橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 鳥瞰 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 「森の階段」から建物を見る。 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 外観、アーチが連続する。 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、遊戯室 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHA が設計した、千葉・成田市の「玉造幼稚園」です。
深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画されました。建築家は、森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向しました。そして、回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案しました。
園の移転先に選ばれた土地はかつて縄文人が暮らし古墳時代の周溝が残る太古からの一等地。
畏れを感じるほどの黒く深い森に、時折差し込むささやかな光が印象的な場所であった。
「主役は森。建築は脇役に」
森を遊びの場に引き立てる脇役には、いつでもどこからも森に走り出せる形式と、この場は絶対的に守られている、という安心感が必要だと考えた。RCの連続アーチの回廊で周囲を囲い、中央に明るい屋内広場を配置した計画の骨格“開かれつつ閉じている形式”はこうして決まっていった。
周辺環境の微地形をそのまま回廊内まで引き込むことで、建築際に大小の起伏を生みだし、回廊の内外性をより曖昧にした。
森であり、教室であり、遊具でもある回廊は子どもの運動能力の発達を助ける遊び場となり、春には起伏につまずいていた新入生も夏には空を見ながら走り抜けるようになっていく。
開園後しばらくして園の先生から、ここには昔の園にあった大きな遊具はないが、子どもたちは森の中で友達と関わり合う新しい遊びを始めている。これまでは遊具を向いて個人が各々に遊んでいたが、遊びの内容が変化してきた。と仰っていたのが印象深い。
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橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 鳥瞰 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 エントランス photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 エントランス photo©KFA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 「森の階段」 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 「森の階段」 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 「森の階段」から建物を見る。 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 アーチを見上げる。 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 アーチ部分の開口の詳細 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 外観、アーチが連続する。 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 屋外回廊 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 屋外回廊 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 屋外回廊 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 竹林 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、3歳児室-2から小広場を見る。 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、遊戯室 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、遊戯室から天井を見上げる。 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階と2階を繋ぐ階段 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、廊下 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、4歳児室-1 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、5歳児室-2 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、内部より屋外廊下を見る。 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、内部より屋外廊下を見る。 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階、手摺と床スラブの詳細 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、遊戯室から天井を見る。 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、サイン photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階、プール photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 園庭 photo©KFA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 園庭 photo©KFA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 園庭 photo©小川真輝
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 園庭 photo©KFA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 配置図 image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 1階平面図 image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 2階平面図 image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 立面図 image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 断面図 image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 イメージパース image©NHA
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 施工中写真 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 施工中写真 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案 施工中写真 photo©西川公朗
以下、建築家によるテキストです。
園の移転先に選ばれた土地はかつて縄文人が暮らし古墳時代の周溝が残る太古からの一等地。
畏れを感じるほどの黒く深い森に、時折差し込むささやかな光が印象的な場所であった。
「主役は森。建築は脇役に」
森を遊びの場に引き立てる脇役には、いつでもどこからも森に走り出せる形式と、この場は絶対的に守られている、という安心感が必要だと考えた。RCの連続アーチの回廊で周囲を囲い、中央に明るい屋内広場を配置した計画の骨格“開かれつつ閉じている形式”はこうして決まっていった。
周辺環境の微地形をそのまま回廊内まで引き込むことで、建築際に大小の起伏を生みだし、回廊の内外性をより曖昧にした。
森であり、教室であり、遊具でもある回廊は子どもの運動能力の発達を助ける遊び場となり、春には起伏につまずいていた新入生も夏には空を見ながら走り抜けるようになっていく。
開園後しばらくして園の先生から、ここには昔の園にあった大きな遊具はないが、子どもたちは森の中で友達と関わり合う新しい遊びを始めている。これまでは遊具を向いて個人が各々に遊んでいたが、遊びの内容が変化してきた。と仰っていたのが印象深い。
建築計画について
縄文遺跡と古墳に囲まれ、埋蔵文化財の試掘範囲を限定的にする意図もあり、できる限りコンパクトな平面計画とした。2階建で、周囲をRCの堅牢な回廊で囲い地震力を処理し、内部を鉄骨造に切り替えることで重量を抑えつつ開放的な平面を実現した。
中央に配置した2層吹抜けの屋内広場(遊戯室)から直接保育室にアクセスする部屋割としたことで廊下が省略され、分断されがちな各教室に大きなワンルームのような一体感が生まれるよう配慮した。
天井の高い遊戯室には開閉式の天窓を複数配置することで、北面していても自然採光で明るい空間を実現した。また夏季には重力式換気の作用により1階各室から遊戯室を通って開放された天窓への気流が生まれ、冷房をほとんど使わずとも快適に過ごせる環境負荷の少ない計画とした。
■建築概要
題名:玉造幼稚園
所在地:千葉県成田市
主用途:幼保連携型認定こども園
設計監理:NHA | Naoki Hashimoto Architects
建築:NHA 担当/橋本尚樹、桑原秀彰、増崎陽介、布村恵利子、鈴木将典
外構:上條・福島都市設計事務所 担当/上條慎司
構造:MOF 担当/松田真也
設備:明野設備研究所 担当/高栖巧、中根武弘
照明:飯塚千恵里照明設計事務所 担当/飯塚千恵里
サイン計画:JAKUETS+日本デザインセンター三澤研究室 担当/三澤遥、鈴木正樹、竹下早紀、長瀬香子、曽根良恵
保育監修:JAKUETS 担当/佐伯祐樹、釘宮秀多
施工:北野建設東京本社 担当/北原敏希、寺脇ひかり、柳澤敬大
施工:鎚絵 担当/大野浩介
構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
敷地面積:9436.79㎡
建築面積:1372.04㎡
延床面積:1863.41㎡
設計:2019年5月~2020年8月
工事:2020年9月~2022年1月
竣工:2022年1月
写真:西川公朗、小川真輝、KFA