architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 書籍
  • 展覧会
  • コンペ
  • 動画
  • テレビ
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2023.3.27Mon
2023.3.26Sun
2023.3.28Tue
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図
photo©堀内広治

SHARE 清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図

architecture|feature
建材(外装・屋根)桂建設さくら設計事務所清水義文SOU建築設計室堀内広治yAt構造設計事務所建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(内装・照明)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)図面あり医療施設東京
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図公園側からのアプローチ photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、訪問介護 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、リビング photo©堀内広治

清水義文 / SOU建築設計室が設計した、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」です。
未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設として計画されました。建築家は、様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案しました。また、特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図されました。

人生100年時代を迎える現代において学校跡地を活用して「未病維持から看取りまで」を実現した医療複合施設。
「診療所、カフェ、ホームホスピス、フィットネス、地域交流、動物介在活動」6つのテーマを集約・連携することで医療・介護・交流の時間的連続・地理的連携を実現した。

建築家によるテキストより

地域活動としての建物、終の住処としての建物、それぞれが独立せずに適度な距離で共存できる場とするために中庭を囲むように配置した2層の小屋の集合体とも言えるボリュームは、隣接する公園や敷地周辺の住宅街に馴染む。平面的にも立面的にも凹凸のある建築群は内部空間に様々なシークエンスをつくり出す。時としてそれは活動する人々と療養する人々の間仕切りとなり共通の居場所ともなる。

建築家によるテキストより

低層のコンクリートの群れは部分的に木造の小屋組みとなっており、周囲に開けた大開口からその温かみのあるテクスチャーを覗かせ、町の医療施設としての役割を建築的にも具現化している。

町の医療として地域に開くこと、療養施設として落ち着きのある空間とすること、用途が複雑に絡み合う中で統合的に括ろうとした結果、それぞれの性格の異なる小屋が群れを成し住宅の町並みのようなカタチとなった。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図公園側からのアプローチ photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図北側外観 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、受付 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、調剤薬局 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、訪問医療 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、訪問介護 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、リビング photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、リビング photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、リビング photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、個室 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図動物介在活動、受付 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図動物介在活動、フィールド photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図フィットネス、フィットネス空間 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図地域交流の為の部屋 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図研修室 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図2階、廊下 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図カフェ、客席 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図屋上緑化 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図アプローチ、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図北側外観、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図アプローチ、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図アプローチ、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観、夕景 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図平面図 image©SOU建築設計室
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図立面図
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図断面図
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図全体構成図 image©SOU建築設計室

以下、建築家によるテキストです。


小学校跡地を活用した「医:診療所、食:カフェ、住:ホスピス、動:メディカルフィットネス、学:地域交流、犬:動物介在活動」6つをテーマとした医療複合施設。誰もが立ち寄りやすく気軽に利用できる施設とし、各テーマを連携させることが求められた。

地域に配慮し住宅のスケールを身にまとったこの施設は、道路側から敷地を挟んで反対側の公園が見えるように半外部空間のエントランスがある。各テーマへ直接出入りできる、誰もが利用しやすい施設とした。

また、ここでは終末期を過ごすホスピスの住人もいる。一つの施設で体調の良い日には落ち着きのある“リビング”から、中庭に沿って“散策の森”や“屋上の緑”、公園の見える“テラス”、多様なシーン眺め地域の人々とカフェで食事ができるような、各テーマの連携を生み出しながら、地域住民の健康を支える施設とした。

概要
学校跡地を活用した医療複合施設。高齢者のみの世帯増加を勘案し、未病維持から看取りまで医療と介護の融合により地域の健康を支え安心して暮らすための地域交流拠点を計画。学校跡地という集いの場を残しながら「医・食・住・動・学・犬」のテーマ集約。動物介在活動など、テーマを連携させ拠点になることで時間的連続・地理的連携を実現した。

