柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、高知・室戸市の、客室改修「紺碧の洞窟」です。
海岸線を観光資源とする地域での計画です。建築家は、周辺の“たくましい風景”を活かす為に、天井高を抑え部屋の重心を下げて“外”への意識を高める設計を志向しました。また、様々な場所や姿勢で海を眺められる状況を作り出す事も意図されました。施設の公式サイトはこちら(「特別室」として計画されました)。
高知・室戸のホテルの客室改修の計画。
室戸市は高知県と徳島県の間の突端にあり、海岸線はタービダイト層というのこぎり型の岩肌が見えるジオパークとして観光資源となっています。一方で台風の影響も強いため、既存の客室は窓が小さく、また和風のインテリアがゆえに広縁が景色に対して閉ざした印象を生み出していました。
東海岸のたくましい風景を活かす改修を行いました。
まずは浴室をエントランスの前に置き、広縁としての洗面室を設け、エントランスから浴室を通して海が見える計画としました。和洋室は窓側を居間、反対側を小上がりがある別途を設え、寝ながらも海が見通せる環境としました。
紺碧の船底天井は低いところで1950mmとし、部屋の重心を下げて、窓への意識を高めています。また窓から光が曲面に沿って反射します。見る角度によって色が変わり、客間・浴室から海を眺めながら、1日の移り変わりを楽しめます。
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以下、建築家によるテキストです。
高知・室戸のホテルの客室改修の計画。
室戸市は高知県と徳島県の間の突端にあり、海岸線はタービダイト層というのこぎり型の岩肌が見えるジオパークとして観光資源となっています。一方で台風の影響も強いため、既存の客室は窓が小さく、また和風のインテリアがゆえに広縁が景色に対して閉ざした印象を生み出していました。
東海岸のたくましい風景を活かす改修を行いました。
まずは浴室をエントランスの前に置き、広縁としての洗面室を設け、エントランスから浴室を通して海が見える計画としました。和洋室は窓側を居間、反対側を小上がりがある別途を設え、寝ながらも海が見通せる環境としました。
紺碧の船底天井は低いところで1950mmとし、部屋の重心を下げて、窓への意識を高めています。また窓から光が曲面に沿って反射します。見る角度によって色が変わり、客間・浴室から海を眺めながら、1日の移り変わりを楽しめます。
高知の杉や室戸の土佐備長炭で設えられたインテリアや金目鯛をはじめとした地の食事と共に室戸そのものを感じる宿泊体験を生み出します。
■建築概要
題名:紺碧の洞窟
敷地:高知県室戸市室戸岬町
用途:宿泊施設
設計:柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architects
担当:中尾壮宏
施工:小松建設株式会社
施主:有限会社エヌアール
階数:RC3F中の3F
面積:52.79㎡
設計:2021年9月~2021年11月
施工:2021年11月~2022年2月
竣工:2022年2月
写真:ToLoLo studio