


ファラが設計した、ポルトガル・マトジニョシュの住宅「house with an inverted roof」です。
郊外の“奇妙な輪郭”を持った住まい。建築家は、半透明の台座に置かれた“爆発した箱”に見える外観を、様々な色の図形が散りばめられた“紙のコラージュ”のように設計しました。そして、完結すると同時に断片的でもある建築が建ち上がりました。
こちらは建築家によるテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
定義された建物の基底部分に、思いがけない形が立ち上がります。郊外住宅の一般的な傾斜屋根が反転されており、一方は曲線、もう一方は直線となって、単調な郊外をかき乱す奇妙な輪郭を生み出しています。そのヴォリュームは、半透明の台座の上に置かれた爆発した箱のように見えます。異なる垂直面と傾斜面は、それぞれ綿密に選ばれた異なる色によって区別されています。丸窓や四角い窓が白いキャンバスに点在し、三つの異なる立面を構成しています。いくつかは顔を模しているように見え、いくつかは空想上の動物を思わせます。ファサードの遊び心ある配色は青と緑のシャッターにまで及び、開口部を覆い隠し、家を白いキャンバスの上に色とりどりの図形が散りばめられた紙のコラージュのようにしています。緑、青、淡い緑、黒、白、そして再び緑の色調。
内部では、構造体が壁から分離しています。スレンダーな淡い緑色の5本のコンクリート柱の一連がさまざまな部屋に姿を現し、日常的な動作を妨げています。これらの柱のうちの1本は、何も支えずにテラスの上に行き着きます。1階のリビングスペースは庭に開かれており、その上にあるオフィスとつながっています。散発的な内部空間の複雑さは、吹き抜けの空間、ところどころ折れた壁、コンクリート柱、そして緩やかに傾斜した天井の結果です。最上階では、主寝室が押し出された四分円形の空間の中に位置しています。
この家は、コンクリート、大理石、あるいはガラスブロックで作られたものであれ、直線的な、折られた、切られた、曲げられた、傾けられた面から慎重に組み立てられています。それらの面は、空間を分け、重なり合い、交差し、覆いかぶさります。これらの面は、大胆に貫通する柱によって固定されています。内部空間は、入念に配置された要素のあいだを蛇行しています。家の形態は、完結すると同時に断片的でもあります。