デザインのポイント
①医療・介護・地域の拠点を整備することで、未病から看取りまで時間的連続・地理的連携を実現
②6つのテーマの集約、ゆとりの空間を持たせることで動物介在活動など連携した多様プログラムを生み出した
③終末期を医療の枠組みに閉じ込めず、住み慣れた地域と関わりながら安心して過ごせる環境整備

デザインが生まれた理由・背景
人生100年時代を迎える現代において、高齢者のみの世帯が増加する一方で医師数や診療所が少ないことが問題となっている。これまで事業主は動物介在活動・診療所・老人ホームに関連しており「何でも屋のコンビニエンス・クリニック」として「未病維持や看取りの場の充実」を課題として本計画へ取組むこととなった。

敷地は住宅地にある小学校跡地。公共用地の活用が求められており、先述の課題に取り組むほか、単なる医療複合施設ではなく地域の人々が誰もが気軽に集う交流の場を設けることで市に選定され計画である。

取組むテーマは6つ「診療所・動物介在活動・ホームホスピス・フィットネス・カフェ・地域交流」であり、それぞれのテーマが連携することで生活に根付いた健康増進のメニューを増やし時間的連続を実現。また本施設を拠点として訪問による医療・介護のサポートにより地理的連携をねらった。

経緯とその成果
6つのテーマをコの字型に配置し、テーマ毎の適度な距離を確保。「地域交流」や「交流の庭」でゆとりを持たせながらテーマを集約することで「診療所とカフェ」による食生活相談、「ホームホスピスと動物介在活動」によるアニマルセラピー、「診療所とフィットネス」による通所リハビリ、「ホームホスピスと地域交流」によるワークショップなど多数のプログラムを生み出すことを可能にした。今後のアイディアで多様な発展を期待できる。

またホスピスは「散策の森」により中庭からの視線と距離を制御。「施設でもない自宅でもないもうひとつの家」として住み慣れた地域と関わりながら安心して過ごせる環境を整備した。テーマの連携は敷地内にとどまらない。隣接した公園のイベント時には「交流の庭」を開放することで公園とも連携した催しが可能となる。また、公園を一望できる見晴らしのよいカフェはイベントのみならず地域住人の憩いの場にもなるだろう。

デザインの工夫点について 
医療複合施設としての特徴は医療・介護・地域の融合のもとに成り立った、地域に根付き未病維持から看取りまで支援できるプログラムである。本施設のテーマは一体的に事業主によって管理されているためスムーズかつ柔軟な連携が可能となる。医療・介護の支援のほか地域交流の活動も事前に検討されている。

地域交流のスペースも単なる広い空間ではなく、柔らかい柔道畳を使用することで盲目の方の転倒時の受け身練習や地域の子どもを集めた映画上映会などが開催できるようにしている。そこに面する廊下はギャラリーとして活用され地域のアーティストの作品も展示される。

このような取り組みを行える機能を取り入れることで、地域を巻き込んだ交流拠点でもあり医療・介護を支える医療拠点になるとなる新たな取り組みを実現した。人生100年時代の現代において、医療複合施設として新たな取り組みを生み出すことができた。

これまでの実績
市の「小学校跡地活用高齢者福祉施設整備・運営事業」の公募により本事業主が選定された。また、「廃小学校を核にした地域の再生と発展~地域に開かれた多世代交流多機能拠点とみとりの拠点整備事業~」として国土交通省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル」へ選定された。医療と介護の融合のもと、地域の高齢者の健康増進から訪問看護・診療、看取りまで時間的連続・地理的連携が時宜にかなっていると共に、終末期を過ごせる施設整備の提案、学校跡地活用のモデルとしても興味深いものと評価されている。

また、地域交流スペースのギャラリーへ展示された作品が購入されており、地域のアーティストたちの支援にもつながっている。施設のオープン後では地域の方がカフェを利用する姿も見え今後様々な活動の展開が期待できる。

その他
住宅地での配慮と近隣との景観配慮により建物のボリュームを分割し勾配屋根とすることで地域へ溶け込むシルエットとした。その際、公園に囲まれる恵まれた敷地であるため、勾配屋根の部分には公園が見える眺望のよく開放的な大開口を設け、その天井は木で架構を造り表しにすることで、開放的な高天井と温かみのある木質空間を実現している。事務室スペースも高天井とすることで、スタッフの勤務環境向上に配慮した。

