SHARE 梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献
梅澤竜也 / ALA建築設計事務所が設計した、山梨・山中湖村の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」です。
生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設です。建築家は、工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案しました。またこの形態は、全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献します。施設の公式ページはこちら。
新しく立ち上げられるホームフレグランスブランドのための工場。
敷地は山中湖にほど近い森の中で、西側に富士山を望む東西方向に長い形をしている。ここに製品の生産機能や事務所だけでなく、その製品を販売する店舗兼カフェ、そして開かれた庭園を求められた。または“ひとの暮らしに寄り添った香り”をブランドのテーマとしていることから、その生産拠点も工場然とするのではなく、地域になじみ、人が集う親しみある存在となることが望まれた。
我々は求められた機能を5つの箱型ボリュームとして整理し、それらを平面的立体的に雁行させるように並べた。その3次元的なズレによって、間口の狭い奥深い敷地でもすべての居室から富士山への眺望を可能とし、一体的な庭園スペースをできるだけ確保することを試みた。また5つのボリュームから富士山へ向かって片流れ屋根の庇を伸ばすことで、来館者へ対して優しく出迎えるジェスチャーをつくりだした。
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以下、建築家によるテキストです。
新しく立ち上げられるホームフレグランスブランドのための工場。
敷地は山中湖にほど近い森の中で、西側に富士山を望む東西方向に長い形をしている。ここに製品の生産機能や事務所だけでなく、その製品を販売する店舗兼カフェ、そして開かれた庭園を求められた。または“ひとの暮らしに寄り添った香り”をブランドのテーマとしていることから、その生産拠点も工場然とするのではなく、地域になじみ、人が集う親しみある存在となることが望まれた。
我々は求められた機能を5つの箱型ボリュームとして整理し、それらを平面的立体的に雁行させるように並べた。その3次元的なズレによって、間口の狭い奥深い敷地でもすべての居室から富士山への眺望を可能とし、一体的な庭園スペースをできるだけ確保することを試みた。また5つのボリュームから富士山へ向かって片流れ屋根の庇を伸ばすことで、来館者へ対して優しく出迎えるジェスチャーをつくりだした。
インテリアは5つの屋根荷重を支えるためにランダムなレイアウトに発生した耐力壁のラーチ合板をあわらしにして、ブランドカラーである花緑青色をステイン塗装することで、グレーを基調とした質素な空間にささやかな表象を込めた。
■建築概要
所在地:山梨県南都留郡山中湖村山中
階数:地上2階
構造:木造
用途:工場、事務所、店舗、保養所
建築:ALA建築設計事務所
(担当:梅澤竜也、上原大史、石橋絵美子、マティアス・アビレス、中家幸太、李浩喆)
構造:金箱構造設計事務所(担当:金箱温春、樋口佑輔)
設備:環境エンジニアリング(担当:大島一成、仲西隆幸)
照明:Lumimedia lab Inc.(担当:岩井達弥,、石井孝宜、佐藤杏恵)
植栽:株式会社グリーンワイズ(担当:平田憲史、鈴木惠子)
施工:齋藤建設(担当:小田切健)
敷地面積:2871.84m2
建築面積:435.78m2
延床面積:497.85m2
竣工:2021年9月1日
撮影:西川公朗、ライトパブリシティ、エイム
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外構・床 | 外構 | コンクリート洗い出し |
外装・壁 | 外壁 | 窯業系ボード+左官吹き付け |
外装・屋根 | 屋根 | ガリバリウム鋼板 |
外装・建具 | 開口部 | アルミサッシュ |
内装・床 | 床 | ラーチ合板t24 ウレタン塗装 |
内装・壁 | 壁 | プラスターボード厚12.5 AEP |
内装・天井 | 天井 | プラスターボード厚9.5 AEP |
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