video archive

フィリップ・ジョンソンによる「グラスハウス」(1949年竣工) の現在の様子を紹介する動画

フィリップ・ジョンソンが設計した、アメリカ・コネチカット州の「グラスハウス」(1949年竣工)の、現在の様子を紹介する動画です。Open Spaceの制作によるものです。

(翻訳)
グラスハウスは、コネチカット州ニューカナンにあるモダニズムの象徴的傑作です。有名なアメリカ人建築家フィリップ・ジョンソンによって1949年に設計され建設されたこの印象的な建造物は、そのミニマルで透明なデザインで有名です。この住宅は、内壁のない平屋のガラス・パヴィリオンで構成され、周囲の景観を遮るものがなく、内部空間と外部空間の境界を曖昧にしています。大きなガラスパネル、スチールの柱、フラットな屋根を使用することで、自然とのシームレスなつながりと開放感を生み出しています。

グラスハウスの向こうには、約50エーカーに及ぶ入念に管理されたランドスケープが広がっています。周囲には草原や池、さまざまな彫刻があり、芸術的で静謐な雰囲気を醸し出しています。この所有地には、他にも注目すべき建造物がいくつかあります。例えば、ブリック・ハウスは、強固なレンガ造りの壁と親密な内部空間で、グラス・ハウスの透明感とは対照的に建っています。ペインティング・ギャラリーはもうひとつの重要な追加施設で、フランク・ステラやアンディ・ウォーホルといった有名アーティストの作品を含む、ジョンソン・アンド・ホイットニーの広範なアート・コレクションを展示しています。

長年にわたり、グラスハウスはナショナルトラスト史跡として細心の注意を払って保存・維持されてきました。それは、後世の人々がその美しさと重要性を理解し続けることが出来る様にする為です。フィリップ・ジョンソンの設計哲学と芸術的 感性を生きた形で具現化したグラスハウスは、この先の世代まで、自然界と関わり、創造性を刺激する建築の力を永遠の遺産として存在しています。現在、グラスハウスは一般公開されており、訪問者はフィリップ・ジョンソンのヴィジョンの素晴らしさと、建築と自然との調和を肌で感じることができます。

永山祐子へのインタビュー動画。昭和女子大学の制作で2023年7月に公開されたもの

永山祐子へのインタビュー動画です。昭和女子大学の制作で2023年7月に公開されたものです。前編と後編に分かれています。

昭和女子大学出身で建築家として2020年ドバイ国際博覧会日本館、東急歌舞伎町タワーなど大規模プロジェクトを次々と手がける永山祐子さんが前後編登場。後編では永山さんの昭和女子大学生時代のエピソードや建築家としてのキャリアをどのように形成してきたのかについて伺います。

後編は以下に掲載します。

2023年 日本建築学会賞(作品)受賞者記念講演会の動画。魚谷繁礼・魚谷みわ子・柳室純、大西麻貴・百田有希・平岩良之、金野千恵が受賞作品について語る

2023年 日本建築学会賞(作品)受賞者記念講演会の動画です。魚谷繁礼・魚谷みわ子柳室純大西麻貴・百田有希・平岩良之、金野千恵が受賞作品について語っています。また、受賞者に加え、選考に関わった乾久美子小堀哲夫が参加したパネルディスカッションも収録されています。2023年7月27日に行われたものです。

<日 時> 2023年7月27日(木)18:30~20:40
記念講演:
 魚谷繁礼(前掲)、魚谷みわ子(前掲)、柳室純(前掲)
 大西麻貴(前掲)、百田有希(前掲)、平岩良之(前掲)
 金野千恵(前掲)

パネルディスカッション:
 講演者+
 乾久美子(横浜国立大学大学院Y-GSA教授/乾久美子建築設計事務所主宰/2023年日本建築学会賞選考委員会作品部会長)
 小堀哲夫(法政大学教授/小堀哲夫建築設計事務所代表/2023年日本建築学会賞選考委員会作品部会委員)

司 会:大森晃彦(建築メディア研究所代表/建築文化事業委員会委員)
    大草徹也(三菱地所設計代表取締役専務執行役員/建築文化事業委員会委員)

