2024.9.25Wed
米田雅樹 / ヨネダ設計舎による、三重・伊勢市の「キロプテラの家」。編集者の施主と両親の為に計画。“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案。複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出す
米田雅樹 / ヨネダ設計舎による、三重・伊勢市の「キロプテラの家」。編集者の施主と両親の為に計画。“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案。複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出す外観、北側道路より見る。 photo©ToLoLoStudio 谷川ヒロシ
米田雅樹 / ヨネダ設計舎による、三重・伊勢市の「キロプテラの家」。編集者の施主と両親の為に計画。“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案。複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出す1階、左:玄関、中央:広間、右:キッチン photo©ToLoLoStudio 谷川ヒロシ
米田雅樹 / ヨネダ設計舎による、三重・伊勢市の「キロプテラの家」。編集者の施主と両親の為に計画。“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案。複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出す2階、左:室6(音の広場)、手前:室5(階段室)右:室7(クローゼット) photo©ToLoLoStudio 谷川ヒロシ
米田雅樹 / ヨネダ設計舎による、三重・伊勢市の「キロプテラの家」。編集者の施主と両親の為に計画。“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案。複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出す2階、室6(音の広場) photo©ToLoLoStudio 谷川ヒロシ

米田雅樹 / ヨネダ設計舎が設計した、三重・伊勢市の「キロプテラの家」です。
編集者の施主と両親の為に計画されました。建築家は、“知覚・時間・想像”に拡がりを与える存在を求め、“ルートと選択”という趣旨の元に“モジュールを反復させる”平面構成を考案しました。そして、複数の経路で“無限遠の様なループ性”も生み出しました。

クライアントと初めて設計打合せをした際の箇条書きは以下であった。

・光が苦手なので自分の生活スペースは絞った光量を希望
・人生と共に集まってくる好きなものたちを楽しみながらレイアウトしていきたい

・両親と同居するが、1階に配する父と母のスペースは用途分離できる構造としたい



と大きく三点のご要望をいただいた。


高齢に差し掛かっているご両親のスペース(1階)と毎日仕事で帰りが遅い編集者であるクライアントのスペース(2階)との関係と、今後の可能性を含めたプランを検討した。

建築家によるテキストより

建築の使い方と、空間認識を「ルートと選択」というキーワードに置き換え、1階・2階とも同モジュールを反復させたプランとした。
ひとは視覚以外でもモノを視る。感じる。
まだ見えない反復の向こうは奥行きを持った想像の先へとつながっていく。
目線の先、頭の中双方にかきまぜられながら空間は増幅し、拡がっていく。

建築家によるテキストより

2階は設計を依頼した建主のスペースである。


既に手持ちの家具は原色を多用したものが多く、それらの背景となる色(補色)として朱色を選定した(設計初期からのクライアントの強い要望であった)
。
2階は南面から最北の寝床に向けて段状に上っていく。南面に穿った大きな開口からはいった光が、北に向かうにつれて狭まっていく。開口に絞られ、奥へと行くにつれてだんだんと闇が滲んでいく。
同プランの反復が、光の在り方、天井高の差異をつくり、ひととモノの居場所をつくる。

経路は幾通りもあり、床面積という概念とは異なる無限遠のようなループ性を生む。
各室に面する4面の開口が均一となるよう、可動垂れ壁や可動間仕切りをしのばせ、知覚経験の増幅を図った。

建築家によるテキストより
BIGによる、デンマークの「ペーパーアートミュージアム」。元スーパーマーケットをペーパーアートの美術館に転用する計画。伝統を未来に引継ぐ存在として、“一枚の紙”の様な屋根で既存建物を覆う構成を考案。既存壁面には“折紙”を参照した音響調整機能層が付加される
BIGによる、デンマークの「ペーパーアートミュージアム」。元スーパーマーケットをペーパーアートの美術館に転用する計画。伝統を未来に引継ぐ存在として、“一枚の紙”の様な屋根で既存建物を覆う構成を考案。既存壁面には“折紙”を参照した音響調整機能層が付加される image courtesy of BIG
BIGによる、デンマークの「ペーパーアートミュージアム」。元スーパーマーケットをペーパーアートの美術館に転用する計画。伝統を未来に引継ぐ存在として、“一枚の紙”の様な屋根で既存建物を覆う構成を考案。既存壁面には“折紙”を参照した音響調整機能層が付加されるワークショップスペース image courtesy of BIG

BIGが設計している、デンマークの「ペーパーアートミュージアム」です。
元スーパーマーケットをペーパーアートの美術館に転用する計画です。建築家は、伝統を未来に引継ぐ存在として、“一枚の紙”の様な屋根で既存建物を覆う構成を考案しました。また、既存壁面には“折紙”を参照した音響調整機能層が付加されます。