建物へアクセスする道路側には開放的な半外部空間のエントランスホールがあり、道路から中庭が見え隠れすることで明るく開放的で地域の方がアクセスしやすいエントランスを実現した。中庭では動物介在活動の犬を走らせることもでき、犬の生活環境も充実させている。内部を歩くと緑豊かなコの字型の建物を様々な面で見ることができ、見どころを多々もつ医療複合施設を実現した。

***

人生100年時代を迎える現代において学校跡地を活用して「未病維持から看取りまで」を実現した医療複合施設。
「診療所、カフェ、ホームホスピス、フィットネス、地域交流、動物介在活動」6つのテーマを集約・連携することで医療・介護・交流の時間的連続・地理的連携を実現した。

地域活動としての建物、終の住処としての建物、それぞれが独立せずに適度な距離で共存できる場とするために中庭を囲むように配置した2層の小屋の集合体とも言えるボリュームは、隣接する公園や敷地周辺の住宅街に馴染む。平面的にも立面的にも凹凸のある建築群は内部空間に様々なシークエンスをつくり出す。時としてそれは活動する人々と療養する人々の間仕切りとなり共通の居場所ともなる。

低層のコンクリートの群れは部分的に木造の小屋組みとなっており、周囲に開けた大開口からその温かみのあるテクスチャーを覗かせ、町の医療施設としての役割を建築的にも具現化している。

町の医療として地域に開くこと、療養施設として落ち着きのある空間とすること、用途が複雑に絡み合う中で統合的に括ろうとした結果、それぞれの性格の異なる小屋が群れを成し住宅の町並みのようなカタチとなった。
(清水義文)

■建築概要

建物名称:LIFE MEDICAL CARE いずみ
所在地:東京都西東京市
主要用途:医療複合施設
施主:株式会社SHエステート
設計監理:SOU建築設計室 担当/清水義文、木村雅貴
構造設計:yAt構造設計事務所
設備設計:さくら設計事務所
施工:桂建設
構造階数:鉄筋コンクリート造、地上2階建て
敷地面積:1635.32㎡
延床面積:1246.96㎡
竣工:2021年12月
写真:堀内広治

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

カラー鋼板 極み-MAX AマットホワイトKNCK005(JFE鋼板)

外装・壁外壁

腰下:ジョリパットゆず肌(AICA)

腰上:コンクリート打放し

内装・床薬局受付床

エスリューム・ミスト PF-20361(サンゲツ)

内装・床ホスピス受付床

エスリューム・ミスト PF-20336(サンゲツ)

内装・床ホスピス床

ピエトラクォーツ 磁器質タイル IPF-300 / PTQ12(INAX)

内装・床ホスピス事務室床

NT700 ミスティⅡ NT-882H(サンゲツ)

内装・床キッチン床

エスリューム・ルーミー PF-20374(サンゲツ)

内装・床カフェ床

アンティークタイル IS-1026(サンゲツ)

内装・壁薬局受付壁

FAITH フィルム汚れ防止壁紙 TH-30400(サンゲツ)

内装・壁ホスピス受付壁

FAITH フィルム汚れ防止壁紙 TH-30460(サンゲツ)

内装・壁ホスピス壁

FAITH スーパー耐久性 TH-3066(サンゲツ)

内装・壁ホスピス事務室壁

FAITH ルームエアー消臭 TH-30496(サンゲツ)

内装・壁キッチン壁

XSELECT織物壁紙 SGB2193(サンゲツ)

内装・壁カフェ壁

ナチュラルパターン RE53474、サンウォール ヘス / モールド MM84 [HS-14+塗装MM84](サンゲツ)

内装・天井薬局受付天井

FAITH フィルム汚れ防止壁紙 TH-30400(サンゲツ)