妹島和世と長谷川祐子の対談の動画。2023年4月にロサンゼルスで行われたもの

妹島和世長谷川祐子の対談の動画です。2023年4月14日にロサンゼルスで行われたもの。現地のJAPAN HOUSEで行われた展覧会「Symbiosis | Living Island」の関連企画として開催されました。

(翻訳)
JAPAN HOUSEロサンゼルスでの「Symbiosis(共生): Living Island」展のオープニングを記念して開催されたこのイベントは、展覧会の背景やコンセプト、そして日本と世界のアートと建築のこれからの関係性について、ゲストの方々に理解を深めていただく機会となりました。

このトークプログラムでは、本展のキュレーターである長谷川祐子氏(金沢21世紀美術館館長、犬島「アートハウス・プロジェクト」アーティスティック・ディレクター)と、国際的に活躍する建築家、妹島和世氏(SANAAオフィス創設メンバー、2010年プリツカー建築賞受賞)をお招きした。

(原文)
Held in celebration of the opening of the “Symbiosis: Living Island” exhibition at JAPAN HOUSE Los Angeles, this event presented the opportunity for guests to gain insight into the background of the exhibition and its concept, as well as its meaning for the future relationship of art & architecture in Japan and across the globe.

This talk program featured the exhibition’s curators: Yuko Hasegawa, Director of the 21st Century Museum of Contemporary Art in Kanazawa and Artistic Director of the Inujima “Art House Project,” and Kazuyo Sejima, internationally renowned architect, founding member of the SANAA office and winner of the Pritzker Architecture Prize in 2010.

藤本壮介へのインタビュー動画。2023年7月にドイツのメディアが公開したもの ノーマン・フォスターが、ポンピドゥー・センターでの自身の建築展「Norman Foster」を解説している動画。2023年7月に公開されたもの

ノーマン・フォスターが、ポンピドゥー・センターでの自身の建築展「Norman Foster」を解説している動画です。2023年7月に公開されたもの。展覧会の会期は、2023年8月7日まで。展覧会の公式ページはこちら

ノーマン・フォスターへのインタビュー「災害にどう対処するか」の動画。2023年7月に公開されたもの

ノーマン・フォスターへのインタビュー「災害にどう対処するか」の動画です。2023年7月にルイジアナ美術館の制作で公開されたものです。

(翻訳)
私たちは、世界的に有名な建築家ノーマン・フォスターにベニスで会いました。それは88歳の誕生日を数日前でした。フォスターは、例えば戦争、地震、飢饉、ホームレスなどの自然災害や人災による基本的なシェルターの必要性に取り組むプロジェクトを発表しました。

「このプロジェクトは、何が一時的なものなのかを問うものです。そして何が恒久的なのでしょうか。テントは1年もつでしょう。洗練されたテントなら3年。この小さなパビリオンの寿命は最低でも20年で、間違いなくそれを超えるでしょう」

ノーマン・フォスター財団とホルシム社による「エッセンシャル・ホームズ・リサーチ・プロジェクト」が、2023年建築ビエンナーレのローンチに際してヴェネツィアで発足しました。このパートナーシップにおいて、ノーマン・フォスター財団は、人間の本質的なニーズを満たす住宅コンセプトを設計しました。それは、例えば難民キャンプなど、何十年にもわたって仮設住宅に住み続けることのできる避難民に、安全性、快適性、幸福感を提供します。持続可能な建材製造の世界的リーダーであるホルシムは、幅広いソリューションでこのプロジェクトに命を吹き込みました。そして、低炭素でエネルギー効率に優れ、循環型の建築を実現し、どのようにすれば持続可能な建築が可能になるかを実証しました。

ノーマン・フォスター財団のノーマン・フォスター会長は言います。
「このプロジェクトは、難民危機に関するワークショップから発展したものです。世界で最も弱い立場にある人々を含むすべての人々が、適切な生活環境を確保できるようにするにはどうすればいいのでしょうか。このプロジェクトはシェルターの基本に取り組んでいます。小さなパヴィリオンは、全くの未経験者でも建てられます。それは、即座に災害救援に応用できます。また、ホームレスのために。また、手が届かない建物の代わりを求める若い家族のために」

