SHARE 中村竜治建築設計事務所による、東京・渋谷区の、資生堂の美容施設「Beauty Square」。流動的に複数の店舗・サロン・イベントスペースが入居する施設として、建物とショップの間に挟まれる境界部分を設計
中村竜治建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の、資生堂の美容施設「Beauty Square」です。流動的に複数の店舗・サロン・イベントスペースが入居する施設として、建物とショップの間に挟まれる境界部分を設計しています。基本設計を中村竜治建築設計事務所が、実施設計を乃村工藝社が手掛けました。施設の公式サイトはこちら。
原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU」の中にある資生堂の美容施設「Beauty Square」。
複数の化粧品ブランド、ヘアサロン、イベントスペースなどが混在するショップインショップである。ある一つのブランドを表現するための空間というよりは、建物とショップの間に挟まれる境界部分を設計している。
建物は伊東豊雄氏監修のもと、駅前通りから竹下通りへと繋がる半屋外通路が設けられ、建物内だけでなく、街の回遊性を高めることが目指されている。同様にBeauty Squareの区画も、駅前通りに面すると同時に奥の方でこの半屋外通路にも面し、そのまま竹下通りへと抜けていける空間となっていたので、この状態をできるだけ保つことに務めた。
機能的には、流動的な中身に応じて照明設備、音響設備、装飾などが自由に吊れる仕組が必要とされたが、天井には荷重やアンカー位置などの制約が多かった。そこで、表の駅前通りから裏の半屋外通路への抜けをつくるように2枚の構造壁を立て、その上にトラス梁を乗せることで、床から自立する通路状の架構をつくっている。
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以下、建築家によるテキストです。
建物と内装の間
原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU」の中にある資生堂の美容施設「Beauty Square」。
複数の化粧品ブランド、ヘアサロン、イベントスペースなどが混在するショップインショップである。
ある一つのブランドを表現するための空間というよりは、建物とショップの間に挟まれる境界部分を設計している。
建物は伊東豊雄氏監修のもと、駅前通りから竹下通りへと繋がる半屋外通路が設けられ、建物内だけでなく、街の回遊性を高めることが目指されている。同様にBeauty Squareの区画も、駅前通りに面すると同時に奥の方でこの半屋外通路にも面し、そのまま竹下通りへと抜けていける空間となっていたので、この状態をできるだけ保つことに務めた。
機能的には、流動的な中身に応じて照明設備、音響設備、装飾などが自由に吊れる仕組が必要とされたが、天井には荷重やアンカー位置などの制約が多かった。そこで、表の駅前通りから裏の半屋外通路への抜けをつくるように2枚の構造壁を立て、その上にトラス梁を乗せることで、床から自立する通路状の架構をつくっている。
それは、建物からわずかに距離を取り、屋根のようにその下の様々な活動に緩いまとまりを与える機能も担っている。
■建築概要
名称:Beauty Square
用途:物販店、美容室、イベントスペース、ブロードキャストスタジオ
完成:2020年4月15日
場所:東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 1F
面積:767.23m2
施主:ザ・ギンザ
デザインディレクション:資生堂
マネージメント:NSコーポレーション
基本設計:中村竜治建築設計事務所
実施設計:乃村工藝社
構造:オーノJAPAN
電気設備:乃村工藝社
機械設備:新菱冷熱工業
照明:岡安泉照明設計事務所
演出照明:ティーアンドエス
デジタルサイネージ:凸版印刷
トラス照明膜:太陽工業
カーテン:布
音響:インビジブル・デザインズ・ラボ
施工:乃村工藝社、凸版印刷
撮影:中村竜治建築設計事務所
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | モルタルt60+クリア防塵塗装 |
内装・壁 | 壁 | スチールプレーt0.8(壁面展示用)+石膏ボードt12.5+石膏ボードt9.5+EP |
内装・天井 | 天井 | スチールトラス L18m×2本、L11m×10本+SOP |
内装・造作家具 | 造作家具 | 再生プラスチック:BLIZZARD、CHOCOLATE FACTORY、GREYISH、NOVA(PLASTICIET) |
内装・建具 | カーテン |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
Between the building and the interior
It is the interior of Shiseido’s beauty facility “Beauty Square” in the complex “WITH HARAJUKU” in front of Harajuku Station. It is a shop-in-shop that mixes multiple cosmetic brands, hair salon, and event space. Rather than a space for expressing one brand, we are designing boundary between the building and the shop. The building is supervised by Toyo Ito, and the semi-outdoor passage connecting the street in front of the station to Takeshita-dori is provided, aiming to enhance the mobility of the town as well as inside the building. In the same way, the section of Beauty Square was facing the street in front of the station and at the same time facing the semi-outdoor aisle in the back, it was the space that could lead to Takeshita-dori. So I tried to keep this state. Functionally, lighting equipment, audio equipment, decoration, etc. were required to be hung freely according to the fluid contents, but there were restrictions on the ceiling such as load and anchor position. Therefore, two structural walls are erected from the street in front of the station to the back semi-outdoor corridor, and truss beams are placed on top of them to create the corridor-like self-sustaining structure on the floor. It takes a slight distance from the building and, like a roof, also has the function of loosely coordinating the various activities under it.
Beauty Square
Function: Store, Beauty salon, Event space, Broadcast studio
Site: WITH HARAJUKU 1-14-30 Jingumae Shibuya-ku Tokyo Japan
Completion: 15 April 2020
Area: 767.23m2
Client: THE GINZA
Design direction: SHISEIDO
Management: NS Corporation
Design: Ryuji Nakamura and Associates, NOMURA
Structure: Ohno JAPAN
Electrical equiptment: NOMURA
Mechanical equiptment: SHINRYO
Lighting: Izumi Okayasu Lighting Design
Representation lighting: T&S
Degital sinage: TOPPAN PRINTING
Membrane of truss lighting: TAIYO KOGYO
Curtain: NUNO
Sound: invisi
Construction: NOMURA , TOPPAN PRINTING
Photo: Ryuji Nakamura