坂茂が代表を務めるボランタリー・アーキテクツ・ネットワークが行っている、石川・珠洲市での仮設住宅建設の様子を伝える動画です。能登半島地震の被災者支援の一環として行われているものです。
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2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定しました。
テーマは「中立点-生成AIとの未来」です。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子+大村高広と砂木(木内俊克、砂山太一)が名を連らねています。展覧会の会期は2025年5月10日~11月23日。
キュレーターを務める青木淳によるステートメント
幾何級数的なデジタル技術の進化のなか、ごく近い将来、生成AIが私たちの社会、環境、あるいは私たちの内面をも、まったく異なる様相に変えてしまうのではないかという不安が、現在、全世界を覆っています。とくに日本は、SNSなどデジタル技術の普及のなかで、ポリティカルにコレクトで、ただミスや欠点がない、最大公約数的で凡庸な社会に向かって突き進んでいるように思われます。
たしかに生成AIから返ってくるのは、既存データの総合から導き出されたもっとも間違えの少ない回答で、私たちはついついそれを「正解」と捉えがちです。しかし、その先に待っているのは、人間が生成AIに従う、生成AIが人間に代わって主体となる社会でしょう。しかし、日本には、「間」という観念の歴史があります。「間」とは、古来、日常的な意味での「あいだ」である以上に、2つの事物の応答(対話)が孕むテンションであり、そのテンションのふるまいがひとつの虚なる主体として潜在するという観念でした。この伝統に倣うなら、主体を人間に置くのでも、生成AIに置くのでもなく、そのあいだの虚なる「中立点」つまり「対話」に主体を措定することに賭けてみる価値があると考えられますし、ここで提案するのもまさにその試みの実践です。人間も間違えるし、生成AIも間違える。その間違えと間違えとのやりとりのなかから、それらどちらにも属さない創造的な「つくること」が生まれるのではないか。まだ生成AIが揺籃期にあるうちに、生成AIとの生産的な付き合い方を確立し、それを今後の生成AIの進化の方向付けに役立てられないか、というのが狙いです。
今回は、「日本館」そのものをその試みの対象とします。生成AIを「日本館」を構成する複数の部位に憑依させ、それら生成AIとのギクシャクした対話のなかから、「日本館」をフィクショナルに、またアクチュアルに「改装」することを通して、人間と生成AIの「中立点」という主体を浮かび上がらせようとするものです。
以下に、出展作家による画像と、キュレーター指名コンペ参加者が作成した展示プランの資料へのリンクも掲載します。
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの住宅「house within a few lines」です。
延床面積50㎡の幅の狭い住まいの計画です。建築家は、平面と断面への“数本の線”の介入を行い、“湾曲した壁”と“曲がりくねる天井”が交差する動的な空間を構築しました。また、簡潔なヴォリュームで内部の複雑なスペクタクルを“偽装”することも意図されました。
こちらは建築家によるテキストの翻訳です
幅の狭い家のジオメトリーは数本の線で決まります。この介入は、平面投影と断面の両方で行われます。湾曲した壁は曲がりくねった天井と交差し、静的ではない空間をもたらします。夕方になると、幾重にも折り重なるひだが光と影の奇妙なゲームを作り出します。
裏庭に開けたリビングルームは、2つの面の間に展開します。下にはターコイズのセラミックタイルのカーペットが広がり、上には力強い天井のライトグリーンのテントがあります。それらはすべて細身の金属の屋根の下に隠されています。
街路に面して、ファサードは控えめな存在感を示しています。近隣と似ているようで、似ていません。それは青いドアと小さな窓を持つ閉じた壁として現れます。対照的に、開放的な背面のファサードは、気まぐれな庭の中にエレメントを重ね合わせています。大きな開口部には、コンクリートの梁、自立した青い柱、鮮やかな黄色のシャッターが添えられています。鏡は煙突や不要な厚みを隠し、屋根を紙のように薄くします。黒い大理石の太いストライプが両方の立面を縁取ります。
