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2023.4.20Thu
2023.4.19Wed
2023.4.21Fri
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図
photo©田中克昌

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architecture|feature
東京住宅鈴木亜生図面あり世田谷区田中克昌建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(外装・屋根)建材(外装・壁)建材(外構・床)yAt構造設計事務所ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図外観 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、テラス photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図子世帯、2階、リビングダイニング photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図2階、コモンテラスから中庭を見る。 photo©田中克昌

鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の二世帯住宅「LOAM」です。
暮らしが街路に現れる地域に計画されました。建築家は、家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案しました。また、関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図されました。

敷地のある祖師ヶ谷大蔵の住宅街は、私道や位置指定道路が多く、道路を共有した街区が密集しているため、閉鎖的な家は少なく、互いが配慮し合い街路を介して暮らしが感じられる街並みになっています。

建築家によるテキストより

敷地にはもともと祖父母が二人で住まわれていたが、祖父の他界を機に、息子夫婦との二世帯住宅に建替えることになりました。
都内では比較的広い土地にあって、世帯で土地を小割にしてしまうような建ち方を避けるため、二世帯を南北に連棟し、街路を両棟の間に導くようにして、ボリュームを雁行させてできた「立体路地」を共有しています。

路地に介在する自然を通して、家族のつながりと距離を保つことができます。両棟の各スペースが路地越しに多層化して見え、敷地環境を回遊する空間になっています。

建築家によるテキストより

資源循環のための素材開発と環境建築を目指すプラットフォーム「クリエイティブ・リソース」を展開している私たちは、建設発生土の不適切な処理で社会問題になっている関東ロームの循環利用を目指し、これまで建材化が難しかった関東ロームを配合した「関東ロームブロック」の製造開発に成功しました。

その関東ロームブロックを内外の壁や床にふんだんに利活用して、5トンの関東ロームを循環利用しました。関東ロームの断熱性・吸放湿性・蓄熱性を活かし、快適な温熱環境を実現しました。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図外観 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図外観 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、テラス photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、中庭からテラスの方を見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、テラスから中庭の方を見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、中庭と関東ロームブロックスクリーン photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図関東ロームブロックスクリーン詳細 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図子世帯、1階、エントランスホール photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、エントランスホール床にも関東ローム層の土を使った素材を使用。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図子世帯、1階、エントランスホール photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図階段手摺 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図子世帯、2階、リビングダイニング photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図子世帯、2階、リビングダイニングからコモンテラスを見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図2階、コモンテラス photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図親世帯、2階、リビングダイニング photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図親世帯、2階、バルコニー photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図親世帯、1階、客間からテラス越しに、子世帯のエントランスホールを見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図1階、中庭からテラスの方を見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図関東ロームブロックスクリーン詳細 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図関東ロームブロックスクリーン詳細 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図2階、コモンテラスから中庭を見る。 photo©田中克昌
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図配置図 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図平面図 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図断面図 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図矩計図 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図ブロックスクリーン詳細図 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図開発した素材についての詳細 image©ASEI建築設計事務所
鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、東京・世田谷区の、二世帯住宅「LOAM」。暮らしが街路に現れる地域に計画。家族間が“繋がり”ながら“適度な距離”もある状態を求め、道を引込んだ様な“立体路地”を中央に配置する構成を考案。関東ロームの土を用いた建材も開発して資源循環も意図製造工程について image©ASEI建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


祖師ヶ谷大蔵に建つ二世帯住宅です。

資源循環のための素材開発と環境建築を目指すプラットフォーム「クリエイティブ・リソース」を展開している私たちは、建設発生土の不適切な処理で社会問題になっている関東ロームの循環利用を目指し、これまで建材化が難しかった関東ロームを配合した「関東ロームブロック」の製造開発に成功しました。

その関東ロームブロックを内外の壁や床にふんだんに利活用して、5トンの関東ロームを循環利用しました。関東ロームの断熱性・吸放湿性・蓄熱性を活かし、快適な温熱環境を実現しました。

