SHARE 北村直也建築設計事務所による、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」
北村直也建築設計事務所が設計した、岐阜市の「岐阜ビルの2階のリノベーション」です。一階部分も北村の設計によってレンタルスペースとして生まれ変わっており、そちらは「岐阜ビル」という作品名で特集記事として紹介しています。
また、2021年4月18日に本建築の内覧会・レセプションが行われます。こちらの情報も末尾に掲載します。
岐阜県岐阜市の商店街から少し離れた場所にあるオフィスビルのリノベーション計画である。
既存は築40年ほどのRC造の4階建て、奥行きの深い敷地に突当り庭のある建物である。竣工時は証券会社のオフィスとして竣工し、平成17年には花屋として利用され用途も変わり改修・補修工事を重ね、この度の計画では2階に新しくテナントスペースを作ることとなった。2階の計画スペースは南北に長い130m2のワンルームとなっていて、南は街路樹のある歩道、奥は庭に面している。スケルトンにした内装はそのままで十分魅力的な空間であった。
しかし地方都市でのテナントスペースを考えたときに、広々としたワンルームでは中々借り手がつかず、また細かく分割すると空間の魅力が失われてしまうような気がした。
そこで南北の光の性質の違いが主役になるような、ざっくりと3つの空間に分ける計画とした。
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以下、建築家によるテキストです。
岐阜県岐阜市の商店街から少し離れた場所にあるオフィスビルのリノベーション計画である。
既存は築40年ほどのRC造の4階建て、奥行きの深い敷地に突当り庭のある建物である。竣工時は証券会社のオフィスとして竣工し、平成17年には花屋として利用され用途も変わり改修・補修工事を重ね、この度の計画では2階に新しくテナントスペースを作ることとなった。
2階の計画スペースは南北に長い130m2のワンルームとなっていて、南は街路樹のある歩道、奥は庭に面している。スケルトンにした内装はそのままで十分魅力的な空間であった。
しかし地方都市でのテナントスペースを考えたときに、広々としたワンルームでは中々借り手がつかず、また細かく分割すると空間の魅力が失われてしまうような気がした。
そこで南北の光の性質の違いが主役になるような、ざっくりと3つの空間に分ける計画とした。
南の部屋は歩道の街路樹がすぐ傍まで迫り住宅の居間のような居心地の良い空間となっている。竣工当初の打放しのコンクリート、平成の改修で行なった凹凸の吹付け塗装、新しく計画したプラスターボードの壁面とそれぞれテクスチャーが異なる。昭和、平成、令和と改修してきてきた痕跡を敢えて残し今までの変遷が感じられるようにした。
ショップやオフィスとして利用されることを想定しひとまずビルの管理のために弊社設計事務所がビル管理も兼ねて入居することとなった。
北の部屋は北庭に面し安定した天空光が入る静謐な空間で壁面と天井を白く塗り、窓から光の特徴をより強調した抽象度の高い場所となっている。撮影スタジオとしてカメラマンに、プリミティブな展示空間として作家さんに喜ばれている。真ん中の部屋は南北それぞれの部屋へのアプローチも兼ね、暗い空間を通り抜けてそれぞれ光の特性の異なる空間へとつながってゆく、演出のための空間でもある。間柱とプラスターボード素地が見える舞台裏のような意匠とし、南北の部屋のバックヤードとして利用されることを想定した。
簡単な空間ではあるが光の特性をシンプルに感じられるプロジェクトで、地方都市が置かれている状況を鑑み光の性質や大雑把な空間構成とし、使ってみたくなるような空間を作ろうとした。
■建築概要
プロジェクト名:岐阜ビルの2階のリノベーション
所在地:岐阜県岐阜市若宮町6-2
種用途:テナント
設計:北村直也建築設計事務所
施工:株式会社ライフ 担当/富田治樹
WED・ブランディング:miyashita design office
構造:RC造
規模:地上4階建(そのうち2階をリノベーション)
敷地面積:240.59m2
2階床面積:171.12m2
竣工年月日:2021年3月17日
写真:miyashita design office 担当/加瀬秋彦
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | コンクリート現し |
内装・壁 | 壁 | コンクリート現し |
内装・天井 | 天井 | コンクリート現し |
内装・建具 | ドア | アルミ板 t=3、ヒノキ |
内装・造作家具 | デスク | ヒノキハギ材 t=24 |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
内覧会・レセプション情報
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時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、弊社が設計・監理を進めてまいりましたリノベーションプロジェクト「岐阜ビル」が竣工し、オーナーのご厚意によりオープンハウスも兼ねたレセプションパーティを行うことになりました。
建物については築40年ほどのRC造、1階はイベントスペースとして利用し、スケルトン状態の空間を大きな木製扉と華やかな赤いカーテンで区切りっています。2階は弊社オフィスとテナントスペースとなっており、光の特徴を頼りにそれぞれ空間を作りました。
当日はカフェ、花屋、家具屋、アートやミニ博物館の展示など、一日限りの出店があります。直前のご案内ではありますが、皆様のお越しをお待ちしております。
(北村直也)
■開催概要
日時:2021年4月18日(日)12:00~16:00
場所:岐阜県岐阜市若宮町6-2 岐阜ビル
注意事項:コロナ対策のため十分な換気を行い混雑時には入場を制限しながら開催いたします。
連絡先:info@kitamuranaoya.jp(北村直也)
※予約不要ですが事前にご連絡いただけますと幸いです