こちらはリリーステキストの翻訳です

BIGがデンマークの元スーパーマーケットの建物をペーパーアートの新しい美術館へと変貌させる

BIG-ビャルケ・インゲルス・グループは、デンマーク北ユトランド地方にある元スーパーマーケットの建物を、新しいペーパーアートの美術館に変える予定です。デンマークの文化遺産に深く根付いたペーパーアート、例えばル・クリントによるアイコニックな折り紙ランプシェードやH.C.アンデルセンの紙クリップなどがありますが、この建物の転用と増築により、美術館の年間来館者数を倍増させるとともに、アートの一形態として、また専門技術として紙を取り入れていくことを目指しています。

2018年に切り絵作家のビト・ヴェイレによって創設されたペーパーアートミュージアムは、北欧唯一の紙工芸とデザインの専門美術館です。約900㎡の元スーパーマーケットの建物は、BIGによって改装と増築が施され、ワークショップ、イベント、教室、倉庫、オフィス施設を備えた2300㎡の美術館に生まれ変わります。アダプティブ・リユース・プロジェクトでは、DGNBのゴールドまたはプラチナ認証の取得を目指しています。

「ペーパーアートはデンマークの文化遺産に深く根付いており、ル・クリントの折りたたみ式ランプやアンデルセンの紙クリップといった象徴的なデザインを通じて、デンマークのペーパーアートの伝統が紹介されています。この遺産を未来に引き継いでいくことが、この美術館の中心的な使命です。私たちは既存の建物を再利用したことも誇りに思っています」─ カレン・ビット・ヴェイレ、ペーパーアートミュージアムのアーティスト兼ディレクター

「ペーパーアートミュージアムは、新しい軽量屋根構造として構想されています。一枚の紙のように既存の建物に屋根が載り、その周囲に新しい機能のためのスペースが生まれます。つまり、新しいものと古いものを一つの屋根の下に統合するのです。既存の建物の外壁には、折り紙にインスパイアされ、複数の紙アーティストとのコラボレーションでデザインされた新しい音響調整機能を持つ紙のアート層が施されます。

「ペーパーアートとは、単色の二次元素材である一枚の紙から、三次元の形や複雑なイメージを作り出すことです。屋根の表面を折り紙の1枚の紙のように扱うことで、既存の機能と新しい機能が1つの統一されたジェスチャーにまとめられます。明確さによって表現力が強調され、シンプルさから複雑さが生まれます。そして、老朽化したスーパーマーケットは、浮遊する湾曲した屋根の下で新たな命を得るのです」─ ビャルケ・インゲルス、BIG-ビャルケ・インゲルス・グループ創設者兼クリエイティブ・ディレクター

2024.9.24Tue
京都国立近代美術館での展覧会「LOVE ファッション―私を着がえるとき」の入場チケットをプレゼント。18世紀から現代までの衣服作品を中心に展示し、“着ること”の意味の再考を促す内容。会場デザインは“GROUP+石毛健太+楊いくみ”が手掛ける
京都国立近代美術館での展覧会「LOVE ファッション―私を着がえるとき」の入場チケットをプレゼント。18世紀から現代までの衣服作品を中心に展示し、“着ること”の意味の再考を促す内容。会場デザインは“GROUP+石毛健太+楊いくみ”が手掛ける展覧会ポスター image courtesy of 京都国立近代美術館
京都国立近代美術館での展覧会「LOVE ファッション―私を着がえるとき」の入場チケットをプレゼント。18世紀から現代までの衣服作品を中心に展示し、“着ること”の意味の再考を促す内容。会場デザインは“GROUP+石毛健太+楊いくみ”が手掛けるComme des Garcons(川久保玲)トップ、パンツ 2020 年春夏 ©京都服飾文化研究財団、撮影:来田猛

京都国立近代美術館での展覧会「LOVE ファッション―私を着がえるとき」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
18世紀から現代までの衣服作品を中心に展示し、“着ること”の意味の再考を促す内容です。会場デザインは“GROUP+石毛健太+楊いくみ”が手掛けています。会期は、2024年9月13日~11月24日まで。展覧会の公式サイトはこちら
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年10月7日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)は、2024年9月13日(金)から11月24日(日)まで、特別展「LOVE ファッション―私を着がえるとき」を開催いたします。

服を着ることは人間の普遍的な営みのひとつです。そして装いには私たちの内なる欲望が潜み、憧れや熱狂、葛藤や矛盾を伴って表れることがあります。お気に入りの服を着たい、あの人のようになりたい、ありのままでいたい、我を忘れたい、……。着る人のさまざまな情熱や願望=「LOVE」を受け止める存在としてのファッション。そこには万華鏡のようにカラフルな世界が広がっています。

本展では、KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションを中心に、人間の根源的な欲望を照射するアートとともに、ファッションとの関わりにみられるさまざまな「LOVE」のかたちについて考えます。展覧会を通して、私たち人間が服を着ることの意味について再び考えるきっかけとなるでしょう。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