クリエイティブ・リソースとは?
クリエイティブ・リソース(Creative Resource)とは、地域で眠っている資源や都市で棄てられている資源に価値を見出し、環境素材の開発から環境と調和した建築づくりを通して、資源循環のしくみをつくり、建設サステナビリティの実現を目指す実証実験プロジェクトです。メンバーは建築家、構造家、研究者、製造者、メーカー、技術者、職人が連携したチームで構成されています。

未利用資源の建設発生土を建築材料へ利活用
未利用資源利活用の取り組みを続けている私たちクリエイティブ・リソースの開発チームが、関東ロームという関東地方近郊に広がる未利用資源に着目したのは、2016年。
この年に東京都は建設資源循環を取り巻く状況を踏まえた新たな仕組みとして策定した「東京建設リサイクル推進計画」を修正し、オリンピックまでに建設発生土リサイクル率95%を目指すと発表した年である。ただ、今年4月の東京都の発表では、建設発生土リサイクル率の実績値は70%で、令和6年度までには88%を目指すと更新されている。

再利用のほとんどは土木工事の埋戻し用であり、建築では礫や有機物除去など安定処理の手間などで利用促進が進まない状況が続いている。5年余りの間、私たちは建設発生土の建材化による循環利用を目指し、関東ロームを配合したブロック、レンガ、左官の試作を重ねてきている。そして、同時に開発した素材の特性を活かした構造、空間の在り方の研究も行っている。住宅では本プロジェクトが最初の試みとなった。

祖師ヶ谷大蔵の二世帯住宅「LOAM」について
敷地のある祖師ヶ谷大蔵の住宅街は、私道や位置指定道路が多く、道路を共有した街区が密集しているため、閉鎖的な家は少なく、互いが配慮し合い街路を介して暮らしが感じられる街並みになっています。

敷地にはもともと祖父母が二人で住まわれていたが、祖父の他界を機に、息子夫婦との二世帯住宅に建替えることになりました。
都内では比較的広い土地にあって、世帯で土地を小割にしてしまうような建ち方を避けるため、二世帯を南北に連棟し、街路を両棟の間に導くようにして、ボリュームを雁行させてできた「立体路地」を共有しています。

路地に介在する自然を通して、家族のつながりと距離を保つことができます。両棟の各スペースが路地越しに多層化して見え、敷地環境を回遊する空間になっています。

関東ロームの性質を活かした快適な暮らし
関東ロームは、これまで開発したシラスと違い粘土質のため、熱容量が多く蓄熱性が高い土です。また、複数の粒子が内部に空洞をもった団粒構造のため断熱性、吸放湿性、保水性、排水性が高いという多くの特性を合わせ持っています。

テラスの南面とコモンテラスの北面には、関東ローム土を珪砂とセメントに配合し加圧成型した「関東ロームブロック」を江戸簾のように吊り式のスクリーンを設け、適度なプライバシーを確保し、日射の抑制を図っています。同じ製造方法による関東ローム平板ブロック敷きとした路地床と関東ローム配合左官仕上げの壁で囲まれた立体路地は風洞でもあり、このスクリーンから取り入れた光・熱・風を夏は冷却、冬は蓄熱して室内に取り込み、温熱調和の機能を果たします。

関東ロームという東京の未利用資源が、自然を顕在化させ、家族の関係をつなぐ新たな媒体になっていくことを期待しています。

今後の展開について
現在、関東ロームブロックによる室内外の温熱環境の温度・湿度の測定を行っており、データ取得した数値を分析して、その効果を検証します。そして、本住宅での実証実験の成果を踏まえて、関東ロームを利活用したブロック、タイル、レンガ、左官の製造開発をさらに進め、建設発生土の循環利用拡大を目指していきます。また、本取り組みによる資源循環利用のしくみや温室効果ガス削減効果の可視化にも取り組んでいく予定です。