このプロジェクトは、限られた条件の中で多種多様な住宅の可能性を提示するものです。この家は最小限の要素で構成されており、必要なものもあればそうでないものもあります。そして、厳選された素材のパレットが使われています。簡潔なヴォリュームは、内部空間の複雑なスペクタクルのための偽装なのです。
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・渋谷区の飲食店「FAMiRES」です。
ファミレスの“リブランディング”を趣旨とする飲食店の計画です。建築家は、コンセプトの具現化を求め、ファミレス“らしさ”と“新規性”を併せ持つ空間を志向しました。そして、タイルカーペットの上に“丸いボックスシート”が並ぶ空間を作りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
幼少期に町に突然現れたファミリーレストラン。
まだ外食の習慣があまりない時代、子供にはなんとも華やかに見えて、そこで食べるのが憧れだった。そのうち24時間営業だったり、いろんなブランドが参入してきて競争になると、いつの間にかチープな印象すらもたれ、憧れられるものではなくなっていた。しかし、テーブルが広くて仕事がしやすかったり、友達とじっくり話ができたり、車が止められたり、遅い時間までやっていたり、食べられるものが想像しやすかったりと、いまだ他では得難い魅力をたくさんもち備え密かに人気は続いている。
ただ、僕の印象としては積極的に推すお店ではなく、密かに多くの人に使われているお店という印象がある。そんなファミレスをSioの鳥羽シェフによってリブランディングするという本プロジェクトで、我々は空間デザインで協力させてもらうことになり、ファミレスらしさを出しつつも新しいファミレスを目指した。
そこで、まずはボックスシートを計画した。アイランド式に配置されることから外側からサーブできるよう丸いボックスシートをつくって配置した。床は音はねせず落ち着いて食べられるようタイルカーペットを敷いた。
また誰にでも入ってもらえるようフレンドリーな色調をめざし、黄色とベージュで空間を構成している。
2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が選出されています。展示のテーマは「中立点 - 生成AIとの未来」です。指名コンペ時点での展示プラン(PDF)も公開されています。
藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪市の「鶴見区の家」です。
南面採光も難しい住宅密集の敷地での計画です。建築家は、外の視線を遮り内部に“自然な表情”を生み出す為に、部屋の量塊を“分散”させて隙間から“光”を取込む建築を考案しました。そして、季節や光の変化で“室内の景観や表情が変化する”空間を作りました。
住宅密集地の角地に建つ住まいです。
敷地の状況としては、南側から日差しが入り込むような敷地ではなく、将来的に周囲も建て替えになる可能性も高い状況で、拠り所が特に見当たる状況では有りません。
そのような状況から、計画の方針としては、道路からのプライバシーを確保しつつ、建築の中に自然な表情を作り出すことを目指しました。
各部屋のボリュームを分散させることで、浮いたボリュームとボリュームの隙間から、縦や横から光が差し込み壁に反射。
それにより、視覚的な変化と奥行き感を感じさせ、季節感や光の反射、移ろいや室内の景観や建築の表情が変化することをイメージしています。1階にはLDK、洗面浴室、仏間、2階は個室を配置。1階は天井を通常より少し高く設定し、ガレージと中庭を室内と連続的に見せることで、建物全体のボリューム感を感じれるようにしています。2階は各個室に至る通路に光が差し込み、外部とのつながりを感じさせます。
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所が設計した、富山市の「雑貨の森のカウンター」です。
生活雑貨店の為に計画されました。建築家は、少し冷静になり“物と向き合える”ように、余白のような存在の“有機的な形をした”ひとつながりのカウンターを考案しました。また、3つの“場所”があり商品の梱包・相談・閲覧などの用途にも応えています。店舗の場所はこちら(Google Map)。
お店の中は素敵なものが溢れていて、ついつい物欲の中で迷子になってしまいます。