【ap job更新】 “まちの新しい価値になる”を掲げ、建物や土地の価値向上に取り組む「リノベる株式会社」が、都市創造事業部のプロジェクトマネージャーと設計スタッフを募集中
【ap job更新】 “まちの新しい価値になる”を掲げ、建物や土地の価値向上に取り組む「リノベる株式会社」が、都市創造事業部のプロジェクトマネージャーと設計スタッフを募集中
【ap job更新】 “まちの新しい価値になる”を掲げ、建物や土地の価値向上に取り組む「リノベる株式会社」が、都市創造事業部のプロジェクトマネージャーと設計スタッフを募集中

“まちの新しい価値になる”を掲げ、建物や土地の価値向上に取り組む「リノベる株式会社」の、都市創造事業部のプロジェクトマネージャーと設計スタッフ 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

~まちの新しい価値になる。~

「まちの新しい価値になる」という事業ビジョンのもと、建物や土地の価値向上や再生事業のプロジェクトを、事業企画から運営までワンストップでマネジメントしています。
同様のワンストップスキームで新築案件の依頼も増加しており、経験を活かして頂くフィールドは拡大傾向です。
その都市創造事業部は、この3年で実に成長率200%を達成しました。

【都市創造事業の特徴・強み】
1.設計・デザインを軸としたワンストップサービスを建物種別限定せずに事業化の成立検証段階からプロジェクトマネジメント
・事業化の成立検証の段階から、リーシング支援・企画・デザイン・設計・施工・運営マネジメントまで全ての段階を一貫してプロジェクトマネジメントを行います。
・なかでも当社では設計、施工部門を自社内に保有しております。そのためコンサルだけではなく直接的に案件に関わることが可能になり、より発注者の求める事業の実現に向けたプロジェクトマネジメントが可能になります。
・加えて、プロジェクトマネジメント業務として、コスト・スケジュールについても、常に計画の進捗に合わせて、管理を行うことにより、業務を適切に遂行する役割を担っていただきます。

2.自由度の高い企画・関わる案件の幅広さ
・事業ミッション「まちの新しい価値になる」を軸として多様な案件に取り組むことが可能です。
・遊休不動産の価値向上・再生事業のプロジェクトを中心としながらも、事業ミッションの実現において、事業性および持続性の観点から新築の案件に携わる機会も増えてきております。
・各案件の企画においては、一人ひとりが裁量権をもち自らが中心となって立案・推進・管理を行い、社内外を巻き込みプロジェクトマネジメントいただきます。
・グッドデザイン賞も多数受賞しており、デザイン以外にも地方都市再生モデル・新たな体験価値を生み出した点が高く評価されております。

山﨑壮一建築設計事務所による、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」。海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテル。眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案。“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計
山﨑壮一建築設計事務所による、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」。海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテル。眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案。“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計鳥瞰、南東の海側より見る。 photo©小川重雄
山﨑壮一建築設計事務所による、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」。海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテル。眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案。“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計外観、敷地内通路よりB棟を見る。 photo©小川重雄
山﨑壮一建築設計事務所による、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」。海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテル。眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案。“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計B棟、201室、室内からプール越しに海側を見る。 photo©小川重雄
山﨑壮一建築設計事務所による、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」。海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテル。眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案。“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計C棟、101室、左:プール、中央:テラス、右:リビング photo©小川重雄

山﨑壮一建築設計事務所が設計した、沖縄の宿泊施設「アルカディアリゾート宮古島」です。
海沿いの傾斜地に建つ全室スイートルームのホテルです。建築家は、眺望と景観の継承を主題とし、高さを抑えた三棟を“地形の等高線”に沿って配置する計画を考案しました。また、“海との出会い方”も考慮してゲートや壁などの建築要素を設計しました。施設の公式サイトはこちら

アルカディアリゾート宮古島は、全室スイートルームのラグジュアリーリゾートホテルである。
事業主からは、全客室からのオーシャンビュー、プライバシーの確保、地域で最高グレードの品質である事、が求められた。

建築家によるテキストより

敷地のある伊良部島南部は起伏が少なく陸から海へなだらかにつながる地形となっている。一方、海岸線には隆起侵食された石灰岩がリアス式状に表れ特徴的な景観を形成しており、計画地の目の前にもプライベートビーチの魅力的な風景が広がっていた。
この海への視界・既存景観の継承に配慮しながら、造成と建築を俯瞰的に捉え、一体的に計画を行うことがテーマとなった。

建築家によるテキストより

客室は14室、海への眺望を求め間口を抑えた部屋を横並びに置く配置もありえたが、それでは必要なグレードに達し得ず、充分な開放感・海とのつながりを感じることもできない。ここで私達が提案したのは、建築群を等高線にそって3列にまとめ、高低差を設けながら客室を配置する計画である。これによりホテル利用者全ての居場所からオーシャンビューが得られることとなった。

