近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介
近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介
近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH
近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH
近森穣 / 07BEACHが設計した、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」です。
郊外のロードサイド店舗の全面改修計画です。建築家は、地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向しました。そして、“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
店は都心の喧騒から離れた郊外の、近隣には畑や川や林などがある長閑な住宅街の幹線道路に面して建っている。
いかにもロードサイド型大型飲食店風の既存建築をブックカフェへと全面改修を行った。
クライアントはその地元の雑木林や川の保全活動に取り組んでおり、デザインを着手するにあたって 以下のような事が伝えられた。
・食を通じ自然と人との共生、持続可能なライフスタイルを創造出来る様な場にしたい。
・生活感のある落ち着いた場所にし、子供から高齢者まで、特に持続可能な社会・地域を目指すためには 子供を大切にしないといけない。
・所有している約4万冊の書籍を活かし「残していきたい自然、大切なもの」 を感じ考えてもらえる様な図書館にしたい。
・食やみどりに関する体験の機会などを提供し、文化・芸術、知的なものに触れられる場にしたい。
・特に雑木林は武蔵野の原風景であったが、人との関係が崩れてしまった現在、雑木林と農業・食とを関係付けながら、 人とみどりとの新たな可能性を見いだしていけるような場にしたい。
こう言った思いを汲み取るべく雑木林や川原を歩きその体験とクライアントが持つ思いをどのように具体化していけば良いか考えていった。
地元の木をふんだんに使い親しみ易い場を作ると言う事だけではなく、雑木林を空間に表現し、川のイメージをどこかに入れる。こうしたクライアントからのリクエストへの答えを探していくことは創造的な設計行為が行えている喜びが感じられ難しくもやりがいのある仕事となった。
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近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階。1Fの図書喫茶空間と比較すると2Fは本を所蔵し、イベントに対応するためのシンプルでニュートラルな空間が求められた。 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階。その中で1Fで作ってきた雑木林のコンセプトととの繋がりを表現するために、また元々の平天井を解体し屋根勾配に合わせた傾斜天井へ作り替え高さ方向に 伸びやかになった特性を強調するように、傾斜天井まで届く本棚を本による木立のようなイメージでデザインした。1、2階を通して造作材は地元の西川材と呼ばれる杉を用いた。 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る1階平面図 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階平面図 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る1階俯瞰図 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る2階断面図 image©07BEACH
設計プロセスと解説
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近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るデザインの源となった地元の風景。クライアントが保全活動に参加する地元の雑木林や川。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るデザインの源となった地元の風景。こうした風景を想像しながらデザインを行なっていった。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るクライアントが清掃活動に参加する柳瀬川の川原。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る川砂利で仕上げたカウンター image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るどこかに川をイメージした表現を入れて欲しいとリクエストをもらい、カウンターを川砂利で仕上げ、そこに川面のイメージのガラス板を渡す事を考えた。 photo©佐藤 勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る照明初期案イラスト。壁などに直接グラフィックを描くようなやり方ではなく、 もっと好奇心を刺激する様な方法で雑木林を表現しようと、アクリル板に落ち葉のグラフィックを描き影を落とすことを考えた。その後実際にクライアントが保全活動をしている雑木林から入手した落ち葉を用い、影が天井にも照り返る案へと発展して行った。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る影の演出のテスト。光源の種類や吊り下げる距離などを確認した。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るアクリル板が光を下方に通過させつつ上方にも反射させる事で 一つの対象が天井と床に同時に影を描く。