SHARE 若手建築家を対象とした、大阪・関西万博の休憩所等設計コンペの結果が発表
若手建築家を対象とした、大阪・関西万博の休憩所等設計コンペの結果が発表されました。
平田晃久、藤本壮介、吉村靖孝が審査を務め、“1980年1月1日以降生まれの一級建築士事務所の開設者であり、建築士法に基づく一級建築士の資格取得者”を対象に行われました。大阪・関西万博は、2025年4月13日~10月13日の期間、大阪・夢洲で行われます。
選ばれた建築家と手掛ける施設
- 休憩所1:一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希/o+h 大西麻貴、百田有希
- 休憩所2:工藤浩平建築設計事務所 工藤浩平
- 休憩所3:一級建築士事務所合同会社山田紗子建築設計事務所 山田紗子
- 休憩所4:一級建築士事務所Schenk Hattori+Niimori Jamison 服部大祐、新森雄大
- ギャラリー:一級建築士事務所teco株式会社 金野千恵
- 展示施設:KOMPAS JAPAN 株式会社一級建築士事務所 小室舞
- ポップアップステージ(東):KIRI ARCHITECTS 桐圭佑
- ポップアップステージ(西):株式会社三井嶺建築設計事務所 三井嶺
- ポップアップステージ(南):一級建築士事務所 萬代基介 建築設計事務所 萬代基介
- ポップアップステージ(北):axonometric株式会社一級建築士事務所 佐々木慧
- サテライトスタジオ(東):株式会社ナノメートルアーキテクチャー一級建築士事務所 野中あつみ
- サテライトスタジオ(西):佐藤研吾建築設計事務所 佐藤研吾
- トイレ1:GROUP 一級建築士事務所 棗田久美子
- トイレ2:Studio mikke 一級建築士事務所 小林広美
- トイレ3:小俣裕亮建築設計事務所一級建築士事務所 小俣裕亮
- トイレ4:株式会社浜田晶則建築設計事務所 AHA一級建築士事務所 浜田晶則
- トイレ5:米澤隆建築設計事務所 米澤隆
- トイレ6:KUMA&ELSA一級建築士事務所 隈翔平
- トイレ7:HIGASHIYAMA STUDIO+farm+株式会社NOD 鈴木淳平、村部塁、溝端友輔
- トイレ8:斎藤信吾建築設計事務所 斎藤信吾
藤本壮介による講評を以下に掲載します。
優秀提案者の選定理由(全体講評:座長・藤本委員)
今回のコンペでは、256点もの応募があり、どれもが素晴らしい力作ばかりであったことをまずは感謝したいと思います。この点数は、万博への若い建築家たちの希望や熱意を反映したものだと言えるでしょう。それはひるがえって、選ばれた20人の建築家と、そして僕たち会場デザインチームの責任としてしっかりと受け止めたいと思います。
案を選定するにあたっては、まず多様なアイデアを実現したいということ、また通常の建築では実現できないかもしれない実験的な試みも、飛距離の大きさや細部や実現性への眼差しの確かさによってしっかりと掬い取りたいという思いがありました。ただしっかりと作られているだけではなく、その案や思考の可能性自体を評価したものもあります。そして何より、大きな前提として、これからの時代の、地球環境全体を見据えた循環への思考、人々の多様な活動に対する深い思索、建築というものの根源的な理解、そしてそれを実現していくための人間力を備えていることが求められました。
僕は、今回選ばれた20人の建築家と並走するように、何度かワークショップを開催し、それぞれの建築家が孤立するのではなく、しっかりと横の連携をとり、さらに建築家同士の活発な議論を行いながら、設計プロセスを進めていきたいと考えています。そのプロセス自体も、とてもエキサイティングなものとなるでしょう。そうやって生まれてくるであろう素晴らしい建築たちに大いに期待したいと思います。