建築家によるテキストより
2024.9.23Mon
O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘う
O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘う共用通路から店舗全体を見る。 photo©長谷川健太
O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘う共用通路側からカフェカウンター全体を見る。 photo©長谷川健太
O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘う売場、島什器を見る。 photo©長谷川健太
O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘うカウンターの詳細 photo©長谷川健太

中川宏文 / O.F.D.A.山本稜 / Spicy Architectsが設計した、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」です。
都心のアンテナショップの計画です。建築家は、多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築しました。また、地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘うことも意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

和歌山県の首都圏アンテナショップ「わかやま紀州館」のリニューアルの計画である。
和歌山ならではの商品が並び、新たにイートインコーナーを設ける店舗として設計した。計画店舗は有楽町駅前の東京交通会館の地下1階の一角である。

この施設の低層部には全国各地のアンテナショップが立ち並び、通行人の目を引くために様々な仕上げや看板で装飾が施されている。また、物産館という店舗形態は、幅広い商品を生産者から個別に仕入れるため、商品の品目やパッケージデザインが統一されておらず、どの店舗も大量の視覚情報で溢れている。

そこで、本計画では、多種多様な商品に統一感を与える背景をつくり、かつ通行人を店内に引き込むような要素を兼ね備えた店舗とすることを目指した。

建築家によるテキストより

取り扱う商品は和歌山県自慢の商品であるが、それぞれのパッケージの形、色やツヤは様々である。この商品の集積の印象が統一して魅力的にお客さんに伝わるように、背景に橙色を用いてコントロールをした。また、店舗スペース内の太いコンクリート柱には、橙色に塗装したメッシュで包むことによって目に留まりやすいファサードをつくった。

建築家によるテキストより

設計要件として特に重要視されたのは和歌山県の豊富な山林が育んだ紀州材を使用することであった。

紀州材は他の産地の木材と比較して、色合いや目合いが良く、素直で狂いが少ないのが特徴である。まるで山から切り出された木々が製材所に並んでいるかのように、シンプルに並べ、積み重ねることで材料そのものの美しさをストレートに伝えることを意識した。

メディアやインターネットの発展と共に視覚性優位が過剰になった現代において、紀州材のヒノキが持つ豊かな香りは臭覚を刺激し、店舗前を行き交う人々を店内へと誘い込む。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/16-9/22]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/16-9/22]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/9/16-9/22)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  2. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  3. 高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図
  4. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第5回 青木淳 インタビュー・後編「色彩の変わり続ける意味合いと面白さ」
  5. 阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る
  6. 高松伸による、東京・渋谷区の地下に埋設されたオフィスビル「アーステクチャー・サブワン」が、約5.2億円で販売中
  7. トラフ建築設計事務所による、台湾の店舗「Aesop Taichung」。緑道沿いの既存建物の内外を改修。人々の日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向。市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して作る
  8. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の最終審査公開プレゼンの動画。最終候補者には、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計も名を連ねる。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦。2024年9月に行われたもの
  9. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の提案書が公開。最終候補者の、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計のものも公開。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦
  10. 井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする
  11. MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識
  12. 桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識
  13. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  14. 平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案
  15. 伊東豊雄と平田晃久が対談しているテレビ番組の動画。2024年9月に公開されたもの
  16. SANAAの妹島和世と西沢立衛が、自身が設計を手掛けた“グラングリーン大阪の大屋根”について解説している動画。建築の様子も収録。2024年9月に公開されたもの
  17. 法律家の水野祐と建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2024」が開催。テーマは「あいまいさの確かな形質」。最優秀賞には国際アワードセレモニーへの招待と賞金30万円が贈呈
  18. 西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
  19. 境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案
  20. 平田晃久建築設計事務所による、東京の、住宅・ギャラリーからなる複合ビル「Tree-ness House」

2024.9.22Sun
SANAAの妹島和世と西沢立衛が、自身が設計を手掛けた“グラングリーン大阪の大屋根”について解説している動画。建築の様子も収録。2024年9月に公開されたもの

SANAAの妹島和世と西沢立衛が、自身が設計を手掛けた“グラングリーン大阪の大屋根”について解説している動画です。。建築の様子も収録されています。2024年9月に公開されたもの。グラングリーン大阪は、JR大阪駅前で進む大規模開発です。