内装・天井ホスピス受付・カフェ天井

ダイロートン ロックウール化粧吸音板(DAIKEN)

内装・天井ホスピス天井

FAITH スーパー耐久性 TH-3066(サンゲツ)

内装・天井ホスピス事務室天井

FAITH ルームエアー消臭 TH-30496(サンゲツ)

内装・天井キッチン天井

XSELECT織物壁紙 SGB2193(サンゲツ)

内装・照明照明

LEDスクエアベースライト LX140UEVLA9(パナソニック)
Tunable 調光スポットライト EFS6382W(遠藤照明)

外構・床外構

アプローチ1:砕石t=100 土間コンt=120 磁器質タイル貼 t=10
敷地外周部 :砂利、一部 真砂土舗装
中庭:植樹、一部 ウッドチップ敷

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

あわせて読みたい

八木祐理子+高田一正 / PAN- PROJECTSによる、ローテーブル「mum」。廃棄漁具を再利用して素材から開発。新しい価値の創出を目指し、原材料を“海からの恵み”と再定義して“母なる海”を想起させる“食卓”を制作。リサイクル過程で生まれる不規則な素材感も“海面”に見立て活かす
  • SHARE
建材(外装・屋根)桂建設さくら設計事務所清水義文SOU建築設計室堀内広治yAt構造設計事務所建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(内装・照明)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)図面あり医療施設東京
2023.03.27 Mon 07:32
0
permalink

#堀内広治の関連記事

  • 2023.3.03Fri
    三上建築事務所による、茨城の「水戸市下入野健康増進センター」。街の中心から離れた丘陵地に計画。地域に癒しや憩いの為の場を作る目的に、様々な機能を“一筆書き”で繋ぐことで“集う場”の構築を志向。全体を覆う軒の低い勾配屋根は周辺風景との調和も意図
  • 2022.2.07Mon
    三上建築事務所による、茨城の「日立市立日高小学校」。既存校舎を使いながらの新校舎建設という課題に、敷地状況を考慮し慣習的な細長い建物ではない矩形平面校舎を考案、中庭で通風採光問題も解決し校内移動距離短縮等のメリットも生む
  • 2020.12.09Wed
    三上建築事務所・押田建築設計事務所共同企業体による、富山の「砺波市立砺波図書館」
  • 2020.10.14Wed
    三上建築事務所による、福岡・行橋市の、図書館を中心とした複合施設「リブリオ行橋」
  • view all
view all

#yAt構造設計事務所の関連記事

  • 2025.4.14Mon
    VUILDによる、神奈川・横浜市の「Serendie Street Yokohama茶室」。多様な人々が集まる“共創空間”の中に計画。場所を象徴する単語の頭文字“S”をモチーフとして、密度が連続的に変化する建具を備えた空間を考案。デジファブ技術を用いて“現代の茶室”として作る
  • 2023.4.20Thu
    鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図
  • 2023.4.04Tue
    井川充司 / IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Concrete Log House」。都心ながら緑深い森に隣接する敷地。環境の特徴を活かした建築を目指し、道路側への建物配置で騒音を遮断した上で森と繋がる中庭を構築。“静寂”の庭を介して内外を繋げて“豊かな時間の流れ”を生み出す
  • 2023.3.20Mon
    伊原慶と和久田幸佑による、高知・土佐町の「湖と山と弧 さめうらテントパーク全体整備」。森林公園のキャンプ場の整備。景観と渾然一体となる“場所性”を求め、山々と連続して湖をフレーミングする二枚屋根を持つ“炊事棟”などを設計。規格合板を用いて予算と工期の中で“60mm厚”の軽やかさを実現
  • 2023.1.12Thu
    山路哲生建築設計事務所による、香川・綾歌郡の「宇多津クリニック」。“広告的”で“非空間的”なロードサイドに計画。この場に“在り得る建築”を求め、看板に頼らない存在感を持つ“白く幾何学的で記号的な家型”を考案。形態の実現に求められた“ブレース”が豊かさも生み出す
  • 2022.10.24Mon
    桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む
  • 2022.1.14Fri
    中村拓志&NAP建築設計事務所による、神奈川・箱根町の「火の山のツリーハット/Tree Hut on Volcano」。自然を愛する施主が販売する家の第一号として計画、建物を約5mの高さに浮遊させ世俗から離れた空間を実現、内部では神殿を参照して自然との繋がりと地域の人々の山への想いを反映
  • 2022.1.13Thu
    山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsによる、東京・新宿区の集合住宅「Light House」。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出を目指す
  • 2022.1.11Tue
    平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す
  • 2022.1.07Fri
    平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    60,896
    • Follow
    82,050
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    この日更新したその他の記事

