大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、愛知・一宮市の「Haus-011」。住宅地と畑地に挟まれた敷地。“正方形”と“黄金比”と“白銀比”を用いた立面は、其々の風景との呼応を意図。LDKを中心とした“シンメトリー”の平面が、室内に“動きのある景色”を生み出す 外観 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、愛知・一宮市の「Haus-011」。住宅地と畑地に挟まれた敷地。“正方形”と“黄金比”と“白銀比”を用いた立面は、其々の風景との呼応を意図。LDKを中心とした“シンメトリー”の平面が、室内に“動きのある景色”を生み出す 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、愛知・一宮市の「Haus-011」。住宅地と畑地に挟まれた敷地。“正方形”と“黄金比”と“白銀比”を用いた立面は、其々の風景との呼応を意図。LDKを中心とした“シンメトリー”の平面が、室内に“動きのある景色”を生み出す 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、愛知・一宮市の「Haus-011」。住宅地と畑地に挟まれた敷地。“正方形”と“黄金比”と“白銀比”を用いた立面は、其々の風景との呼応を意図。LDKを中心とした“シンメトリー”の平面が、室内に“動きのある景色”を生み出す 1階、バルコニー photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichiku が設計した、愛知・一宮市の「Haus-011」です。
住宅地と畑地に挟まれた敷地に計画されました。“正方形”と“黄金比”と“白銀比”を用いた立面は、其々の風景との呼応が意図されました。また、LDKを中心とした“シンメトリー”の平面が、室内に“動きのある景色”を生み出します。
かたち
前面道路側に展開する住宅地と、反対側に広がる畑地の風景のそれぞれに相応しい立面を目指した。
建物の正面は、大小の正方形を組み合わせることで導き出された横長の矩形を基にし、中央下部に正方形の孔を穿ち、白銀比率に則った位置に庇を取り付けている。側面は、二つの正方形と黄金角の勾配屋根を積んだ小屋のような縦長のヴォリュームに、不釣り合いに大きな下屋をつなげた二段構成の形態。また背面は、隣接する畑の風景に溶け込むよう高さを抑え、軒を大きく出した平屋の形状を選択することで、Palazzoの風格と、Villaの雰囲気を併せ持った建物となっている。
まどり
100坪弱という、個人邸としてはやや大きめの土地に対し、要望と予算から35坪程度の平屋+αの建物を計画した。
生活の機能は一階に集中し、中央には三間四方の大部屋、その左右にそれぞれ寝室/書斎、洗面/トイレなどを配し、所々に物溜まりとしての収納を設けている。大部屋の四角に設けられた四枚の引戸からは各部屋にアクセスすることができると同時に、トイレの扉を二枚にすることで、家の中をグルグルと周回できる動線も確保されている。二階は書籍、CD、オーディオ機器に満たされた“モノのための部屋”であり、家主の要求を満たす屋根裏部屋兼物見やぐらとして機能している。
けしき
矩形を組み合わせた単純な平面構成でありながら、四枚の引戸と二つの掃き出し窓、合わせて六つの開口を持つ大部屋では、常に動きのある景色が展開されている。建物中央を貫く孔としての開口は、内部と外部とをつなぎつつ、道路側を絶えず往来する人や車の流れを切り取り、また、柑橘系の樹木を中心とした畑の穏やかな時間を切り取る装置として、色彩の少ない建物内部に彩りを与える。そこに住人や客人が登場人物として加わることで、大部屋は上手と下手が入り乱れる舞台となり、静かな生活の中にささやかな動きと揺らぎを産み出し続ける。