2024.9.20Fri
浜田晶則建築設計事務所による、東京・渋谷区の「Torinosu」。飲食店の為に作られたオブジェクト。森での“根曲がり木”との出会いを契機とし、木が備える“生命力あふれる美しいカーブ”を設計に組み込む創作を志向。3DスキャンやAR技術と職人技術を組わせて実現する
浜田晶則建築設計事務所による、東京・渋谷区の「Torinosu」。飲食店の為に作られたオブジェクト。森での“根曲がり木”との出会いを契機とし、木が備える“生命力あふれる美しいカーブ”を設計に組み込む創作を志向。3DスキャンやAR技術と職人技術を組わせて実現する"Untitled (The Twisted Trees in Shibuya #343–486)", 2020 © Gottingham Image courtesy of Aki Hamada Architects and Studio Xxingham photo©Gottingham
浜田晶則建築設計事務所による、東京・渋谷区の「Torinosu」。飲食店の為に作られたオブジェクト。森での“根曲がり木”との出会いを契機とし、木が備える“生命力あふれる美しいカーブ”を設計に組み込む創作を志向。3DスキャンやAR技術と職人技術を組わせて実現する"Untitled (The Twisted Trees in Shibuya #343–486)", 2020 © Gottingham Image courtesy of Aki Hamada Architects and Studio Xxingham photo©Gottingham
浜田晶則建築設計事務所による、東京・渋谷区の「Torinosu」。飲食店の為に作られたオブジェクト。森での“根曲がり木”との出会いを契機とし、木が備える“生命力あふれる美しいカーブ”を設計に組み込む創作を志向。3DスキャンやAR技術と職人技術を組わせて実現する"Untitled (The Twisted Trees in Shibuya #343–486)", 2020 © Gottingham Image courtesy of Aki Hamada Architects and Studio Xxingham photo©Gottingham

浜田晶則建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の「Torinosu」です。
飲食店の為に作られたオブジェクトです。建築家は、森での“根曲がり木”との出会いを契機とし、木が備える“生命力あふれる美しいカーブ”を設計に組み込む創作を志向しました。そして、3DスキャンやAR技術と職人技術を組わせて実現しました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

ある家具の制作のための木を見に、飛騨の森に行った。
そこで、斜面地に生える根曲がり木に出合った。それはとても伸びやかなカーブを描いていた。根曲がり木はかつて建築の梁などによく使われていたが、現在では使いにくい材とされてチップにされていることが多いという。

製材された木は、蒸気で曲げることもできれば、3次元的に切削することによって曲面をつくることもできる。しかし、森で根曲がり木を見たときに、生命力あふれるこの美しいカーブを厳密に設計の中に組み込んで扱うことができないかと思った。そして、森のなかに眠る価値を現代の技術によって発見することによって、林業に新たな価値を与え、廃棄物をなるべく少なくしながら自由な形を扱おうとした。

建築家によるテキストより

「Torinosu」は根曲がり木を3Dスキャンし、複雑な形状を3次元的に扱い厳密に利用している。そしてMixed Realityヘッドセットを用いたAR技術で墨出しを容易にし、高度な職人の技術とAR技術を組み合わせることによってこの構築物は成立している。Reciprocal frameの原理の構造形式によって、1本150kgを超える重い木々が相互に支え合いながら自立している。

ここで用いる補助線は、平面は六角形の軸線であるが、その軸に通る根曲がり木はそれぞれが異なる形と重心をもつ。三次元的な配置角をARによって規定し、1本の木に対して異なる2つの平面で切断するという、最小限の操作で構造体を成立させた。

建築家によるテキストより

人類はこれまで自然がもつ形や力を、人間が扱いやすいように合理化して制御しようとしてきた。しかし筆者は自然と人間が豊かに、かつ高度に共生していく未来を描いていきたいと考えている。そんな世界を象徴するような構築物として、人々が生態系について思索するきっかけにならないだろうかと考えながら「Torinosu」を設計した。

建築家によるテキストより
法律家 水野祐・藤原徹平・中山英之・デザイナー 古平正義が出演する、日本ペイント主催のスペシャルトークセッションが開催。建築学生コンペ「AYDA2024」の開催に合わせて行われる審査員ら参加のイベント。学生限定で参加者を募集中
法律家 水野祐・藤原徹平・中山英之・デザイナー 古平正義が出演する、日本ペイント主催のスペシャルトークセッションが開催。建築学生コンペ「AYDA2024」の開催に合わせて行われる審査員ら参加のイベント。学生限定で参加者を募集中

法律家 水野祐・藤原徹平・中山英之・デザイナー 古平正義が出演する、日本ペイント主催のスペシャルトークセッションが開催されます。
建築学生コンペ「AYDA2024の開催に合わせて行われる審査員ら参加のイベントです。学生限定で参加者を募集中。開催場所は、東京・墨田区の喫茶ランドリー本店です。開催日時は、2024年10月15日(火)18:00~19:30参加費無料です。こちらのページでの事前申込制です。また、YouTubeでのオンタイムライブ配信も予定とのこと。【ap・ad】

AYDA(Asia Young Designer Award)は日本ペイントグループが、グローバルに開催している建築デザインの国際コンペティションです。
10月15日(火)に、本年の審査員長 法律家で弁護士の水野祐氏、審査員の建築家 藤原徹平氏・中山英之氏、AYDAのホームページをデザインされているデザイナーの古平正義氏をお招きし、本年度のテーマである「あいまいさの確かな形質」についてトークしていただきます。

