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今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設
photo©中村政弘

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建材(外装・床)杉本住宅産業北添建築研究室中村政弘Atelier tomato今西伴仁建材(外装・建具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・壁)建材(内装・床)複合施設図面ありまちづくり高知コミュニティ施設商業施設店舗
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘

今西伴仁 / Atelier tomatoが設計した、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」です。地元民間有志が街の為に事業主となり建設された施設です。施設の公式サイトはこちら。

このプロジェクトは商店街一角の旧銀行跡地が民間の地権者から中心市街地の活性化に役立ててほしいと土地と建物が市へ寄贈された事から始まりました。

市は集客拠点施設の実施主体となる事業者をプロポーザルにより公募し、地元民間有志5人がまちづくり会社を設立し公募に応募、採択されました。初期投資は補助金を活用するものの役員5人の給料、配当はなく、必要経費を除く利益は全てイベントや施設整備などに再投資するという個人の利益を投げ打って街のためにと立ち上がりました。

この地域に生まれ育った設計者の一人としてそんな役員5人の強い想いに同調する形でこのプロジェクトに参加しました。

建築家によるテキストより

地域住民を対象にアンケートを実施し、カフェ、テナント(4店舗)、広場、公衆トイレで施設を構成していく事が決められました。
「屋根の上を利用できたら楽しそう」ある時施主が言いました。これは収益重視の言葉ではなく「人が集まる楽しい場所を作るには」この問いに正面からぶつかり出てきた言葉です。

そんな要素を拾い上げ、ヒアリング、検討を重ねていく中で建ぺい率40%、施設の内部空間に対して屋上テラスや広場に抜けるアプローチ等の外部空間の割合も40%となって立ち現れてきました。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
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今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
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今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
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今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 photo©中村政弘
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 image©Atelier tomato
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 image©Atelier tomato
今西伴仁 / Atelier tomatoによる、高知・四万十市の、商店街の旧銀行跡地に建つ複合施設「shimanto + terrace はれのば」。地元民間有志が街の為に事業主となり建設 image©Atelier tomato

以下、建築家によるテキストです。


まちに開かれた外部空間
このプロジェクトは商店街一角の旧銀行跡地が民間の地権者から中心市街地の活性化に役立ててほしいと土地と建物が市へ寄贈された事から始まりました。

市は集客拠点施設の実施主体となる事業者をプロポーザルにより公募し、地元民間有志5人がまちづくり会社を設立し公募に応募、採択されました。初期投資は補助金を活用するものの役員5人の給料、配当はなく、必要経費を除く利益は全てイベントや施設整備などに再投資するという個人の利益を投げ打って街のためにと立ち上がりました。

この地域に生まれ育った設計者の一人としてそんな役員5人の強い想いに同調する形でこのプロジェクトに参加しました。

敷地は高知県西部の地方都市、四万十市中心商店街の一角です。地域住民を対象にアンケートを実施し、カフェ、テナント(4店舗)、広場、公衆トイレで施設を構成していく事が決められました。
「屋根の上を利用できたら楽しそう」ある時施主が言いました。これは収益重視の言葉ではなく「人が集まる楽しい場所を作るには」この問いに正面からぶつかり出てきた言葉です。

そんな要素を拾い上げ、ヒアリング、検討を重ねていく中で建ぺい率40%、施設の内部空間に対して屋上テラスや広場に抜けるアプローチ等の外部空間の割合も40%となって立ち現れてきました。これは周辺店舗のスケール感に対して、建ぺい率そして外部空間の割合としても比較的大きな割合です。そこに木の構造フレームを連続して展開させる事で施設のデザインコードとすると共に、外部空間にリズムを与え、商店街のスケール、人が寄り添えるスケールへと昇華させる要素として機能させました。

広場を取り囲むようにカフェ、テナントを配置し、必要最低限のシンプルなボックス空間と構造フレーム、ガラスにより空間を構成し透明度を上げる事でアーケード側から敷地奥の広場への視認性を高め、施設内へのアクティビティーを誘発しています。屋上テラスについてはアーケード側からもアクセスでき、カフェ棟、テナント上部を横断させ敷地奥の広場まで繋げています。立体的にも2階FLまでの高さを2650と低く抑える事で物理的に2階テラスの距離を近づけ、施設内への立体的な回遊性と奥行きを作り出しました。

街の為にと立ち上がった人々の想いは収益性のみでは語れない開かれた外部空間として本来在るべき純粋な公共の場として現れています。
変容し続ける社会、人々のアクティビティー、そして街のイベント、そんなあらゆるものを許容できる余地がそこには存在し、それは施設単体空間を超えて商店街、そしてまちへと開かれています。

アーケード内の木造建築
森林率日本一の高知県。計画当初より高知県産木材を使用することが求められていました。計画地の中心商店街は準防火地域が指定されています。県産木材を使うのであれば可能な限り無垢材を商店街のファサードに表出する事が出来ないものかと検討した結果、外壁材としての利用は外壁防火構造の規定にかかってしまうが柱と梁を構造材として使用する事は可能という結論に至りました。柱と梁はあくまで構造材であり壁ではないという判断です。

構造材をフレームとして見せている為、開口部の防火設備が必要とされましたがそこは比較的安価な水道直圧のドレンチャー設備で対応する事ができました。その事により無垢構造木材をアーケード内に思い切り現す事を可能にしています。

