隈研吾が外装デザインを手掛けた、東京・中目黒のスターバックスの店舗「Starbucks Reserve® Roastery Tokyo」の写真が11枚、隈のサイトで公開されています。
新しいカフェ文化を都市にもたらしたスターバックスによる、新業態、スターバックス リザーブ ロータリーの東京店。シアトル、上海、ミラノ、ニューヨークに次ぐ5つ目の店舗となる。
キャスクと呼ばれる高さ17mの巨大なコーヒー豆の貯蔵庫を中心に置いたスパイラル状の構成で、コンクリートのアクティビティの立体化を試みた。この3次元の街路に沿って、ベーカリー、カクテルパーティショップなどの、従来のスターバックスとは異なる機能がはりつき、街路の多様性の立体化が実現した。
都市との連続性を獲得するために、上階にも縁側状のテラスを設け、目の前の目黒川と桜並木を眺めながら、コーヒーを楽しむことができるようにした。重層するテラスの軒を杉板による大和貼りで仕上げ、五重塔のように、木で作られた軒を重層させることで、垂直な壁で構成された従来の都市建築に代わる、陰影豊かな新しい現代の盆栽、都市建築の原型を提案しようと試みた。
西側の縁側には、隣接する集合住宅とのバッファーとして、立体的なプラントボックスを挿入した。直径16.3mmのワイヤーでアルミ製のプラントボックスを支え、給水、排水のパイプを一体化することで、従来は脇役でしかなかったプラントボックスを、ファサードの主役としてデザインした。その意味で雨樋をファサードの主役とした、桂離宮をはじめとする日本の伝統建築にもつながる試みである。