テーマのヒントについて審査員長と審査員から直接聞くことができ、テーマを紐解く有意義な時間となることでしょう。
トークイベントの終盤には質疑応答も設けております。同じ建築・デザインを学ぶ学生とコミュニケーションをつながる機会です。
また本年は、現地参加の他にYouTubeでのオンタイムライブ配信も予定しております(後日アーカイブ公開予定)。
現地解散が叶わない方は、ぜひYouTubeライブにてご参加ください。皆さんのご応募、お待ちしております。

【トークイベント概要】
■日付:2024年10月15日(火)
■時間:18時~19時30分(17時30分より受付開始)
■場所:喫茶ランドリー森下・両国本店
■住所:東京都墨田区千歳2-6-9 イマケンビル1階
■最寄り駅:森下駅(都営新宿線・大江戸線)A2出口より徒歩5分(450m)
両国駅(JR総武線)東口より徒歩8分(800m)

以下に、今年のテーマについてのステートメントや審査員のプロフィールも掲載します。

MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識
MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識 image©Atchain
MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識 image©Atchain
MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識 image©Atchain
MVRDVと華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」。バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設。競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案。誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識 image©Atchain

MVRDV華藝設計による、中国・深センのスポーツ施設「The Sweet Spot」です。
バドミントンをメインに様々なスポーツを行う施設の計画です。建築家は、競技に用いる道具から着想を得て、“240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根”を備えた建築を考案しました。また、誰もが理解して楽しめるコンセプトでの創造も意識されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です

MVRDVが、中国の国立バドミントントレーニングセンター複合施設のコンペ優勝デザインを発表

MVRDVは華藝設計と共同で、深セン東部の深セン坪山スポーツパークの設計コンペを勝ち取りました。この公園には、バドミントンやその他のスポーツ大会用のアリーナ、新しい中国国立バドミントン・トレーニングセンター、国立フィットネスセンター、公共利用のためのスポーツパーク、および付随する商業施設が含まれます。すべての施設で合計100面のバドミントンコートがあることから、バドミントンはデザインの多くの要素にインスピレーションを与えました。特に、240mにわたるラケットヘッドの形をした屋根は、この複合施設の中心的な役割を果たしている。

このメインの建物には、アリーナ、ウォームアップコート、トレーニングコートがあります。パブリックレベルでは、3つの施設の間には広い遊歩道が設けられ、T字型の公共スペースを形成し、複合施設の活気ある中心となっています。これらの遊歩道の交差点、メインアリーナのエントランスの外側には、「スウィートスポット」として知られる広場があります。これは、バドミントンのラケット上で最高のショットを打つ部分に由来しており、全体的なデザイン提案にもその名が付けられています。パブリックレベルの下には、「ローワーグラウンド」レベルがあり、国立トレーニングセンターのさまざまな要素を結びつけ、スポーツ科学の研究スペースも含まれています。この段違いのアプローチにより、施設間を移動するトップアスリートにプライバシーが確保されます。

これらすべての上に、太陽光発電パネルを支えるラケット型の屋根があり、この複合施設で使用されるエネルギーのかなりの割合を賄っています。一方、屋根の格子状の構造は、ラケットの弦を思わせます。

「この複合施設のプログラムを考えると、坪山スポーツパークは全てのスポーツを祝う場であるべきことは明らかでしたが、何よりもバドミントンを称える場であるべきだということが重要でした」MVRDVの創立パートナーのヤコブ・ファン・ライスは言います。「スウィートスポットのデザインでは、我々は正面からその要件に取り組みました。誰もが評価できる、楽しく、読みやすいコンセプトで。同時に、我々は、この複雑なプロジェクトを、効率的、持続可能、かつ社会的に解決する方法に細心の注意を払いました。このコンペティションで優勝することができて、とても興奮しています!」

2024.9.19Thu
【ap job更新】 “代官山T-SITE”や“星野リゾート リゾナーレ”などを手掛ける「クライン ダイサム アーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と オフィスマネージャーを募集中
【ap job更新】 “代官山T-SITE”や“星野リゾート リゾナーレ”などを手掛ける「クライン ダイサム アーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と オフィスマネージャーを募集中
【ap job更新】 “代官山T-SITE”や“星野リゾート リゾナーレ”などを手掛ける「クライン ダイサム アーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と オフィスマネージャーを募集中代官山T-SITE/蔦屋書店 photo©Nacasa & Partners

“代官山T-SITE”や“星野リゾート リゾナーレ”などを手掛ける「クライン ダイサム アーキテクツ」の、設計スタッフ(経験者・既卒)と オフィスマネージャー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

代官山T-SITEや星野リゾート リゾナーレなどを手掛けるKDaが経験者アーキテクト・デザイナー及びバックオフィスを管理するオフィスマネージャーを募集中!

