勝野大樹 / 勝野建築事務所が設計した、長野・上伊那郡の「ハウスKA」です。
かつての典型的な間取りの住居を改修する計画です。建築家は、日照の良い場に“お座敷”が位置する既存に対し、平面構成の基準を“接客”から“家族”へと変更する設計を志向しました。そして、元座敷を欄間等を再活用した“開放的雰囲気”のLDKに転用しました。
祖父の世代が建てた住宅を、孫の世代が将来にわたり住み継いでいけるようにするため、大規模なリノベーション工事を行いました。
既存の住宅の間取りは、南向きの日当たりのいちばんいい場所に「接客」のための三間続きのお座敷が配置されている一方で、北側の薄暗く寒い場所に「家族」が日常的に使用する居間や台所が配置されている、ひと昔前によくみられた間取りのものでした。
設計においては、お座敷をLDKへと変更することで、明るく暖かい場所で「家族」の日常が営まれるようにし、かつての「接客」を基準にした間取りから、「家族」の生活を基準にした間取りへと変更を行いました。
またその際には、和室の特徴でもある「空間の連続性と視覚的な広がりによる伸びやかな開放的雰囲気」が残るよう、LDKは既存の障子や襖を取り払った一室空間としながらも、既存の欄間などを積極的に再利用することで、連なりながらも緩やかに区切られている、どことなく和室のしつらえを感じられるような空間を目指しました。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
祖父の世代が建てた住宅を、孫の世代が将来にわたり住み継いでいけるようにするため、大規模なリノベーション工事を行いました。
既存の住宅の間取りは、南向きの日当たりのいちばんいい場所に「接客」のための三間続きのお座敷が配置されている一方で、北側の薄暗く寒い場所に「家族」が日常的に使用する居間や台所が配置されている、ひと昔前によくみられた間取りのものでした。
設計においては、お座敷をLDKへと変更することで、明るく暖かい場所で「家族」の日常が営まれるようにし、かつての「接客」を基準にした間取りから、「家族」の生活を基準にした間取りへと変更を行いました。
またその際には、和室の特徴でもある「空間の連続性と視覚的な広がりによる伸びやかな開放的雰囲気」が残るよう、LDKは既存の障子や襖を取り払った一室空間としながらも、既存の欄間などを積極的に再利用することで、連なりながらも緩やかに区切られている、どことなく和室のしつらえを感じられるような空間を目指しました。
その他、断熱改修はもちろんのこと、耐震改修も行い、真壁の既存外壁についても耐久性を高めるための被覆を行いました。
住宅としての機能性を更新しながらも、和室のエッセンスを手がかりに、ひろいLDKのなかにいくつかの小さな場所性を持った明るい住まいを提案しました。
■建築概要
題名:ハウスKA
所在地:長野県上伊那郡
主用途:専用住宅
工事種別:改修
設計:勝野大樹 / 勝野建築事務所
構造設計:長谷川理男 / oha
施工:宮下建設株式会社
構造:木造軸組工法
階数:地上2階
敷地面積:1,281.32㎡
建築面積:191.35㎡
延床面積:236.07㎡
改修面積:146.39㎡
設計:2022年5月~2023年4月
工事:2023年6月~2023年12月
竣工:2023年12月
写真:勝野建築事務所