■建築概要

建物名称:LOAM
建築主:個人
所在地:東京都世田谷区祖師谷
主要用途:専用住宅(二世帯住宅)
家族構成:祖母+息子夫婦+孫2人
設計監理:ASEI建築設計事務所
構造設計:yAt構造設計事務所
階数:地上2階
軒高:5.68m
最高の高さ:5.80m
敷地面積:239.92m2
建築面積:141.34m2(建蔽率58.91% 許容70%)
延床面積:193.88m2(容積率80.81% 許容150%)
1階:79.26m2 
2階:114.62m2
設計期間:2020年2月~2020年10月
工事期間:2021年11月~2022年8月
竣工:2022年9月
写真:田中克昌

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外構・床カーポート床、中庭・テラス床

関東ローム黒土ブロック平板敷き

外構・床コモンテラス床

関東ローム赤土ブロック平板敷き

外装・壁外壁

ジョリパットの上、関東ローム赤土刷り込み仕上げ

外装・屋根屋根

塩化ビニル樹脂シート防水(田島ルーフィング)

外装・建具開口部

アルミサッシ

内装・床2階親子棟リビングダイニング・キッチン床

関東ローム赤土ブロックタイル敷き

内装・壁2階親子棟リビングダイニング・キッチン壁

壁紙張り、一部関東ローム赤土土壁

内装・天井2階親子棟リビングダイニング・キッチン天井

構造用合板現し

内装・床2階祖母棟リビングダイニング・キッチン床

積層オークフローリング コボット

内装・壁2階祖母棟リビングダイニング・キッチン壁

壁紙張り、一部関東ローム赤土土壁

内装・天井2階祖母棟リビングダイニング・キッチン天井

構造用合板現し

内装・床マスターベッドルーム、寝室1、寝室2、寝室3床

積層オークフローリング コボット

内装・壁マスターベッドルーム、寝室1、寝室2、寝室3壁

壁紙張り、一部関東ローム赤土土壁

内装・天井マスターベッドルーム、寝室1、寝室2、寝室3天井

構造用合板現し、一部リボス カルテッド白

内装・床親子棟1階エントランスホール床

関東ローム黒土ブロックタイル敷き

内装・壁親子棟1階エントランスホール壁

壁紙張り、一部関東ローム赤土土壁

内装・天井親子棟1階エントランスホール天井

シナ合板張り

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    栗生明+北川・上田総合計画と小石川建築 / 小石川土木による、静岡・袋井市の「静岡理工科大学土木工学科棟・ 土木工学実験棟 」。建築学科棟の隣に計画された土木学科の校舎。“土木と建築の融合”を目指し、隣接建物との“対比と一体性を同時に表現する形態”を志向。“面”と“ヴォリューム”の構成で“量感ある”建築を作る土木工学科棟、3階、ラウンジ photo©新建築社

    栗生明+北川・上田総合計画と小石川建築 / 小石川土木が設計した、静岡・袋井市の「静岡理工科大学土木工学科棟・ 土木工学実験棟 」です。
    建築学科棟の隣に計画された土木学科の校舎です。建築家は、“土木と建築の融合”を目指し、隣接建物との“対比と一体性を同時に表現する形態”を志向しました。そして、“面”と“ヴォリューム”の構成で“量感ある”建築を作る事が意図されました。施設の公式サイトはこちら。

    土木工学科棟は県内で初めて創設される土木分野専門の学科の校舎として計画されました。
    キャンパスモールを主軸とした全体計画との調和や、隣接する建築学科棟との接続による建築・土木分野の融合、土木工学の各分野の横断的な交流が求められました。

    建築家によるテキストより

    「土木と建築の融合」を目指し、建築学科棟と隣り合う土木工学科棟は、両者の対比と一体性を同時に表現する形態を構想しました。
    3つのRCコアが2.7mグリッドのワッフルスラブを支える構成とし土木的スケールを表現しています。樹状の柱やルーバーなど繊細な〈線〉の集積で丁寧に表現された建築学科棟に対して、土木工学科棟は〈面〉や〈ボリューム〉で構成し、シンボリックで量感ある意匠を目指しました。

    建築家によるテキストより

    土木的スケールの建築のもとに広がる大らかな居場所が、充実した学生生活・研究活動の支えとなることを願っています。

    建築家によるテキストより
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    2023.04.20 Thu 13:27
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    2023.4.19Wed
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    2023.4.21Fri
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