エッセンシャル・ホームズ・リサーチ・プロジェクトは、人々と地球のために機能する未来を築くために、持続可能な建築をすべての人が利用できるようにするための基本的な対話を開くものです。それは、安全性、快適性、幸福感を提供します。この住宅は非常にサステイナブルで、従来の構造に比べてCO2排出量が70%削減されています。

「これは最終結果ではありません。旅の始まりなのです」

ベカ&ルモワンヌによる講演「Experiencing Space」の動画。2023年6月にスイス建築博物館で行われたもの

ベカ&ルモワンヌによる講演「Experiencing Space」の動画です。2023年6月29日にスイス建築博物館で行われたものです。

(翻訳)
一連の抜粋フィルムを通して、イラ・ベカとルイーズ・ルモワンヌ(ベカ&ルモワンヌ)は、彼らの進化する映画的研究を紹介します。それは、現代の象徴的な建物内の日常的な親密さを明らかにした最初の作品から、都市空間との関係における私たちの本質的なニーズ、行動、習慣に対する文化的差異を観察する現在進行中の映画シリーズ「Homo Urbanus」にまで渡ります。
建築における主な表現戦略に対する彼らのユニークで批評的な立場について語りながら、映画制作者、独立系プロデューサーとしての作業方法について説明します。

(原文)
Through a series of film excerpts, Ila Beka and Louise Lemoine (Beka & Lemoine) present their evolving cinematographic research, from their first films revealing the daily intimacy within contemporary iconic buildings to their ongoing film series ‘Homo Urbanus’ observing the cultural variations towards our essential needs, behaviors and habits in relation to urban space. Talking about their unique and critical position against the main strategies of representation in architecture they will explain their working methodology as filmmakers and independent producers.

H&deMのジャック・ヘルツォーグやリナ・ゴッドメなどが参加した座談会「未来の美術館の建築」の動画。2023年6月にArt Baselで行われたもの

ヘルツォーグ&ド・ムーロンのジャック・ヘルツォーグやリナ・ゴッドメ、ノイエ・ナショナル・ギャラリーのディレクターのクラウス・ビーゼンバッハなどが参加した座談会「未来の美術館の建築」の動画。2023年6月16日にArt Baselで行われたものです。

(翻訳)
未来の美術館の建築
‣ リナ・ゴットメ、リナ・ゴットメ・アーキテクチャー創設者、パリ
‣ クラウス・ビーゼンバッハ、ノイエ・ナショナル・ギャラリー、ベルリン、ディレクター
‣ クラパット・ヤントラサスト、WHY創設者兼クリエイティブ・ディレクター、ロサンゼルス
‣ ジャック・ヘルツォーグ、ヘルツォーグ&ド・ムーロン設立パートナー、バーゼル
‣ モデレーター アンドラス・サント、作家、文化戦略アドバイザー、ニューヨーク

美術館はその建築とともに急速に変化しています。よりオープンに、よりコミュニティ中心に、より体験的に、よりデジタルに、より自然につながることを目指しています。そして建築家は、こうした野望の実現を支援するために登録されています。この対話では、建築がいかにしてミュージアムを前進させ、充実させることができるかを探ります。どのようにして建築は、美術館の民主的で包括的な願望を表現し、新しい形態のデジタル創造性を受け入れることができるのでしょうか?エコロジーへの意識を高め、コレクションを脱植民地化する継続的なプロセスにおいて、美術館建築の責任とは何でしょうか?建築は、市民生活の中心にミュージアムを維持する手助けになるのでしょうか?

(原文)
The Architecture of the Future Museum
‣ Lina Ghotmeh, Founder, Lina Ghotmeh Architecture, Paris
‣ Klaus Biesenbach, Director, Neue Nationalgalerie, Berlin
‣ Kulapat Yantrasast, Founder and Creative Director, WHY, Los Angeles
‣ Jacques Herzog, Founding Partner, Herzog & de Meuron, Basel
‣ Moderator: Andras Szanto, author and cultural strategy advisor, New York

Museums are changing rapidly, along with their architecture. They seek to become more open, more community-centered, more experiential, more digital, more connected to nature – and architects are enrolled to help realize these ambitions. This conversation explores how architecture can lead the way in advancing and enhancing the museum. How can architecture give expression to the museum’s democratic and inclusive aspirations and accommodate new forms of digital creativity? What are the responsibilities of museum architecture when it comes to raising ecological awareness and the ongoing process of decolonizing collections? Can architecture help maintain museums at the center of our civic life?

