田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOが設計した、東京・渋谷区の「ヒルサイドテラスのオフィス」です。
槇文彦の建築内に北川一成率いる“GRAPH”の為に計画されました。建築家は、オリジナル尊重の設計方針を志向し、窓配置とプロポーションを手掛かりに“家具レイアウト”で空間を構成しました。また、施主のグラフィック業と風景の抽象性を考慮して色彩は“白”で統一しています。施主の公式サイトはこちら。
デザイナー・アーティストの北川一成氏率いるGRAPHのオフィスの移転計画。
入居先は槇文彦設計の名作ヒルサイドテラス。部屋は地名の由来でもある猿楽神社のある猿楽塚に隣接しており、窓から見える保存樹木の緑が美しい事が印象的だった。
我々は窓を手掛かりに検討を始めた。隣棟間の程よい距離間を保つ窓の配置とプロポーションが絶妙で、雑誌や書籍などで理解していたつもりだったが、現場に通う度に発見があった。
設計方針はオリジナルを尊重すること。手数としては家具レイアウトをするだけでデザインし切るとともに、インテリアは「白」で一貫した。施主の本業であるグラフィックの検討するために要素は限りなく省略、そして窓から切り取る風景の抽象性を保つためである。それはかつての校舎と竣工当時の建物を想像しながらの設計だった。
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以下、建築家によるテキストです。
ヒルサイドテラスのオフィス
デザイナー・アーティストの北川一成氏率いるGRAPHのオフィスの移転計画。
入居先は槇文彦設計の名作ヒルサイドテラス。部屋は地名の由来でもある猿楽神社のある猿楽塚に隣接しており、窓から見える保存樹木の緑が美しい事が印象的だった。
施主は槇氏設計の大学校舎にかつて通っていたという。同じ空気感をもつこの建物が気に入り入居を決めた。残念ながら計画前の部屋は改変が繰り返されており、極めて凡庸なインテリアになり果てていた。
我々は窓を手掛かりに検討を始めた。隣棟間の程よい距離間を保つ窓の配置とプロポーションが絶妙で、雑誌や書籍などで理解していたつもりだったが、現場に通う度に発見があった。
設計方針はオリジナルを尊重すること。手数としては家具レイアウトをするだけでデザインし切るとともに、インテリアは「白」で一貫した。施主の本業であるグラフィックの検討するために要素は限りなく省略、そして窓から切り取る風景の抽象性を保つためである。それはかつての校舎と竣工当時の建物を想像しながらの設計だった。
引き渡しが終わり、真っ白なエントランスに四色のスリッパが置かれた。印象的なその風景から、見え隠れするその意味を考えてしまうのはこの建物だからだろうか。
■建築概要
用途:事務所
設計:田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIO
担当:田中亮平、西村和起 / G ARCHITECTS STUDIO
施工:佐藤剛 / Neufurniture works
施主:GRAPH
延床面積:126.00m2
竣工:2021年4月
写真:志摩大輔