このカウンターは、そんな誘惑の多い雑貨の森でふと開ける湖のような、少しだけ冷静になってモノと向き合える余白のような存在です。
有機的な形をしたひとつながりのカウンターには、ラッピング専用のスペース、引き出物などの相談ができる奥まったスペース、大きな布を広げて柄を見たり、商品を並べたりできる、広いショーカウンターの3つの場所があります。
水上和哉 / kvalitoが設計した、京都・大山崎町の「マクセル クセがあるスタジオ」です。
企業の為の展示やイベントを行う施設です。建築家は、回遊性と中心性を備えた空間として、“九間”のホールを中心に据えて“回廊”で囲む構成を考案しました。そして、メッシュ製の展示壁を建具として設えて“状況に応じた変容”も可能にしています。
マクセル株式会社(以下、マクセル)の敷地の一画、約2万㎡を活用し、京都府および公益財団法人京都産業 21との協働により「アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(以下ATVK)」が計画された。「クセがあるスタジオ」は、そのATVK内の企業ブースサイトに建つ、100㎡程度の小さな建築である。
このスタジオでは、マクセルと次世代を担う人材、またこれまで出会わなかった感性やテクノロジー、創造性が「混ざり合う」ことで、新たな価値を生みだすことを目的とし、若手クリエイターを対象としたアワード(クセがあるアワード:混)やトークイベント、またワークショップ等が開催される。
空間の特性として「回遊性」と「中心性」の両方が求められたことから、中央に「九間(ここのま)」の大きさのあるホールを内包した、回廊形式のプランとした。ホールと回廊の間には、ワイヤーメッシュによる、透過する展示壁を「建具」として設え、シチュエーションに応じて変容する空間を意図した。併せてデザインしたオリジナル什器(TABLE_MX)は、ロゴマークのカタチを踏襲しながら、ワークショップの際は円卓として、展示の際は静的な空間に動きを与えるクネクネとした展示台として、空間の変容を助長する。
建築家の栗生明から事業承継した「北川・上田総合計画」の、夏季インターン(教育的内容)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
レクチャーや建築ツアーを含む教育性の高い夏季インターンシップを開催(2024/8/9〆切)
アイデアコンペ形式の共通課題で賞金もあり───
「栗生明+北川・上田総合計画」では、2024年・夏季インターンを募集します。
※本件はインターンシップ(=労働者性の伴わない就業体験・無給)の募集です。労働者性の伴う有給のアルバイトの募集も随時行っております。
(インターンシップの位置付けは下記の「募集内容」もご参照ください)───
プログラムのテーマは「祈りと遊び」です。
「祈り(pray)」も「遊び(play)」も、私たちが取り組む事業領域に共通する概念であり、近年のプロジェクトでも、現代における新しい仏堂のあり方や、次世代を育む創造的な遊び場をデザインしてきました。【プログラム内容 | 設計事務所の就業体験+共通の課題を通じた学び】
全2週間のインターンシップの中で、建築家による複数回のレクチャーやディスカッション、都内のミュージアムの見学ツアー等を行い、参加者が共通の課題に取り組みます。1、建築家・栗生明によるレクチャー「祈りの空間」
弊社がこれまでに設計に携わった「国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館」、「平等院宝物館・鳳翔館」、「伊勢神宮式年遷宮記念・せんぐう館」、「かんなみ仏の里美術館」、「奈良国立博物館・なら仏像館」、「半蔵門ミュージアム」などの建築を紹介しながら、「祈りのための空間」、「祈りに関わる空間」、「祈りを誘発する空間」についてお話しします。2、共通課題「祈りと遊び」
各プログラムと並行して、アイデアコンペ形式で新しい「祈りの空間」や「遊び場」のあり方を提案していただきます。リサーチやディスカッションを経て最終発表・講評を行い、最優秀者(※)には「栗生明賞」と賞金10万円をお渡しします。
※最優秀者は全2期のインターン期間を通じて1名のみ選出します。3,設計者による「半蔵門ミュージアム」見学ツアー
弊社が設計を行い、2018年に開館した「半蔵門ミュージアム」を、建築家・栗生明の解説とともに見学します。見学に先立って実際の図面を読み解きながら、実務における設計図書の構成や、業務の流れを学びます。4、ディスカッション「建築設計事務所ってどんな仕事?若手スタッフの体験談を通して」