【募集1】
建築・インテリア設計で3年以上の実務経験があり、ディテールに詳しく現場経験のあるクリエイティブな方。KDaのフィロソフィに共感し、それをチームと共に高めていくことができる方。国内外のプロジェクトをコンセプトから引き渡しまでチーム一丸となって自律的に進めていくことが出来る方を求めています。

現在KDaでは将来のデスティネーションとなる中規模の複合施設建築と複数のホスピタリティプロジェクトが進行中です。また、国内外に展開するフラッグシップストアのデザインも手掛けています。

【募集2】
働きやすいオフィスをマネジメントしながら、ディレクターのサポートを行うスタッフを募集しています。建築・デザイン分野における知識があり、同様の仕事のバックグラウンドを持っている方は優先的に採用を検討します。

【ap job更新】 インテリアデザインを中心に、ブランド開発やプロデュース等も行う「CLOCK」が、インテリアデザイナー(経験者)を募集中
【ap job更新】 インテリアデザインを中心に、ブランド開発やプロデュース等も行う「CLOCK」が、インテリアデザイナー(経験者)を募集中
【ap job更新】 インテリアデザインを中心に、ブランド開発やプロデュース等も行う「CLOCK」が、インテリアデザイナー(経験者)を募集中

インテリアデザインを中心に、ブランド開発やプロデュース等も行う「CLOCK」の、インテリアデザイナー(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【今回の募集について】
商業施設、オフィスなどのインテリアデザインを中心に、時にはブランド開発・プロデュース等も行っています。今回業務拡大に伴い「成長の中核を担い、共に会社を作っていく仲間」を募集します。
1人のカリスマとアシスタントのような関係性ではなく、全員がコアメンバーとして柔軟な発想を持ち寄り、デザイン事務所の新たなモデルを一緒につくっていきましょう。

【仕事内容】
1.インテリアデザインの企画・提案
クライアントのニーズを把握し、それに基づいて最適なインテリアデザインを提案します。デザインコンセプトの立案から、レイアウト、カラースキーム、マテリアル選定など、全体的なデザインプロセスを担当していただきます。

2.社内外とのコミュニケーション
プロジェクトの進行において、クライアントや協力会社、社内チームとの円滑なコミュニケーションを図り、プロジェクトの成功に向けた調整・交渉を行っていただきます。

3.複数プロジェクトの管理
複数のプロジェクトを同時に管理し、スケジュールの調整、リソースの最適化、進捗管理を行っていただきます。

4.基本設計・実施設計のまとめ
基本設計から実施設計までの一連の工程を担当し、詳細な図面の作成や仕様書の作成、必要な法規チェックなどを行っていただきます。

5.チームワーク重視の業務
チームの一員として協力し、柔軟な対応とコミュニケーションを通じて、チーム全体の成功に取り組んでいただきます。

阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る
阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る外観、南側の道路から見る。 photo©松井進
阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る1階、ホールから玄関を見る。 photo©松井進
阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る2階、ダイニングからリビングを見る。 photo©松井進
阿蘓俊博と平井直樹による、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」。住宅街の間口3.5mの敷地での計画。この敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案。小さく細長いからこそ現れる“豊かな景色”を作る2階、リビングからダイニングを見る。 photo©松井進

阿蘓俊博 / アソトシヒロデザインオフィス平井直樹建築設計事務所が設計した、東京・練馬区の「小竹向原の家 / 間口と奥行」です。
住宅街の間口3.5mの敷地での計画です。建築家はこの敷地だからこその建築を求め、最大限の量塊を確保した上で“間口方向の分節”と“奥行方向の統合”を繰返す構成を考案しました。そして、小さく細長いから現れる“豊かな景色”を作りました。

この建築は、東京練馬区に建つ4人家族の住宅である。敷地は間口3.5m、奥行17mの60㎡である。

とても小さく細長い形状で、3.5mの接道面と上空を除けば周囲は隣家に囲まれている。この特徴ある敷地に家族はこれからの暮らしを求めた。
私たちは、小さく細長いということを利点と捉え、この敷地だからこそ実現することができる豊かな住宅の在り方を模索した。

建築家によるテキストより

住宅の外形は、限られた敷地面積を最大限活用するため、間口2.7m、奥行き13.5mとし、高さを含め集団規定の限界に構えた。

建築家によるテキストより

内部は、間口方向の分節と奥行き方向の統合を繰り返す構成とした。間口方向へは、地となる白色の仕上げとは異なる木現しの仕上げを設え、13.5mもの長い空間を暮らしの機能別に緩やかに分節する。分節がその場の行いを安定させ、距離を適度に保つ。

奥行き方向へは、白色の仕上げと様々な用途のカウンターを長く連ね、分節した暮らしの機能を滑らかに統合する。統合が暮らしに広がりを与え、家族の気配や視線、光を各所へ伝える。

建築家によるテキストより
2024.9.18Wed
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする外観、北側の道路より見る、夜景 photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする子世帯、2階、「食堂」から3階側を見る。 photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする子世帯、2階、居間から「食堂」と台所を見る。 photo©渡邊聖爾

井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioが設計した、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」です。
商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅の計画です。建築家は、将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案しました。また、子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”としました。