    【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中

    ap job 【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中

    architecture|job
    建築求人情報
    【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中
    【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中陸前高田市立気仙小学校
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」の、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    主任スタッフ/プロジェクト契約スタッフ(経験者)募集

    公共建築のプロポーザルによるプロジェクトや、地域とのつながりによるプロジェクト、規模の大きい別荘や住宅建築等、現在、複数のプロジェクトが同時進行中です。伊勢神宮内宮参集殿改修設計を機に立ち上げた当事務所も12年目となり実績とともに設計事務所としての認知度も充実してきました。

    今回、実施設計、現場監理等を主任担当者として行うことができる一級建築士の資格を有する経験者を募集します。
    資格を有しない方も、経験とやる気しだいで是非お問い合わせください。プロジェクト契約も可能です。

    これまでの経験を活かして、主任として公共プロジェクトに取り組む意欲のある方、一人の建築家として共にアトリエ系設計事務所を盛り立てていくなど事務所の成長に積極的に取り組む意欲のある方、そして建築をつくること、また企画立案や維持運営といった建築、都市、コミュニティのサイクルに興味と実行力をもった人材を求めています。

    また住宅の設計などにも、ひとつひとつ丁寧に向き合える、「好きな仕事」としての建築設計を実行できる、熱意のある方を歓迎します。

    job.architecturephoto.net
    • ap job
    建築求人情報
    2023.03.27 Mon 16:00
    0
    permalink
    菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す
    photo©児玉晴希

    SHARE 菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す

    architecture|feature
    古末拓也児玉晴希knofファーストハウジング建材(内装・水廻り)建材(内装・キッチン)建材(内装・照明)建材(内装・建具)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)江東区図面あり永澤一輝菊嶋かおり住戸創造系不動産リノベーション東京
    菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©古末拓也
    菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©児玉晴希
    菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©児玉晴希

    菊嶋かおり+永澤一輝 / knofが設計した、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」です。
    大量の衣服を持つ施主の為に計画されました。建築家は、大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向しました。そして、保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す事が意図されました。

    江東区にあるマンションの一室のリノベーション。

    クライアントのYさんが持つ大量の衣服を軸に生活を構想し、住戸面積の半分を「ワードローブ」とするプランとした。
    残り半分は、素のままで過ごせるLDK+ベッドスペース。ブラウンガラスの境界面がそれぞれの空間の質を対比している。

    建築家によるテキストより

    エントランスを入ってすぐに広がるワードローブは、玄関・洗面・水回りを兼ねており、帰宅/外出の際の生活動線としても機能的な計画とした。店舗にもホテルにも見える、深いブラウンでまとめた空間は、GUBIのミラー、桧脚に大理石の天板を乗せた洗面台、ウールのカーペットなどで設え、既存建具にリブ材を張った壁面はベンガラ塗装とした。

    建築家によるテキストより

    ワードローブを通り、ブラウンガラスを抜けた先には明るく開放的な空間。ここではワードローブとは対比的に、衣服を脱ぎ去って裸のまま過ごせるよう計画した。キッチンと一体になった大きなテーブルは極小のモザイクタイル張りとし、ハードボードや無塗装のペン下クロスなど、手触りのあるマテリアルを中心とした。木部はMDFに柿渋塗装とし、経年変化もまた楽しみである。