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る落ち葉の影をテーブルや床に落とす事で、雑木林のイメージが店全体に広がり、それは影絵の様に子供の好奇心を刺激する仕掛けとなる。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る吊り下げコンセントとペンダントライト。床コンセントは客席の自由なレイアウト変更に対し使い勝手悪い面があり、 より利便性の高いコンセントとして、取り外しや移動が可能な配線ダクトからの吊り下げ式とし、ペンダントライトと意匠を揃え、不規則な高さに吊る事で目線の高さに賑わいを与え、雑木林のような雑多な空間の心地良さを表現した。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る不規則な高さに吊られたコンセントとライト。コンセントが目を引く意匠として存在する事はこの店が勉強や仕事の為にゆっくり出来る場である事をお客さんに印象付け継続的な来店へ寄与すると考えた。 photo©佐藤勇介

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る絵本のための本棚。小さな箱を度振って重ねることで陰影のある表情が生まれ、1つの箱毎に表紙が展示される。これにより本自体の彩によって空間に賑わいが生まれる。 シンプルな箱を重ねるだけの簡単な構成が印象的な表情を作る。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作るテーブルデザインにおいても雑木林のイメージに繋がるような、生物的な印象や雑然とした中の居心地を作り出すものにしたいと考え、不整形な形態に色のばらつきを与えた。それは機能面においても、従来の四角いテーブルの様に人席、人席と定員数が認識しやすかったり、自分のテーブル、他人のテーブルと区切りがされやすいものではなく、捉え所のない形によって柔軟に人数の変化を受け入れやすくなり、画一的に向かい合うのとは違い、他者との様々な距離や角度が生まれる事で自然と相席を許容しやすい環境になるのではと考えた。それは雑木林の中で人それぞれが居心地の良い場所を見つけて座るような感覚のものになるのではないかと考えた。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る物販商品陳列台。子供の好奇心をくすぐり、雑木林の雑多さを表すようなものを目指しデザインするうちに生き物の様な形になっていった。店は宮崎駿監督の住む街にあり、その街は氏の人気作で描かれる風景のモデルとなった街でもある。その様な場所にあって、のそのそと歩き出しそうな生き物的造形は皆が親しむ監督作品へ敬意を 表す様なものとして、この店に合っているのではないかと考えた。状況に合わせ大きな1台としても分割して2台としても使用される。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る物販棚。みどりの壁に重なり合う枝葉の様に棚が並ぶ。ここでも木材の色を取り混ぜ整然とさせ過ぎない様にした。 image©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る色のばらつきを作るため木部の塗装には複数の色が用いられた。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る椅子選びにおいても雑木林の雑多な居心地の良さを表そうと、様々なビンテージ椅子に様々な張り地を貼った。 photo©07BEACH

近森穣 / 07BEACHによる、東京・東村山市の「図書喫茶カンタカ」。郊外のロードサイド店舗の全面改修。地域の自然保全に取り組む施主の思いに応え、地場の木材を用いて原風景である“雑木林”を想起させる空間を志向。“不整形な形態”等で“雑多な心地良さ”を作る使用された張地 photo©07BEACH
以下、建築家によるテキストです。
店は都心の喧騒から離れた郊外の、近隣には畑や川や林などがある長閑な住宅街の幹線道路に面して建っている。
いかにもロードサイド型大型飲食店風の既存建築をブックカフェへと全面改修を行った。
クライアントはその地元の雑木林や川の保全活動に取り組んでおり、デザインを着手するにあたって 以下のような事が伝えられた。
・食を通じ自然と人との共生、持続可能なライフスタイルを創造出来る様な場にしたい。
・生活感のある落ち着いた場所にし、子供から高齢者まで、特に持続可能な社会・地域を目指すためには 子供を大切にしないといけない。
・所有している約4万冊の書籍を活かし「残していきたい自然、大切なもの」 を感じ考えてもらえる様な図書館にしたい。
・食やみどりに関する体験の機会などを提供し、文化・芸術、知的なものに触れられる場にしたい。
・特に雑木林は武蔵野の原風景であったが、人との関係が崩れてしまった現在、雑木林と農業・食とを関係付けながら、 人とみどりとの新たな可能性を見いだしていけるような場にしたい。
こう言った思いを汲み取るべく雑木林や川原を歩きその体験とクライアントが持つ思いをどのように具体化していけば良いか考えていった。
地元の木をふんだんに使い親しみ易い場を作ると言う事だけではなく、雑木林を空間に表現し、川のイメージをどこかに入れる。こうしたクライアントからのリクエストへの答えを探していくことは創造的な設計行為が行えている喜びが感じられ難しくもやりがいのある仕事となった。
■建築概要
題名:図書喫茶カンタカ / 雑木林の様な場を目指して
所在地:東京都東村山市秋津町3丁目30-6
工事種別:改修
構造:鉄骨造
設計:07BEACH / 近森穣
施工:金谷計画
照明計画:DAIKO
音響・真空管アンプ:小松音響研究所
椅子:BELLBET
木材:フォレスト西川
延床面積:424.65m2(1F 247.86m2 + 2F 176.79m2)
設計期間:2019年7月~2020年10月
施工期間:2020年8月~2020年12月
竣工写真:佐藤勇介、07BEACH