SHARE 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京の店舗「カリモク60 自由ヶ丘店」。施主企業の初期開発の家具シリーズ全型を扱う店。展示機能に加え“人を引寄せ購入に繋げる”存在を目指し、“企画やイベント”も行える空間を志向。可動する什器で“要望に合わせて配置が変えられる”仕組みを実装
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京の店舗「カリモク60 自由ヶ丘店」です。
施主企業の初期開発の家具シリーズ全型を扱う店の計画です。建築家は、展示機能に加え“人を引寄せ購入に繋げる”存在を目指し、“企画やイベント”も行える空間を志向しました。そして、可動する什器で“要望に合わせて配置が変えられる”仕組みを実装しました。店舗の公式ページはこちら。
カリモク60は1962年、初めての自社製品として開発された、カリモクの椅子の第一号です。
当時、木製パーツだけで製造していた輸出向け家具の中から、最もシンプルなものを選び、日本の住宅向けに改良がほどこされ生まれたLONG LIFEな商品だ。1シーター、2シーター、それから木の仕上げ、ファブリックも様々あり、多様なバリエーションを楽しめる。
同時に生み出されたテーブルや収納などもあって、本店では、段積みさせることで全54点ある商品を全て見られる収納能力がある。それはすでに購入を検討している消費者にとってはとてもありがたいが、ある意味それはショールームと同じで、本来お店は購入を検討していない人をウィンドー越しに引き寄せ、購入に繋げるところでなければならない。
そこで、大量な商品を置きながらも、シーズンに応じて、企画やイベントをたてそれも取り込めるようにするためにも、什器が可動し、各々ニーズに合わせお店のレイアウトを変えられる仕組みが必要と考え可動スチールラックを使ったお店をつくった。
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以下、建築家によるテキストです。
カリモク60は1962年、初めての自社製品として開発された、カリモクの椅子の第一号です。
当時、木製パーツだけで製造していた輸出向け家具の中から、最もシンプルなものを選び、日本の住宅向けに改良がほどこされ生まれたLONG LIFEな商品だ。1シーター、2シーター、それから木の仕上げ、ファブリックも様々あり、多様なバリエーションを楽しめる。
同時に生み出されたテーブルや収納などもあって、本店では、段積みさせることで全54点ある商品を全て見られる収納能力がある。それはすでに購入を検討している消費者にとってはとてもありがたいが、ある意味それはショールームと同じで、本来お店は購入を検討していない人をウィンドー越しに引き寄せ、購入に繋げるところでなければならない。
そこで、大量な商品を置きながらも、シーズンに応じて、企画やイベントをたてそれも取り込めるようにするためにも、什器が可動し、各々ニーズに合わせお店のレイアウトを変えられる仕組みが必要と考え可動スチールラックを使ったお店をつくった。
■建築概要
題名:カリモク60 自由ヶ丘店
所在地:東京都目黒区自由が丘2-15-4 JIYUGAOKA de aone 2F
主用途:物販
設計:長坂常 / スキーマ建築計画
担当:石橋知美
施工:株式会社TANK
構造:鉄骨造
階数:地上2階
床面積:264㎡
竣工:2023年9月
OPEN:2023年10月
写真:長谷川健太
Karimoku developed Karimoku 60 in 1962 as the company’s first in-house product. It is a long-selling product created by selecting the simplest pieces of furniture for export, which were manufactured using only wooden parts at the time and modifying them for Japanese homes. It is available in one-seater and two-seater, with various wood finishes and fabric upholstery.
The company also developed tables and shelves in this line at the same time. Karimoku’s main store has a storage capacity that allows customers to see all 54 products displayed in multiple stacks. While this may be convenient for those who already know what they want, it is more like a showroom in a sense. Essentially, a store should be a place where people who are not yet interested in buying are lured in through the window to make a purchase.
Therefore, we decided to create a store that could facilitate organizing events and other plans for each season while accommodating a large volume of products. For this purpose, we designed the store with movable steel racks to provide a system in which movable fixtures facilitate changing the store layout to meet different needs.
Karimoku60 Jiyugaoka
address: JIYUGAOKA de aone 2F, 2-15-4, Jiyugaoka, Meguro-ku, Tokyo
usage: shop
Architects: Jo Nagasaka / Schemata Architects
project team: Tomomi Ishibashi
construction: TANK
Total floor area: 264m²
completion: September 2023
open: October 2023
photo: Kenta Hasegawa