五十嵐理人 / IGArchitectsが設計した、埼玉・越谷市の住戸改修「蒲生の住居」です。
集合住宅の角部屋の改修計画、限られた予算で居心地の良さを目指して“なんでもない”操作と素材を積み重ね既存の採光通風の可能性を最大化、暮らし方の変化も許容する普遍的強度をもつ空間をつくる事も意図されました。
夫婦二人のためのマンションのリノベーション。
角部屋で二方向に開口部があり、採光も通風も十分に確保できるポテンシャルを有している。しかし、既存のプランは一つの開口部に一つの部屋を割り当てるようにぶつ切りにされていて、息苦しく感じられた。
角部屋の魅力を活かすために、すべての開口部に面するような大きな部屋を計画した。リビング、ダイニング、キッチン、寝室までがひとつながりになっている大きなワンルームである。特定の機能を持たせず、小さな段差やベンチなど、居場所の手掛かりだけを計画した。
工事にかけられる費用は解体費も含め400万以下で納める必要があったため、この計画では特殊な材料や設備は一切使わず、安価な汎用品のみでつくられている。なんでもない操作と、なんでもないマテリアルで、シンプルに明るく風の抜ける居心地の良い空間を目指している。
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以下、建築家によるテキストです。
夫婦二人のためのマンションのリノベーション。
角部屋で二方向に開口部があり、採光も通風も十分に確保できるポテンシャルを有している。しかし、既存のプランは一つの開口部に一つの部屋を割り当てるようにぶつ切りにされていて、息苦しく感じられた。
角部屋の魅力を活かすために、すべての開口部に面するような大きな部屋を計画した。リビング、ダイニング、キッチン、寝室までがひとつながりになっている大きなワンルームである。特定の機能を持たせず、小さな段差やベンチなど、居場所の手掛かりだけを計画した。
出来上がった空間はワンルームだが、夫婦が思い思いの場所で過ごし、今後どのような生活スタイルに変わったとしても、その変化を受け入れられる可能性を持った空間である。
工事にかけられる費用は解体費も含め400万以下で納める必要があったため、この計画では特殊な材料や設備は一切使わず、安価な汎用品のみでつくられている。なんでもない操作と、なんでもないマテリアルで、シンプルに明るく風の抜ける居心地の良い空間を目指している。
なんでもないがゆえに、普遍的な強度を持った空間で、たとえ暮らし方、家族の形や持ち主が変わったとしてもそこにあり続ける自然の様な住宅になればよいと思っている。
■建築概要
敷地:埼玉県越谷市
施主:個人
用途:住宅
構造・規模:RC造 3階の1室
設計・監理:IGArchitects 五十嵐理人
施工:GALAS株式会社 大片健太郎
面積:61.90m2
竣工:2021年8月
写真:矢野紀行写真事務所