弊社の入社3年目のスタッフが担当した直近のプロジェクトの実体験を通じて、建築設計事務所での業務の内容や環境についてのリアルな声に触れ、建築設計の仕事やキャリア形成について考えます。5、実務の視点からの「東京国立博物館」解説ツアー
多くの博物館や文化財関連施設の設計を担当実績を持つ代表の北川典義が、実務設計者の視点から東京国立博物館を案内します。建築のみならず、「展示ケース」や「照明計画」など、専門性の高い内容にも触れながら展示環境を見る目を養います。6、レクチャー「建築設計事務所の経営戦略」
「組織設計事務所」や「ゼネコン設計部」とも異なる「アトリエ設計事務所」の経営戦略について、建築家・栗生明が設立した「栗生総合計画事務所」から事業承継した現体制での取り組みを紹介しながら、設計事務所の多様な事業展開の可能性について議論します。
中村拓志&NAP建築設計事務所の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
中村拓志&NAP建築設計事務所では、スタッフを7名程度募集しています。経験者、新卒どちらも幅広く募集します。2024年4月入社の新卒応募も可能です。
港区白金の事務所には現在35名の設計スタッフ、4名の広報・事務スタッフが在籍し、国内外で40以上のプロジェクトが進行中です。
これまでNAPでは設計監理のみならず、企画・商環境コンサルティングから、デザイン監修、インテリア・家具デザインまで、総合的かつ革新的な建築を創り続けてきました。業務も、模型製作を廃止してルミオンやHMDによるスケール把握の導入、最近はAIを利用することでCGすら作らずに更なる効率化をはかりながら、設計の本質的な部分に時間と労力を注ぐという、次世代型の設計スタイルを模索しています。【多様な業務が経験できる柔軟な環境】
NAPは、多様なプロジェクトを手掛けており、企画段階から基本設計、実施設計、現場監理まで主体的に関わることができます。能力に応じて昇給・役職アップを随時行うため、新卒入社 2〜3年のスタッフでも能力が高ければ重要プロジェクトのメイン担当者として活躍できる、柔軟な人事配置制度となっています。パートナー制度など、実力が認められれば独立も支援する制度もあります。【学び成長できる場】
弊社の一級建築士の資格取得のための補助制度(30万円)を利用して勉強をしながら勤務することも可能です。プロジェクトチームごとにプレゼンを行う社内発表会や見学会、自社で設計したホテルへの宿泊、防水や屋上緑化などの専門的ディテールを学ぶセミナーなども開催し、社員教育にも力を入れています。【設計者=暮らしの達人になるために】
人間らしい豊かで幸福な暮らしを営む「暮らしの達人」であることが設計者の基盤です。そのため、スタッフは自分のペースで勤務時間をコントロールしています。特に結婚や子育てをしながら働き続けられるような手当は充実しており、スタッフの半分以上は結婚しています。また、お子さんのいる家庭も多いです。その他、事務所のキッチンにシェフを招いた食事会や、フットサルやテニス、野球などのレクリエーションも適宜行なっています。
中村拓志&NAP建築設計事務所が設計した、北海道・白老郡の宿泊施設「界 ポロト」です。
湖畔のアイヌ民族の集落があった場所での計画です。建築家は、景観を活かすと共に“アイヌ文化を反映した”存在を求め、地域の“縮景としてのランドスケープ”を備えた建築を考案しました。また、温泉棟は民族が用いた“仮小屋”を参照して造りました。施設の公式サイトはこちら。
ポロト湖を擁する白老は、アイヌ民族の集落があった地域である。
対岸にはアイヌ民族博物館の野外展示の一つであるコタン(集落)が広がり、樽前山が遠望できる。
この景観を活かしながら、アイヌ文化を反映した温泉旅館の姿を求めた。
アイヌ民族は冬に凍ることのないメㇺ(湧水)を生活用水として大切にしてきた。ポロト湖はわずか数キロメートル先のメㇺが源流であり、本敷地駐車場側にもメㇺがあった。そこで、これに川筋を引きつつ湖を敷地内に引き込み、ポロト湖流域の縮景としてのランドスケープを整備した。駐車場側からのアプローチは、かつてアイヌ民族がメㇺのある場所から川沿いを下って湖に出た経路を模している。
川を跨いで架けた客室棟の河口側は、親水エリアとしてカヌーの船着場や不凍の水面を眺める囲炉裏のサンクンラウンジとした。
