SHARE 楮谷慎吾 / SHiiKA建築設計事務所による、東京の住戸改修「三鷹の住戸」。“普遍的な3DK”を改修する計画。躯体と既存平面の“素直な関係性”に着目し、元の性質を引き継ぎつつ“再構築する”設計を志向。公私の程度も考慮して各用途の空間が段階的な“奥性”を持ち繋がる構成とする
楮谷慎吾 / SHiiKA建築設計事務所が設計した、東京・三鷹市の住戸改修「三鷹の住戸」です。
“普遍的な3DK”を改修する計画です。建築家は、躯体と既存平面の“素直な関係性”に着目し、元の性質を引き継ぎつつ“再構築する”設計を志向しました。また、公私の程度も考慮して各用途の空間が段階的な“奥性”を持ち繋がる構成としました。
東京都三鷹市の築古マンション住戸の、夫婦2人のための改修計画である。
元々の従来然とした間取りを見直しながら、暮らしに合わせた奥性を持つ緩やかなワンルームへと更新した。
元々の間取りは、廊下とバルコニー側の3室にダイニングが挟まれた、極めて普遍的な3DKだった。土台となるマンション躯体は、その間取りを成立させる最小限の間口で構成されている。躯体と間取りが素直な関係性にあるその状態を端から否定せずに、空間の繋がりを整理しながら少しずつ解きほぐすように思考し、元々の普遍性を引き継ぎつつ再構築することを試みている。
3DKの諸室の割り付けに対して、各々の空間がグラデーショナルな奥性を持って繋がるようにL字型の壁とキッチンを再配置している。その際、頻繁な在宅ワークなどを視野にダイニングを活動の場として位置づけ、キッチンを挟んでリビングと距離を持たせることを選択した。そうして、ダイニングを軸に緩やかに繋がる空間が、住まい手の活動や公私の度合いに合わせた居場所を与えてくれることを期待した。
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以下、建築家によるテキストです。
東京都三鷹市の築古マンション住戸の、夫婦2人のための改修計画である。
元々の従来然とした間取りを見直しながら、暮らしに合わせた奥性を持つ緩やかなワンルームへと更新した。
元々の間取りは、廊下とバルコニー側の3室にダイニングが挟まれた、極めて普遍的な3DKだった。土台となるマンション躯体は、その間取りを成立させる最小限の間口で構成されている。躯体と間取りが素直な関係性にあるその状態を端から否定せずに、空間の繋がりを整理しながら少しずつ解きほぐすように思考し、元々の普遍性を引き継ぎつつ再構築することを試みている。
3DKの諸室の割り付けに対して、各々の空間がグラデーショナルな奥性を持って繋がるようにL字型の壁とキッチンを再配置している。その際、頻繁な在宅ワークなどを視野にダイニングを活動の場として位置づけ、キッチンを挟んでリビングと距離を持たせることを選択した。そうして、ダイニングを軸に緩やかに繋がる空間が、住まい手の活動や公私の度合いに合わせた居場所を与えてくれることを期待した。
各部の仕上げや什器は、そこに置かれる家具や雑多なものたちと等価に混ざり合うように、敢えて分節的な設えを心掛けている。そのディテールは、空間に込めた分解と構築の思考の反映でもある。
■建築概要
題名:三鷹の住戸
所在地:東京都三鷹市
主用途:住宅
設計:SHiiKA建築設計事務所 担当/楮谷慎吾
施工:株式会社セットアップ
構造:鉄筋コンクリート造
専有面積:54.68㎡
設計:2021年4月~2021年8月
工事:2021年9月~2021年11月
竣工:2021年11月
写真:楮谷慎吾
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | ダイニングキッチン・書斎 床 | フレキシブルボード貼 |
内装・床 | リビング・寝室 床 | 特注フローリング[オークヘリンボーン](TIMBER CREW) |
内装・床 | 洗面室・WC 床 | |
内装・壁 | ダイニングキッチン・書斎 壁 | ラワン突板合板貼 |
内装・壁 | リビング 壁 | 漆喰左官[白洲漆喰プロジェクション壁](高千穂シラス) |
内装・壁 | キッチン・洗面室・WC 壁 | |
内装・壁 | 寝室 壁 | ラワン突板有孔合板貼 |
内装・壁 | 各室 壁 | モルタル金鏝仕上げ |
内装・天井 | ダイニングキッチン・書斎 天井 | ラワン突板合板貼 |
内装・天井 | 洗面室・WC 天井 | モルタル金鏝仕上げ |
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