トーマス・ヘザウィックの講演「ヘザウィック・スタジオの思想とは? その原点に迫る」の動画。2023年3月に森美術館で行われたもの(日本語字幕付)

トーマス・ヘザウィックの講演「ヘザウィック・スタジオの思想とは? その原点に迫る」の動画です。2023年3月に森美術館で行われたものです。日本語字幕付です。また、アーキテクチャーフォトでは、森美術館で行われたヘザウィック展を特集記事として公開しています。

森美術館「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」ラーニング・プログラム
トーク「ヘザウィック・スタジオの思想とは? その原点に迫る」

世界が最も注目するデザイン集団であるヘザウィック・スタジオ。創設者のトーマス・ヘザウィックを招き、世界各地で行ってきたこれまでの革新的なプロジェクトを辿りながら、そのデザインの原点に迫ります。

出演:トーマス・ヘザウィック(ヘザウィック・スタジオ創設者)
聞き手:片岡真実(森美術館館長/「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」キュレーター)

田根剛による講演「Archeology of the Future」の動画。2023年5月にストックホルムで行われたもの

田根剛による講演「Archeology of the Future」の動画です。2023年5月12日にストックホルムで行われたものです。

(翻訳)
田根剛はパリを拠点に活動する日本人建築家です。2006年にDGT Architectsの共同設立者を経て、2017年にパリにATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを設立しました。彼はICON誌による「The 20 essential young architects」を通じて、建築をデザインする新世代を代表する建築家の一人として認められています。 最新の作品には、Vitra Campus Garden House、HHH House – Tokyo、弘前市現代美術館などがあり、数多くの展覧会も開催しています。彼はプロジェクトとマニフェストについて話します。剛は、彼のコンセプト「未来の記憶」として、建築のアイデアは場所の記憶に属するものであり、過去から未来へを繋ぐものと考えています。

(原文)
Tsuyoshi Tane is is a Japanese architect based in Paris. He founded ATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architects in Paris in 2017 after being co-founder of DGT Architects in 2006. He is recognised as one of the leading architects in the new generation for designing architecture through “The 20 essential young architects” by ICON magazine. His latest creations include Vitra Campus Garden House, HHH House – Tokyo and Hirosaki Museum of Contemporary art as well as numerous exhibitions. He will speak about projects and his manifesto: Tsuyoshi believes in the idea of architecture belongs to a memory of place that connects its past to the future as his concept –
“Archaeology of the Future”.

建築写真家イワン・バーンによる講演の動画。2023年5月にニューヨークで行われたもの

建築写真家イワン・バーンによる講演の動画です。2023年5月19日にニューヨークのデザインイベント「NYCxDESIGN」で行われたものです。

(翻訳)
イワン・バーンは、今日の建築と都市デザインにおける代表的な写真家の一人です。 彼の写真は世界的な巨大都市の成長を記録し、ヘルツォーク&ド・ムーロン、レム・コールハース、ザハ・ハディドなど著名な現代建築家の建物を描いています。このオランダ人写真家による初の大規模な回顧展が、2023年秋にヴィトラ・デザイン・ミュージアムで開催されます。バーンの生き生きとしたリアリズムは、人々と建築環境との関係に焦点を当てています。その視野の広さにより、バーンの作品は人間建築の幅広いパノラマを提供しています。それは、建築と都市デザインの実存的な重要性を印象的に示しているのです。

(原文)
Iwan Baan is one of today’s leading photographers of architecture and urban design. His images document the growth of global megacities and portray buildings by prominent contemporary architects including Herzog & de Meuron, Rem Koolhaas, and Zaha Hadid. The first large retrospective of the Dutch photographer’s work will open at the Vitra Design Museum in autumn 2023. Baan’s vibrant realism puts the focus on people and their relationship to the built environment.
Thanks to the great scope of his vision, Baan’s works offer a broad panorama of human building that impressively demonstrates the existential importance of architecture and urban design.