客室はチセ(家)の囲炉裏で語り合うアイヌ民族の家族観を継承し、囲炉裏型の間接照明を仕込んだローテーブルを囲うように滞在スペースを配した。壁紙やクッション、アートなど、色々な使い方で客室内にアイヌ模様をとりいれることで、文様に彩られたゴザや衣服が飾られるアイヌ民族の生活を感じられるようにした。
湯小屋は、アイヌ民族が熊追いや鮭待ちの時に山中でビバークするためのクチャ(仮小屋)をモチーフとして、美しい自然を壊さずにそっと居させてもらうような佇まいとした。クチャの構造は「ケトゥンニ」と呼ばれ、三本の丸太を立てかけ合わせて側面で繋ぐ。丸太先端が三本突き出た逆三角錐状の頂部が特徴で、焚火の煙抜きや明りとりになっている。
“デザイン性・事業性・社会性”でまちを豊かにする「UDS株式会社」の、建築設計職・インテリアデザイン職・施工管理職・グラフィックデザイン職 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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UDSは「デザイン」と、事業性と社会性を実現するしくみ=「システム」でまちを豊かに楽しくすることを目指す組織です。
「デザイン性」と「事業性」、「社会性」を兼ね備えたまちをよりよくする「新しい選択肢の提案」に、企画、設計・施工、運営が連携して取り組む独特のスタイルで活動しています。このたび、さらなる挑戦のため、施工管理職、グラフィックデザイナー職・建築設計・インテリアデザイン職を募集します。
今回はCOMPATH事業部の3つの部門が、それぞれメンバーを募集する形式となりますため、後半のUDSホームページの採用記事を読んで頂いた上で、ご応募ください。
【UDSが目指すこと】
「まち」は社会を構成するひとりひとりの生活の場であり、働く場であり、また、時に来訪者として訪ねる場です。
そんなまちを「豊かに」「楽しく」するために、UDSでは以下の視点で取り組んでいます。– 生活に、仕事に、旅に「あったらいいな」という機能/場を提供すること。
– そのまちに住み、働き、訪れる人が集まり、つながって、コミュニティが生まれコミュニケーションが育まれること。
– それぞれの地域独特の文化がつながっていき、また新しく生まれていくことこんな視点で、自分たちが「あったらいいな」と思う場を、新しい選択肢として社会に提案していくことを目指して活動しています。
齋藤和哉建築設計事務所が設計した、宮城・仙台市の住戸改修「八幡のフラット」です。
自身の領域的な玄関ポーチと眺望の良さが特徴の区画です。建築家は、“場の魅力”を活かす為、ポーチからベランダまでを眺望・光・風が貫く“土間”の様な空間とする構成を考案しました。また、壁面の塗分けは外との連続性と既存の許容を意図しました。
築20年の分譲マンションの一室を改修した、夫婦と子どもと猫、3人と2匹が暮らす住宅である。
元々は南北に居室を設ける典型的な片廊下ハーモニカ型の間取りだった。南東の角部屋のためとても明るいこと、共用通路の一部がポーチとなりそこから先が自らの領域のようになること、南向きの大きな開口部からベランダ越しに見える青葉山への眺望が抜群に良いこと、がこの一室の特徴である。
この場の魅力である、眺望そして光と風がベランダからポーチまで室内を貫く、冗長性を持った余白のような空間を家族が集う土間とした。一方、使い方が限定される寝室、洗面、納戸、台所はできるだけ既存の位置から変えず、コンパクトにまとめることでコストを抑えた。部屋の大きさや用途に関わらず、同じ大きさの引き戸にすることで実面積以上の奥行き感をつくり出そうとした。
家具や建具の標準的な高さである2mを基準とし、それより下はマンションの外壁からサンプリングした小豆色、それより上はコンクリートに近いグレーできっちりと塗り分けることで、外との連続性を高めつつ、思い通りにならない既存の躯体や開口部をそのまま受け入れる意匠とした。外部環境がさらに際立つよう、隣家側の壁面は均質な全面収納とし、土間の抽象度を高めた。収納の上部は猫たちが気ままに過ごすキャットウォークとして余すことなく活用している。
“新たな風景を新潟からつくる”を掲げる、東海林健が主宰の建築設計事務所「EA Research and Design Office」の、設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
I・J・Uターン移住転職者大歓迎!