    計画初期の段階では衣類の収納用に大きめのクローゼットがあれば良いという要望だったが、「ワードローブ」として生活の中心に据えることで、このクライアントとしかつくり出せない場所となった。

    建築家によるテキストより
    • 残り30枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    古末拓也児玉晴希knofファーストハウジング建材(内装・水廻り)建材(内装・キッチン)建材(内装・照明)建材(内装・建具)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)江東区図面あり永澤一輝菊嶋かおり住戸創造系不動産リノベーション東京
    2023.03.27 Mon 13:06
    0
    permalink
    【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中

    ap job 【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中

    architecture|job
    建築求人情報
    【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
    【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」の、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    VANスタッフ募集

    NPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)では約30年に渡り、建築家としての災害支援活動を行ってきました。
    現在もウクライナ、トルコで仮設住宅を供給する活動を行っております。

    この度、スタッフを募集いたします。
    好奇心旺盛に取り組める方を歓迎します。

    job.architecturephoto.net
    • ap job
    建築求人情報
    2023.03.27 Mon 13:00
    0
    permalink
    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/3/20-3/26]

    SHARE 最も注目を集めたトピックス[期間:2023/3/20-3/26]

    architecture|feature
    最も注目を集めたトピックス
    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/3/20-3/26]

    アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/3/20-3/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