中山英之と砂山太一の講演「大きさのない世界」の動画。2023年5月に豊田市美術館で行われたもの

中山英之砂山太一の講演「大きさのない世界」の動画です。2023年5月13日に豊田市美術館で行われたもの。

「ねこのほそ道」展に参加した二人の建築家、中山英之さんと砂山太一さんによる対談です。展覧会に出品してもらった「かみのいし」、「きのいし」、「ぬののいし」をはじめ、建築の大きさにまつわる、物差し、構造、自然、素材、技術などの様々なお話をしていただきました。

tecoの金野千恵による講演「共愉の風景へ」の動画。2023年3月にパリ日本文化会館の主催で行われたもの

tecoの金野千恵による講演「共愉の風景へ」の動画です。2023年3月にパリ日本文化会館の主催で行われたものです。日本語で視聴可能です。

1980年代生まれの日本の女性若手建築家として活躍する金野千恵。金野主宰の設計事務所t e c o は、東京の事務所を拠点として日本各地、さらにはヴェネチアビエンナーレやアジアでの建築プロジェクトを手がけている。その仕事は、家具や住宅から福祉施設、公共施設、まちづくり、アートインスタレーションまで幅広く、そのアプローチは、仕組みや制度を横断しながら、地域や近隣のコミュニティ形成に貢献するものである。また、彼女の仕事の多くは日本の伝統的な木造の構法や職人の技術を用いながら現代的にそれを展開しており、そこに生まれる余白や、穏やかな人と事物の距離感が、新鮮かつ共愉の風景を生み出している。彼女のこれまで行ってきた調査研究や、携わっている大学教育のなかで展開しているリサーチを含め、その思想と建築のあり方を伝える。

青木淳に、自身が設計した「青森県立美術館」について聞いているインタビュー動画。2023年5月に公開されたもの ドットアーキテクツの家成俊勝が、ギャラリー・間での建築展「POLITICS OF LIVING 生きるための力学」を解説している動画。2023年6月に公開されたもの

ドットアーキテクツの家成俊勝が、TOTOギャラリー・間での建築展「POLITICS OF LIVING 生きるための力学」を解説している動画です。2023年6月に公開されたものです。アーキテクチャーフォトでは、この展覧会を特集記事として紹介しています。

ドットアーキテクツの特徴は、建築の計画/設計/施工/使用を同じ地平でとらえ直し、そのすべての過程に取り組むことにあります。⼿に届く範囲にある材料や人手、知己や地縁までも資源としてその力を総動員することで、すべての人が自ら使う建築の創造に能動的に関わる可能性をテーマにしています。

分業制による従来の建築の枠組みを⾶び越えるドットアーキテクツの一見型破りともいえる活動に共感して、地域の人や多彩な仲間が自然に集まり、仕事と遊びの両方を楽しみながら、みなが生き生きと暮らす場が今、各地で生まれています。たとえば小豆島では、瀬戸内国際芸術祭で「馬木キャンプ」(2013年)を建設して以来、アートを通じた地域の教育普及の場所づくりに10年にわたり取り組んでいます。本拠地の大阪・北加賀屋の「千鳥文化」(2017年~)では、設計だけでなく運営にも携わっています。こうした具体的な場の創出に、現実に柔軟に対応しながら継続的に関わり続けていくことで、そこにふさわしい場所が徐々に立ち上っていきます。それら彼らが「小さな自治空間」と呼ぶものを生み出す力学(POLITICS OF LIVING)こそが、現状を突破し社会を変革する鍵だとしています。

本展では、建築の可能性を広げる彼らの活動の全貌を紹介するとともに、中庭にパターゴルフ場を出現させ、その場でパターを手作りして一緒に楽しめる、余暇を自らつくり楽しむ体験を生み出します。本展覧会を通して、ドットアーキテクツの「生きるための力学」の意味を見いだしていただければ幸いです。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。