住宅の建て替え計画である。依頼主の両親が住んでいる古家を取り壊し、息子夫妻と両親が同居する完全分離型(後述する)の2世帯住宅をつくる計画だ。

計画地は、駅前の商業地である。古家は、商店街に面している立地で元々はクリーニング店を営んでいたので、店舗としての役割を主につくられており、採光面や通風面が考慮されておらず、居住空間であるダイニングや居間に関しては、暗く風通しが悪い状態であった。

一方で南側は現状駐車場となっており、良好な日射が現時点では得られそうであることが確認できた。ただ、現状では南側は旧クリーニング店での作業場となっており、居住空間となっておらず、せっかくの採光を生かし切れていない状態だった。

建築家によるテキストより

将来的な南側の採光への考慮から、本計画では、2階と3階の建物ボリュームと南側隣地の間に一定の空隙を設けることで、仮に南側に高い建物が建ったとしても1階にも2, 3階にも良好な採光が得られるようにと考えた。空隙は、想定建物が目いっぱいに建ったとしても4mは取れるので、ある程度の明るさは確保できる状態だ。

また、道路側は、2, 3階が逆に突き出たような形となり、1階は大きな軒ができ雨を避ける計画となっている。この軒下部分は駐車場としても利用され、両親の仕事柄荷物の出し入れが頻繁に行われることから、大きな軒が大活躍している。

建築家によるテキストより

2階と3階の子世帯エリアに関しては、採光面でも面積的にも比較的自由度の高い計画とすることができた。

子世帯夫妻は、在宅での仕事も多く居住スペースとワークスペースが同居する生活スタイルであった。実際に生活するのは夫妻2人のため、このような性格の生活スタイルの場合は、大きな1つの空間をつくるというよりは、それぞれ1人でいても、2人でいても心地よく過ごせるくらいの中くらいの空間がいくつもあるような、空間をつくることを考えた。

具体的には2階をメインの居住エリアとして、階段を中心に、キッチン、ダイニング、ワークスペース、ラウンジ的な空間、水回りを配置している。

住宅によくあるリビングというようなTVとソファがセットになっているような場所はなく、ラウンジと称したちょっとお酒を飲みながら歓談できるような場所をワークスペースの横に設けている。各スペースは、6畳から10畳程度のこじんまりとした空間が壁を隔てるのではなく、収納家具や階段を隔てながら緩やかに繋がり、環状にぐるぐると回遊できる構成となっている。

建築家によるテキストより
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図外観、東側道路より見る。左:江戸長屋、右:明治棟(登録有形文化財) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図戦前棟、1階、カフェから庭を見る。(建築家による解説:現わしになった既存柱の列が屋外の鉄骨柱まで連続して見える) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図2階、テラス。(建築家による解説:既存から延長した形状の立体的なフレームに植物やカフェ席、日除け布などが絡まる) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図俯瞰、西側より見る。(建築家による解説:谷中霊園の緑に囲まれた地域に開かれた庭) photo©関拓弥

高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureが設計した、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」です。
歴史ある花店を改修した文化的拠点の計画です。建築家は、文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向しました。また、新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
また、本プロジェクトについての書籍『note。 花重リノベーション』の情報も末尾に掲載します。

谷中霊園の入口にある150年の歴史をもつ老舗花屋の改修計画。
経営難に直面していた歴史ある花屋を地元企業が運営ごと買取り、地域に開いた文化的拠点として蘇らせた。
登録有形文化財を含め、歴史的な佇まいや履歴を残しながら、これからも変化し続けることを許容する「動的な保存」によって、地域の文化を未来につなぐことを目指した。

建築家によるテキストより

「花重」は、営みと建物がともに残る数少ない事例である。計画にあたっては、何を残し何を変えるのかを概念的に整理した。
建築を生きた状態のまま保存するために、新旧という概念ではなく時間軸で構成を捉え直し、「核となる基本的な骨格」と「変化し続けるもの」が同時にある状態を目指した。

建築家によるテキストより

これまでの保存再生はオリジナルな状態を最上として復原・再現をする手法や、これまでの履歴を含んだ今の状態を維持する凍結保存などが多く行われてきた。特に石積みの文化においては、石のもつ時間軸の長さ故、対立的な表現を用いて新しく手を加える部分を明快にする手法が多く取られる。一方木造軸組建築は、木という材料の耐久性や加工のしやすさから、その時々のニーズに合わせて変わっていくことが出来る。

「花重」は江戸から昭和にかけての増改築の中で、古いものと新しいものが二項対立ではなく、オーバーラップしながら共存している状態を常に続けてきた。古くなった建築を壊して昔の姿のまま復元するでもなく、真新しい建築につくり変えるでもなく、その間の状態をキープしながら営みと建築が動き続けてきた。今回の改修計画も、これまでの動きの中の一つの段階であり、これからも生き続けていく状態を目指して「動的な保存」として計画した。

建築家によるテキストより

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