「まだ見ぬ新たな風景を、新潟からつくる」東海林健が主宰するEA Research and Design Officeが、設計スタッフ(経験者)を募集中EAは、住宅・商業施設・クリニック・保育施設・教育施設等の設計から、土地活用の企画立案、ブランディング、町作り、メタバース技術開発に至るまで多岐に渡り、秋田・山形・岩手・新潟・群馬・東京・神奈川・静岡・奈良・神戸・鹿児島と色々な地域にてプロジェクトを進めています。
この度、業務拡大にともない設計スタッフを2名募集します。
【事務所紹介】
「Around Architecture, Alternative Architecture.」
対話的であること、批評的であること、分析的であること、を行動指針とし、新潟市内を拠点に東海林健が2008年に株式会社東海林健建築設計事務所として創業。昨年度で15周年を迎え、それを機会に働き方体制を刷新し、社名もEAに改称し「新たな16年目」を進めております。
建築を作ることのひとつ手前や、建築を作ることの周辺を大切にしながら、
「そこにしかない建築、そこにしかない活動、そこにしかない幸せな関係」の構築による、”もうひとつの可能性“ に出会える社会を目指しています。【メッセージ】
アーキテクトスタッフにはプロジェクトを任せ、設計から監理までを一貫して進めてもらいます。
全てのプロジェクトは担当者と代表の東海林が直接対話を重ねて進めていきます。私たちは社内、社外問わずできる限り多くの人との対話や関わりの中でこそ新しい建築が生まれてくると考えています。
そのため、プロジェクトのプロセスは常に開かれており、先輩からの助言ももらいやすい環境です。建築や都市について対話を重ね、提案していく過程において、チームは常にフラットであり、建築設計が好きで積極的にデザインや提案をしたい方が活躍できる事務所となっております。また、事務所のOBには独立している人も多く、独立を目指して力をつけたい方にも適した環境です。
独立後はなかなか仕事がありませんが、軌道に乗るまではアウトサイドパートナーとして当社と対等な立場での協働を支援しています。
一方で、長く勤めて事務所を支えてくれる意志のある方も大歓迎です。将来的には、一人の建築家として事務所のパートナーになり、デザイン戦略、経営戦略に参画したいという方を募集します。新潟在住の方はもちろんですが、新潟出身の方、また新潟に縁もゆかりもない方、「 I・J・U ターン移住転職者」を全力で応援します。弊社には現在、秋田、山形、宮城、広島と他県からの移住就労者も多く在籍しています。
自然豊かで子育てもしやすく、当たり前に食べる物がとんでもなく美味い。
海遊び、川遊び、山遊びが普段の暮らしのすぐ傍にあり、そして何より夕陽が最高に美しい!そんな地方都市新潟から、日本各地さらには世界に向けて、まだ見ぬ全く新しい未来を提案していきましょう。
今津康夫 / ninkipen!が設計した、滋賀・愛荘町の「招き屋根の調剤薬局」です。
かつての“残影”が残る旧宿場町での計画です。建築家は、この場所に相応しい在り方を求め、見える屋根面積を増やす“招き屋根”と半屋外空間を作る“通り庇”を備えた建築を考案しました。また、“厨子二階”で高さを抑えつつ気積も確保しています。
中山道65番目の宿場町、愛知川宿に位置する調剤薬局である。
広重の木曽海道六拾九次にも描かれた街道沿いには旧旅籠など往時を偲ばせる建築が今も使われており、かつて宿場町として賑わった残影が点在している。
それらのコンポジションに倣い、この場所にふさわしいプロポーションとスケールを模索した。
まずはじめに、二階のオフィス部分を厨子二階として、屋根の高さを抑えながらも勾配天井とすることで十分な気積を確保し、次に一階には通り庇を設け、前面道路の角度を受け止めながら土庇と連続させて半屋外の大きな縁空間をつくった。
さらに一、二階ともに棟木を後ろ側に偏心させて招き屋根とすることで、通りから見える屋根の面積を増幅させ、3枚の屋根と庇の重なりを可視化している。
薬局には元気になろうとする人々が訪れる。
木質化した佇まいと頭を垂れながら重なり合う2枚の屋根と1枚の庇が、当たり前の景色に溶け込み、何気ない日々の暮らしの一助となることを願っている。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/7/1-7/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
- 遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視
- 本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る
