久保木亮太+山口貴司 / 三日月アーキテクツが設計した、千葉・習志野市の店舗兼住宅「House Cafe K」です。
定年を迎えた夫婦の為に計画されました。建築家は、平屋での生活体験への“豊かな奥行き”の付与を求め、空間を様々に変化させる曲面天井を考案しました。また、将来的に開かれるカフェで地域社会とも緩やかな繋がる事も意図されました。
定年を迎え、子育ても終えた施主夫婦が新しい暮らしを始めるための平屋住宅であり、将来的にカフェを開ける計画とした。
平屋住宅での生活体験は、平面移動のみで単調になりがちであるが、大きな切妻という屋根形状を活かし、各空間に求められる特性に合わせながら、天井のふるまいをきっかけに空間を様々に変化させることで、生活に豊かな奥行きをもたらしたいと考えた。
家族が寛げる落ち着いた空間にするため、濃色のヴォールト天井、フローリング床とした。リビングと個室の境には、天井より低い位置までの収納壁を立ち上げ、リビングから個室までヴォールト天井が途切れないようにしている。
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以下、建築家によるテキストです。
平屋と天井
定年を迎え、子育ても終えた施主夫婦が新しい暮らしを始めるための平屋住宅であり、将来的にカフェを開ける計画とした。
平屋住宅での生活体験は、平面移動のみで単調になりがちであるが、大きな切妻という屋根形状を活かし、各空間に求められる特性に合わせながら、天井のふるまいをきっかけに空間を様々に変化させることで、生活に豊かな奥行きをもたらしたいと考えた。
アプローチ
後述のダイニング・キッチン(カフェ)とは対照的に低めのフラット天井とし、脇に木の柱を並べることで、開放的でありながらも直線的な奥行きのある半屋外空間とした。
ダイニング・キッチン(カフェ)
家族や地域の人々が気軽に集まれるよう、明るくカジュアルな空間にするため、淡色のドレープ天井、土間コンクリート床とし、キッチンとの境界にはタイルのキッチンカウンターを立ち上げた。
リビング・個室
家族が寛げる落ち着いた空間にするため、濃色のヴォールト天井、フローリング床とした。リビングと個室の境には、天井より低い位置までの収納壁を立ち上げ、リビングから個室までヴォールト天井が途切れないようにしている。
洗面所
小さなスペースでも明るく開放的な空間にするため、天井を最大限高くしてハイサイドライトを設けた。
書斎
敷地奥の静かな環境で、隠れ家のようにこぢんまりとした落ち着きのある空間とするため、濃色の舟底天井とし、ハイサイドライトを設けた。
多彩な天井が連なる豊かな体験のつながりとともに、地域社会ともゆるくつながっていける家である。
■建築概要
題名:House Cafe K
所在地:千葉県習志野市
主用途:カフェ兼用住宅
設計:久保木亮太+山口貴司 / 三日月アーキテクツ
施工:中野工務店
構造:木造
階数:地上1階
敷地面積:277㎡
建築面積:115㎡
延床面積:96㎡
竣工:2022年4月
写真:小野寺宗貴、小泉一斉