SHARE 展覧会レポート”建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳”(3)
展覧会レポート”建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳“(3)です。
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■青木淳のスタディ模型
青木のスタディ模型は抽象的とも具象的ともとることができる。
一見するとオブジェのような彫刻のような形態という印象を受けるのだが、じっくり眺めているとパラペットの立ち上がりが表現されていたりするなど、常に現実を見据えたスタディが行われていることがわかる。
模型には時系列を示すナンバリングが施されており、思考過程を追ってみていくことができる。しかし全てを通してみると、プロジェクトが直線的に発展していくのではなく様々な可能性を探り行ったり来たりしながら答えを探している様子が感じられる。
また、クライアントからの要望がアイデアの出発点におかれる場合もあり、青木が要望から導き出されるデザインの可能性を探求する様子が見て取れる。展覧会の図録には模型が制作される前の青木のノートが収録されておりアイデアの発想を見るという意味ではこちらも合わせてみていくと青木の姿勢を理解しやすいだろう。
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