置され、その先に繋がる2階の吹き抜けのスペース「うえひろば」へと空間が続いています。また、お客様が施設内を自由に回遊し連続した体験が得られるよう、JINSとエブリパンの店舗スペースはあえて間仕切りなく配置しました。
今後、芝生がひろがる屋外の「ひろば」などのスペースについては、JINS主催のイベントだけでなく、地域の方々がワークショップやイベントを行える空間として貸し出しを予定しており、地域に新たな交流を生む場を目指していきます。
『木材の「ほぞ組み継手」を自動設計 東大「Tsugite」開発』という記事が、ITmedia NEWSに掲載されています。
以下は、解説動画です。

黒川紀章が1972年に完成させた「カプセルハウスK」を保存・公開するプロジェクト「カプセル建築プロジェクト」が発足しています。「2021年5月に初めて一般公開し、6月から民泊事業の開始を予定」しているとの事。工学院大学建築学部教授の鈴木敏彦と黒川紀章を父に持つ黒川未来夫が中心となって進めているようです。
カプセルハウスKについて
「カプセルハウスK」 は50年間の非公開を経て、2021年5月に初めて一般公開し、6月から民泊事業の開始を予定しています。1972年に黒川紀章が長野県北佐久郡に自分の別荘として建てた建物です。カプセル建築の完成形とも言えるこの個人住宅は山間にあり、人目につくこともなく、初期の状態が保たれてきました。2019年に長男の黒川未来夫が取得し、修繕と維持管理を行っています。数少ないメタボリズム建築の一つであるこの建物を、将来のカプセルの交換を含めて長く後世に残せるよう、御支援を頂いている方々、各関係者様のご協力を得ながら進めて参ります。2021年5月23日まで、動態保存のための資金を資金を募っています。
クラウドファンディング ⟶ MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO


坂茂の設計で2024年の開館を予定している「豊田市博物館(仮称)」。谷口吉生の「豊田市美術館」に隣接する敷地に計画され庭園は一体となるようにデザインが進んでいます。
(1)(仮称)豊田市博物館の役割
・歴史・文化・自然などの価値や魅力に気づき、共感を生み出す。
・郷土愛や誇りを育み、多様な価値や魅力を継承する。
・過去から学び、現在を見つめ直し、未来を創造する力を涵養する。(2)整備の方向性
・すべての人に開かれた、「みんなでつくりつづける博物館」
・多様な価値や魅力を守り、伝え、育む「豊田市ならではの総合博物館」
・回遊性や持続性に配慮した、「21世紀の建築としての博物館」
また、2020年1月に公開された「(仮称)豊田市博物館基本計画」には、建築設計の背景になる考え方等が詳細な資料としてまとめられていて参考になります。



妹島和世による、東京・銀座の、資生堂の店舗 SHISEIDO THE STOREでのウインドウディスプレイです。2021年9月14日まで展示されています。
妹島和世氏の建築は透明感にあふれ周囲の環境に応答している。
建築において、公園のような場所をつくりたいというのが、妹島氏が活動初期から一貫して持つ思いだといいます。公園には色々な目的の人がいて、その関係は柔らかく、皆がそれぞれ、違いを尊重しながら、一緒にそこにいる。
開かれた空間を共有して、それを自然に受け入れ感じるというもの。そういった妹島氏の特徴の一つである「開かれた建築」――プロダクトでも建築でも「絶対こう使いなさい、こう見なさい」というよりも、「こう使ってみても面白い」とか「こういう風にも見える」など、使う人見る人が自分なりに自由な関係性を楽しむことができるデザイン――を銀座の街の一角に展示することは、妹島氏の美意識とあいまって、見る人を明るい気持ちにさせてくれることでしょう。
「熱海の戦前木造住宅、前川國男の設計と判明 ル・コルビュジエに師事、戦後日本建築をけん引」という記事が、みんなの静岡新聞に掲載されています。

SHARE シンガポール工科デザイン大学教授のエルウィン・ビライ、韓国科学技術院教授のチョン・ジェスンによる「アジアにおける都市の未来」をテーマとしたウェビナーが開催(日本語同時通訳付)
- 日程
- 2021年3月26日(金)

シンガポール工科デザイン大学教授のエルウィン・ビライ、韓国科学技術院教授のチョン・ジェスンによる「アジアにおける都市の未来―ウェルビーイングを追求するスマートシティとは」をテーマとしたウェビナーが開催されます。日本語同時通訳付。
開催日時は2021年3月26日(金)7:00~8:00 pm。要事前申込、参加費無料です。
アジアは、世界で最も大都市が集中する地域です。しかし、近代以降続いてきた大都市化の流れに、3つの疑問が呈されています。第一に、既存の人口集中の課題に加えて新型コロナウィルスの流行を機に浮き彫りとなった密な環境。第二に、デジタル技術の進展により仕事のリモート化と分散化が可能となった現代の職場の在り方。第三に、より根本的に、ウェルビーイング(心身と社会的な幸福)を重視する人々が疑問をおぼえる効率化や経済成長を追求する都市型社会。コロナ対策やデジタル化などで先駆的な取り組みを行ってきた韓国とシンガポールから専門家をお迎えし、それぞれの国の取り組みや課題をもとに都市の未来についてお話しいただきます。
エルウィン・ビライ
(シンガポール工科デザイン大学教授)京都工芸繊維大学工芸科学研究科デザイン学・建築造形学部門のグローバルエクセレンス教授および同大学KYOTO Design Lab客員教授を経て、シンガポール工科デザイン大学教授に就任。現在は、同大学建築・サステナブルデザイン学部長を務める。東京に所在するTOTOギャラリー・間の運営委員や、バルセロナの建築学校の諮問委員、シンガポールの最も権威あるデザイン賞である「プレジデントデザイン賞」の審査員(2013年より審査員長)を務めるなど、国内外で広く活躍。書籍の執筆を行う傍ら、建築雑誌や専門誌へ数多く寄稿。1996年からは和英バイリンガルの建築雑誌『a+u』の編集者を務めている。フィリピン大学建築学部卒業、京都工芸繊維大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。シンガポールの「スマートネーション」構想を通じて、建築・デザインが新技術と連携することによって新しい体験や空間を創造する可能性を探究している。
チョン・ジェスン
(韓国科学技術院 [KAIST] 教授)ソウル生まれ。KAIST物理学科で学士・修士・博士号を取得。米イェール大学精神科研究員、コロンビア大学精神科助教授などを経て、現在KAISTバイオ・脳工学科の教授および同大学院学際的研究科長を務める。意思決定の脳力学や、うつ病、中毒、認知症をはじめとする神経精神病の数理モデル化、脳情報を用いたロボット制御のためのインターフェース(BRI:ブレイン・ロボット・インターフェース)や、脳型の人工知能などを研究。2009年、世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーに選出。そのほかにも科学界より複数の賞を受賞。これまでに『ネイチャー』、『ネイチャー・メディシン』、『ネイチャー・コミュニケーションズ』などの学術誌に90以上の研究記事を寄稿。スマートシティ国家モデル都市として選ばれた世宗(セジョン)特別自治市のマスタープラン策定者として、2018年より活躍。