- 富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、東京・八王子市の「WOODSTOCK House すぎんち」。木造平屋を改修した設計者の自邸兼事務所。極力“ゴミを出さない”計画を目指し、自身で解体した部材を保管して各箇所での再利用等も実施。性能向上の視覚化も意図して断熱吹付や構造補強も全て現しとする
- 鈴木雅也建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「広尾の家」。三方の窓から豊かな自然環境が望める集合住宅での計画。持続可能性や不動産価値の視点も考慮し、区画内に“家を建てる”意識での設計を志向。水廻りコアを中央に置いた回遊性のある構成で“恵まれた環境”も活かす
- 「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛ける
- 村野藤吾が、1960年に手掛けた椅子とソファが復刻。京都の都ホテルの為にデザインされたもの。MURANO designの協力のもとCOMPLEXが引継ぎ制作
- 小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる
- モロークスノキ建築設計が設計者として手掛ける、パリの「ポンピドゥー・センター」の改修計画。ピアノ+ロジャースが1977年に完成させた文化施設を改修する計画。既存の価値観とコンセプトを尊重しつつ、変化した時代と調和する建築を志向。2030年の完成を予定
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 楮谷慎吾 / SHiiKA建築設計事務所による、東京の住戸改修「三鷹の住戸」。“普遍的な3DK”を改修する計画。躯体と既存平面の“素直な関係性”に着目し、元の性質を引き継ぎつつ“再構築する”設計を志向。公私の程度も考慮して各用途の空間が段階的な“奥性”を持ち繋がる構成とする
- 重松象平 / OMAの空間デザインによる、六本木ミュージアムでの「ミス ディオール展覧会 ある女性の物語」。香水“ミス ディオール”を主題とした展示。多様な要素や世界観を反映する為に、時代を超えた一貫性を持ちつつ各テーマの理解を促す設計を志向。非日常的な空間でモチーフとなった製品の世界へと誘う
- MVRDVによる、中国・深センの、宿泊施設の客室「Shenzhen Women & Children’s Centre Hotel Room」。同設計者が手掛けた施設内での計画。家族での利用を想定した空間として、“柔軟性”を原理とする設計を志向。施設のカラフルな色彩を継承して様々な色を用いた機能的なニッチのあるリビングスペースを考案
- MVRDVによる、中国・上海の「Tiffany Facade Shanghai Taikoo-Li」。ジュエリー店のファサードデザイン。宝石に着想を得て、ブランドを想起させる“約7千個のガラスダイアモンド”を用いたスクリーンを考案。地元のスカイラインも参照して様々な色でのライトアップも可能とする
- 大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・江東区の店舗「Heim Jens」。コンテンポラリードレスのレーベルの為の店。“家の様な店”との要望に、“室礼”を主題とし“遊びごたえがあって暖かな骨と皮”の提供を志向。被覆で囲まれた場に並ぶ品々が連鎖して“趣味”が生まれる空間を作る
- GROUPによる、建築展「島をつくる」。都心のビルの22階にあるアートスペースでの展覧会。窓から廃棄物処理の“埋立地 / 島”が見える空間に、“島をつくる”建築を移設。会場内で廃材をコンポストして土をつくり“新しい島”の創造を試みる
- nendoによる、長野・軽井沢町の「塀の家」。道路沿いの細長い三角形状の敷地。外部の視線を遮りながら周辺環境を楽しめる建築を目指し、“フィルター”の役割を担う“ブロック塀”のデザインから開始。5列の塀を建て隙間を“埋める”様に居室を配置する
- Open Aの馬場正尊を、NHKのテレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」が特集
- 辻琢磨建築企画事務所による「青と赤の流動」。“動き”を建築として捉える思考でつくられた作品。場所・時期・主催が異なる3つの展示を、既存の“青と赤に塗装された資材”を転用して構成。写真家の伊丹豪との協働で“動きとしての建築”の記録方法も模索
- 美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供
- 大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持