    1. 藤本壮介による、東京・渋谷区の「西参道公衆トイレ」。都心部の幹線道路沿いの敷地。公衆トイレを“都市の泉”と捉えて“新しい公共空間”を目指し、中央が凹んだ“うつわ”の様な“手洗い場”を持つ建築を考案。“小さなコミュニティ”が生まれる契機を作る事も意図
    2. 藤原・室 建築設計事務所による、大阪・吹田市の「南千里の家」。住宅街の段差のある敷地。場の特性を生かした空間を目指し、レベル差のある床と3つの庭で“目線を変化”させ“多様な広がり”を生む建築を考案。施主の職業を尊重して内外装に“和の仕上げ素材”を用いる
    3. 小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉・深谷市の「House-K」。周囲からの距離が生む“バッファー”を持つ敷地。“家族全員の生活が中心”の家との要望に、明るい光を取り込む“余白”としてのリビング空間を考案。窓を介し環境と接続して内部のみで“完結しない”状況も作る
    4. 藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、神奈川・藤沢市の住戸改修「白と黒の家」。壁式RC造の団地での計画。間取り変更が難しい条件での“生活の更新”を求め、用途を一室にまとめる等の“必要諸室の在り方の再構成”を志向。入念に物の配置を検討して施主の求める“気持ち良さ”も作る
    5. KASAと湯浅良介による建築展「In Between Two Houses」の会場写真。石上純也事務所と内藤廣事務所で其々に経験を積んだ二組の建築家の展覧会。“対話”をテーマとして各自が構想した“家”に関する作品を公開。畝森泰行と金野千恵の事務所でもある東京台東区の“BASE”を会場に開催
    6. 伊藤隆一+伊藤彩香 / itoto architectsによる、愛知・蒲郡市の「西浦グランドホテル吉慶 客室WAN」。海の景色を望む旅館客室の改修。既存の二部屋をまとめ、広々とした中に“海の気配”を感じ“思いに耽る”静寂の場を複数持つ空間を考案。“景色の移ろい”に染まる素材を選定して宿泊客に様々な感覚を与える
    7. 田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOによる、東京・杉並区の住戸改修「杉並のリノベーション」。鉄骨造の集合住宅での計画。“タイムレスなデザイン”の要望に、素材と機器のほぼ全てを“定番”製品から選定する設計を志向。“どこか見慣れた物”に囲まれた空間は“時間が止まった”ような様相を見せる
    8. へザウィック・スタジオの、森美術館での展覧会「共感する建築」。世界中でプロジェクトを手掛けるファームの日本初の展示。主要プロジェクト“28作”を模型や素材サンプル等で紹介。会場構成は同スタジオが日本の“暖簾”等に着想を得て考案
    9. 大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、北海道・札幌市の牧場「BANKEI FARM」。企業運営の森の中の牧場。地域の自主施工の“農作業小屋”から着想し、使用者自身での拡張を可能とする“特注フレーム”用いた空間を考案。工夫の重なりが“この場所らしさ”を作る“いい道具”の様な存在を目指す
    10. 伊原慶と和久田幸佑による、高知・土佐町の「湖と山と弧 さめうらテントパーク全体整備」。森林公園のキャンプ場の整備。景観と渾然一体となる“場所性”を求め、山々と連続して湖をフレーミングする二枚屋根を持つ“炊事棟”などを設計。規格合板を用いて予算と工期の中で“60mm厚”の軽やかさを実現
    11. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、沖縄・糸満市の「一本足の家」。遠くに海を臨む敷地。要望や風土への応答を“複合的に解決”する在り方を求め、中央の1本柱が屋根と垂れ壁を支えて大きく開放できる建築を考案。変化を受容する“しなやかさ”と不変の“強度”持つ空間を作る
    12. 二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・江東区の店舗「Atelier Macri」。ギャラリー併設の眼鏡と香水の店。既存区画の空間を二つに分ける様な形を考慮し、様々な機能を集約する“コの字型”カウンターで空間を繋ぎ“一体感”を構築。クラシックなバーの様な在り方を想像して細部を設計
    13. 関口貴人と新明工産による、埼玉・飯能市の、新築平屋の美容院「Hair room TOARU」の内覧会が“3/26”に開催。平田晃久事務所出身の建築家による独立最初の作品。カットスペースを構成する鏡を“3m”を超えるサイズにまで拡大して空間を構成。目の前に座る自分だけでなく緑や街をも映し出す
    14. トーマス・へザウィックが、2022年にTEDで行った講演「退屈な建築の隆盛ーそしていかにも人間的な事例について」の動画(日本語字幕付)
    15. 伊原洋光+伊原みどり / hm+architectsによる、愛知の「蒲郡の店舗併用住宅」。地上階に菓子店のある家。“店”の存在感と“住居”のプライバシーの両立を求め、基壇の上に家形の量塊が飛び出る外観と外に閉じ内に開く構成を考案。異なる要素を1つの建築に重ね合わせ固有の存在感を示す
    16. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
    17. 泉幸甫を含む著名な住宅作家たちが講師を務め、日本建築学会教育賞も受賞した「家づくり学校」が第15期の受講生を募集中。実務者を対象とした、実際に建てるための知識を学び、自分らしく生きる道を見つける場
    18. 奥野崇建築設計事務所による、愛媛・松山市の住宅「ブドウ棚のある家」
    19. 久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、神奈川・足柄下郡の宿泊施設「水鏡の離れ」。温泉街の中心から離れた山深い敷地。変化する自然風景を“最大限生かす”在り方を目指し、周囲を写し込む“鏡の様な”天井と“川に向かい開く”平面構成を考案。仕上げや設備等も川の景色を際立たせるよう選定
    20. ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画

    • 過去の「最も注目を集めたトピックス」はこちらでどうぞ
    • SHARE
    最も注目を集めたトピックス
    2023.03.27 Mon 07:02
    0
    permalink
    2023.3.26Sun
    • ファラによる、ポルトガルの集合住宅「houses of cards」。5つの住戸を持つ建築。“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向。内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る
    • MVRDVによる、オランダの店舗「NIO・ハウス・ロッテルダム」。電気自動車の企業の為に計画。施主の思想と地域の特徴の融合を求め、共通点の“柔軟性”を基にして上下動するテーブルや外に拡張可能なカフェ等を考案。様々な歓迎の用途を盛り込んで街の活気への貢献も意図
    2023.3.28Tue
    • 坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」。衣料品ブランドの直営店併設のスタジオ。技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向。“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”な設計も意図
    • 藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    60,896
    • Follow
    82,050
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 書籍
    • 展覧会
    • コンペ
    • 動画
    • テレビ
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • アーキテクチャーフォト・プロダクト
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white