SHARE 藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「堺の家」。騒音や振動の激しい敷地において外部に閉じつつも、光の誘導によって奥行き感と抑揚のある内部空間をつくる
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪の住宅「堺の家」です。
騒音や振動の激しい敷地において外部に閉じつつも、光の誘導によって奥行き感と抑揚のある内部空間をつくることが意図されました。
敷地はトラックなどが行き交う大通りの交差点付近にあり、騒音や振動の激しい環境でした。
ですが、せっかく親族から譲り受けた敷地ということもあって、クライアントのご夫婦とそのお子様2人の家を建てたいというご要望でした。
敷地の周囲は背の高い商業施設も多く、どうしても外部に対して閉じた空間にならざるをえませんでした。
そこで、そういった閉じた空間でありながらも何かしら奥行き感を感じられる空間を提案することを目指しました。
これに対して、空からの光を用いて抑揚のある内部空間を形作ることを検討しました。
壁を用いて光を誘導し、壁周辺に動きのある光を落とすことで、壁をただ空間を分節する境界ではなく、壁とその周辺が緩やかに変化する領域となるようにしました。
壁の周囲に余地のあるスペースを設けることで壁とその周辺はより領域として雰囲気をまとい、光の動きに合わせてゆっくりと領域が変化することで空間全体が緩やかにうごめくイメージを提案しました。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地はトラックなどが行き交う大通りの交差点付近にあり、騒音や振動の激しい環境でした。
ですが、せっかく親族から譲り受けた敷地ということもあって、クライアントのご夫婦とそのお子様2人の家を建てたいというご要望でした。
敷地の周囲は背の高い商業施設も多く、どうしても外部に対して閉じた空間にならざるをえませんでした。
そこで、そういった閉じた空間でありながらも何かしら奥行き感を感じられる空間を提案することを目指しました。
これに対して、空からの光を用いて抑揚のある内部空間を形作ることを検討しました。
壁を用いて光を誘導し、壁周辺に動きのある光を落とすことで、壁をただ空間を分節する境界ではなく、壁とその周辺が緩やかに変化する領域となるようにしました。
壁の周囲に余地のあるスペースを設けることで壁とその周辺はより領域として雰囲気をまとい、光の動きに合わせてゆっくりと領域が変化することで空間全体が緩やかにうごめくイメージを提案しました。
道路側には非居室を配置することで道路側からの騒音の緩衝帯としました。また、サンルームや坪庭など明り取りの緩衝帯を介して外部空間を取り入れることで、居室と外部空間との距離感を調整しています。
これによって外部に対して閉じながらも、外部環境を静謐な光として室内に還元し、緩やかにうごめく奥行感のある空間を実現しました。
■建築概要
建築名:堺の家
設計事務所:藤原・室 建築設計事務所
主幹設計士:藤原慎太郎・室喜夫
場所:大阪府堺市
用途(家族構成):専用住宅(夫婦+子供2人)
敷地面積:181.43㎡(54.9坪)
建築面積:104.33㎡(31.6坪)
延床面積:102.67㎡(31.1坪)
階数:1
構造:木造
竣工:2019年
写真クレジット:平桂弥(studioREM)
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・壁 | 外壁 | サイディング(リシン吹付仕上げ下地)[ワイド・新大壁14/無塗装品](ASAHI TOSTEM) |
内装・床 | LDKフローリング床 | |
内装・照明 | LDK天井 | |
内装・その他 | キッチン混合水栓金具 | 9159T-AR-DST(DELTA) |
内装・その他 | レンジフード | |
内装・その他 | キッチン ガスコンロ | コンロ[RHS71W16ALR](リンナイ) |
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The site for this project is located near a major intersection where passing trucks and other traffic create major noise and shaking. The clients, a married couple with two children, nevertheless wanted to build a home in this location, in part because they had inherited the lot from relatives. The large number of tall commercial buildings surrounding the site was a further factor that left us with no choice but to close off the house from the exterior. Within this enclosed space, our goal was to somehow still create a sense of depth. We did so by using light from the sky to inflect the interior with modulations.
By using the walls to cast moving light onto their surroundings, we transformed them from boundaries dividing space into zones across which gradual changes take place. Creating marginal spaces around the walls helped enhance this sense of their being transitional zones. The fluctuation of light in these zones gives a sense that the interior as a whole is gently undulating.
Rooms such as the laundry room, entryway, and bathroom create a sound buffer on the side of the house facing the street. Elements of the exterior environment enter the house via intermediary spaces such as the sunroom and miniature courtyard, allowing us to control the sense of distance between the main living areas and the city streets outside. The house thus remains closed to the outside world while incorporating that world in the form of peaceful natural light, achieving a space with depth and a sense of gentle movement.
House in Sakai
Architect Firm: Fujiwaramuro Architects
Lead Architects: Shintaro Fujiwara, Yoshio Muro
Project Location: Sakai city, Osaka Pref., Japan
Completion Year: 2019
principle use: residence
site Area: 131.43 sqmt
Building Area: 104.33 sqmt
Total Floor Area: 102.67 sqmt
storeys: 1
Structure: wooden
Photo Credits: Katsuya. Taira (studioREM)