瀧尻賢 / Atelier Satoshi Takijiri Architectsが設計した、京都・木津川市の、田園と山々を望む敷地に建つ「中山珈琲焙煎所」です。働く夫妻が豊かな風景を眺める為にガラススクリーンを設け、商業的な設えを排除したミニマルで素朴な空間で、この地の風景の一部となることが目指されました。
京都の小さな田舎町にある珈琲焙煎所のプロジェクトである。
ロケーションは田園風景と山々の豊かな輪郭を眺めることができる。
この地でコーヒー焙煎所をスタートして10年が経った。
手回しの小さな焙煎機からスタートした焙煎所は町に根付き、町の人に愛されながら徐々に生産量を増やし現在は全国各地からNAKAYAMACOFFEEの豆を求めてお客さんが訪れる店となった。
焙煎士の店主、それを支える妻の二人の為にこの豊かな風景を眺めることができるガラススクリーンをデザインした。
通常ガラススクリーンは客に開く商業的な目的でガラススクリーンのデザインをするが、このガラススクリーンはあくまで働く二人の為のガラススクリーンである。
ファサードには店のサイン看板すらない。
日中はガラススクリーンには正面の風景が反射し、ほとんど店の内部は見えない。
煙突から煙がたっていたら店はオープンしている。
ある種商業的な設えを排除した。
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以下、建築家によるテキストです。
風景を眺めるミニマルな珈琲焙煎所
京都の小さな田舎町にある珈琲焙煎所のプロジェクトである。
ロケーションは田園風景と山々の豊かな輪郭を眺めることができる。
この地でコーヒー焙煎所をスタートして10年が経った。
手回しの小さな焙煎機からスタートした焙煎所は町に根付き、町の人に愛されながら徐々に生産量を増やし現在は全国各地からNAKAYAMACOFFEEの豆を求めてお客さんが訪れる店となった。
焙煎士の店主、それを支える妻の二人の為にこの豊かな風景を眺めることができるガラススクリーンをデザインした。
通常ガラススクリーンは客に開く商業的な目的でガラススクリーンのデザインをするが、このガラススクリーンはあくまで働く二人の為のガラススクリーンである。
ファサードには店のサイン看板すらない。
日中はガラススクリーンには正面の風景が反射し、ほとんど店の内部は見えない。
煙突から煙がたっていたら店はオープンしている。
ある種商業的な設えを排除した。
最も良いロケーションが眺めるエリアに二つの焙煎機を設置した。
焙煎エリアに立つと、自然環境が内部空間と一体になる。室内に居ながらも、外で焙煎作業をしているような感覚になる。
そのエリアの背後には焙煎した豆をテイスティングできるカウンターと、豆をラッピングする作業台が設置されている。
通常はスタッフのエリアと客のエリアを明確に分けるが、この店はその境界を曖昧に設定している。
その曖昧な境界は、人と人の関係性の中で決まるものである。
ライティングデザインにはBRANCH LIGNTING DESIGN中村達基氏に依頼した。
基本構想の段階から参加してもらい、焙煎のための照明計画を模索した。焙煎機エリアは、繊細に豆の仕上がりを確認出来るような色温度設定としている。客が豆も選定するエリアにも焙煎エリアと同等の色温度で設定している。他の余白エリアは、ラウンジのような柔らかな色温度で設定している。照明器具のデザインも装飾を排除し、あくまで焙煎をする為の機能装置とした。
この焙煎所は空間、機能共にミニマルで素朴な空間を目指した。
このミニマルで素朴こそが日本的な表現にも繋がっている。
この地の風景の一部となるコーヒー焙煎所になればいいと思う。
■建築概要
名称:中山珈琲焙煎所
計画地:京都府木津川市南加茂台9丁目15−2
用途:コーヒー焙煎所
計画種別:内装設計
計画面積:45m2
設計:Atelier Satoshi Takijiri Architects 瀧尻賢
照明計画:BRANCH LIGNTING DESIGN 中村達基
プロジェクトマネジメント:roopee,Ltd
施工:FUKAWAKOUGYOU
家具工事:アサヒ工芸
施工アドバイス:アンドエス
竣工:2021年4月1日
撮影:西岡潔、矢野紀行
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 内装・床 | 床 | シンダーコンクリート仕上げ
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内装・壁 | 壁 | プラスターボードの上AEP塗装
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内装・天井 | 天井 | 下がり天井部分はフレキシブルボード貼り、その他は躯体表しの上AEP塗装
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内装・造作家具 | カウンター | 天板:チールPL焼き付け塗装
ベース:ラワン合板家具塗装
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内装・建具 | エントランスドア | スチールPL曲げ加工 焼付塗
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内装・建具 | 内部建具 | シナフラッシュAEP塗装
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