SHARE 内藤廣建築設計事務所が内装設計を手掛けた、東京・銀座の店舗「TORAYA GINZA」がオープン。吹抜テラスを特徴とし、壁は瓦タイルを用いて空間の音にもこだわる
内藤廣建築設計事務所が内装設計を手掛けた、東京・銀座の店舗「TORAYA GINZA」がオープンしています。
旧「とらや 銀座店」の店舗は1947年より店舗を構えてきた。複合ビルへの建て替えに伴い、ビルの4階に新店舗として、この「TORAYA GINZA」をリニューアルオープンした。内装を手掛けているのは、これまでも日本各地のとらやの店舗を手掛けてきた内藤廣である。
今回の店舗では、吹抜のテラス席が空間のポイントとなっている。またテラス席に加えて、職人が目の前で和菓子をつくり提供するカウンター席もある。そのほがソファー席、奥座敷のような個室など様々なタイプの客席も用意されている。壁には鈍く輝く瓦タイルが使用され、空間の音にもこだわっているとのこと。
明治以降、多くの「日本初」が生まれ、やがて流行の発信源となった街「銀座」。
情報の発信地である一方で、老舗店舗や歴史的な建築が軒を連ねる、新しさと伝統が共存する街です。1947年、とらや 銀座店は生まれました。
そして2024年、国内外を問わず、年齢層もさまざまな人が行き交う銀座で、
とらやの菓子の新たな一面を体験できる店としてリニューアルオープンいたします。
以下に、その他の写真と空間の解説テキストを掲載します。
入口(エレベーターホール)
以下の写真はクリックで拡大します
4階エレベーターホールは、左官職人・久住章氏による左官壁です。TORAYA Ginza Buildingの1階エントランスと同じつくりです。新しい技法を用いた斑模様の壁は、光の当たり方によって際立つ、波打つような独特の質感が特徴の仕上げです。華やかな空間で、お客様をお迎えいたします。
店内 ※バリアフリー設計
以下の写真はクリックで拡大します
店内内装設計は、建築家・内藤廣氏によるもの。
フロアからテラスにかけての空間のテーマは、「素材の確かさと豊かな静寂」です。
中央エリアには、鏡面仕上げ(ピアノ塗装)の壁を採用し、高級感がありながらも落ち着いた空間を目指しました。
「ゆったりとお過ごしいただきたい」という思いから、床や天井にも吸音素材を使用し、空間全体で店内の音を吸音するつくりになっています。その思いは、高さ・サイズにもこだわったテーブルやイスのご用意にも反映されています。
テラス席
以下の写真はクリックで拡大します
テラス席は、銀座にいながら「自然」を感じていただける仕掛けをご用意いたしました。
銀座中央通り側には水盤を配置し、日が当たると水面に反射した光がキラキラと映ります。日が落ちる頃からは中央通りを隔てた反対側のビルネオンの光が輝き、明るい時間帯とはまた異なる趣を楽しむことができます。
植栽はそら植物園様の選定によるもので、短めの青緑色の葉が魅力である針葉樹の「羅漢槇(らかんまき)」です。
壁には、「瓦タイル」と呼ばれる特殊なタイルを使用しました。吹き抜け状の大きな開口部から外光が入るとタイルが鈍く光り、光の当たり具合によって、表情が変わります。タイル1つ1つの仕上がりが異なることを生かし、あえて目地が不揃いになるように配置したことで、より個性ある壁になっています。
テラス席のタイル壁は、一部店内フロアにも続いており、屋外と屋内を自然につなぐ効果をもたらしています。
以下の写真はクリックで拡大します
■店舗情報
TORAYA GINZA(トラヤ ギンザ)
住所:東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル4階
(TORAYA Ginza Buildingは、複合ビルとして建て替え、開業いたします)
営業時間:11:00~19:00(ラストオーダー18:30)/定休日 :元日、毎月第2月曜日(祝日の場合は第3月曜日)
席数:42 席(室内 30 席 テラス席 12 席)
アクセス:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線 銀座駅 A2 出口より徒歩 5 分