■建築概要

施設名称:shimanto + terrace はれのば
所在地:高知県四万十市
主要用途:複合施設(カフェ・テナント・公衆トイレ・広場)
設計:Atelier tomato 担当/今西伴仁
構造:北添建築研究室 担当/北添幸誠
施工:杉本住宅産業
竣工年:2020年4月
敷地面積:637.53m2
建築面積:263.09m2
延床面積:252.89m2
階数:地上2階
構造:木造
地域地区:商業地域・準防火地域
撮影:中村政弘

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根カフェ棟屋根

ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き(伊勢屋商店)

外装・床2Fテラス床

ジョイント磁器質タイル JBG-1503S(TAKASHO)

外装・壁外壁

弾性リシン吹付(フジワラ化学)

外装・建具建具

木製ドア製作 [ヒノキ材]

内装・床床

モルタル金鏝押へ 防塵塗装塗布

内装・壁壁

PBt12.5 ビニルクロス貼り

外構・床中央デッキ

人工木デッキ t25(ハンディウッド)

外構・床アプローチその他

バリアフリーぺイブ 平板コンクリート t60(日本興業)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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2021.04.16 Fri 07:43
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    妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文
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    architecture|culture|feature
    妹島和世講演録
    妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文建築家の妹島和世。 photo©architecturephoto

    妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文を紹介します。

    こちらの内容は関係者・関係機関からの了承の上、こちらのページより転載するものです


    令和3年度東京大学学部入学式 祝辞

     
    皆さま、東京大学へのご入学おめでとうございます。このような栄えある場所で、皆様にご祝辞を申し上げる機会をいただきましたことをとても光栄に思います。この機会に私がこの場で何をお話しできるかを考えました。大学に入学されてこれから専門の道を歩まれる皆さまに、私が専門の道で経験してきたことを少しお話しさせていただきたいと思います。

    私がお伝えしたいことは、まず一つは、専門的に考えてゆくことは、意外に専門以外の他の分野のことも考えることになっていくものだな、ということです。それから2つ目は、他分野の専門家とのコラボレーションの重要性です。そして3つ目は、自身の専門の研究を深めてゆくことは結局、その専門領域内にとどまらないで、私たちの世界全体を考えることになっていく、ということです。これらは、おそらく、いずれの専門分野にもあてはまるのではないかと思います。

    自分の事で恐縮ですが、自分の経験から話させていただきます。私は日本女子大学を卒業し、6年ほど設計事務所で働いて、その後1人で設計事務所をはじめました。最初に設計したものは、50平米ほどの、小さな週末住宅でした。小さな住宅であっても、週末に自然の中でのびのび時間を過ごせるようにと考え、野原の中に家具がぱらぱらと並び、それら一つ一つにテントをかけて繋いでいくようなイメージから、建築を考え始めました。つまり、堅牢な箱のような建築の中にいろいろな場所がある、というのではなく、身の回りの小さな場所が繋がっていって、柔らかな全体が出来上がる、というやり方です。小さな単位が次々と繋がっていくアイデアなので、敷地が広ければどこまでも広がってゆきます。いろいろな居場所がつながってどんどん大きくなると、それは街のようなものにもなる、と考えました。その週末住宅は、個人のための小さな建物でしたが、私はその小さな建物の設計を通して、街のありようをも同時にイメージしていたようにも思います。

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    妹島和世講演録
    2021.04.16 Fri 16:36
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    北村直也建築設計事務所による、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」
    photo©miyashita design office 担当/加瀬秋彦

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    リノベーション岐阜北村直也図面あり建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・建具)建材(内装・造作家具)ライフ加瀬秋彦miyashita design office
    北村直也建築設計事務所による、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」 photo©miyashita design office 担当/加瀬秋彦
    北村直也建築設計事務所による、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」 photo©miyashita design office 担当/加瀬秋彦
    北村直也建築設計事務所による、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」 photo©miyashita design office 担当/加瀬秋彦

    北村直也建築設計事務所が設計した、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」です。一階部分も北村の設計によってレンタルスペースとして生まれ変わっており、そちらは「岐阜ビル」という作品名で特集記事として紹介しています。
    また、2021年4月18日に本建築の内覧会・レセプションが行われます。こちらの情報も末尾に掲載します。

    岐阜県岐阜市の商店街から少し離れた場所にあるオフィスビルのリノベーション計画である。
    既存は築40年ほどのRC造の4階建て、奥行きの深い敷地に突当り庭のある建物である。竣工時は証券会社のオフィスとして竣工し、平成17年には花屋として利用され用途も変わり改修・補修工事を重ね、この度の計画では2階に新しくテナントスペースを作ることとなった。

    2階の計画スペースは南北に長い130m2のワンルームとなっていて、南は街路樹のある歩道、奥は庭に面している。スケルトンにした内装はそのままで十分魅力的な空間であった。
    しかし地方都市でのテナントスペースを考えたときに、広々としたワンルームでは中々借り手がつかず、また細かく分割すると空間の魅力が失われてしまうような気がした。
    そこで南北の光の性質の違いが主役になるような、ざっくりと3つの空間に分ける計画とした。

    建築家によるテキストより
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