SHARE 首都大学東京+青木茂建築工房による”Bamboo House Project”
首都大学東京+青木茂建築工房による”Bamboo House Project”です。
“Bamboo House Project”は新しい被災地住宅の提案として試作品が学内に造られました。この住宅は、現地の竹で作ることが想定され、そのメリットとして、”輸送コスト ゼロ”、”被災地で雇用を生み出す”、”早い生産性”、”仮説から恒久へ変更可能”、”セルフメンテナンス”、”ゴミを出さない”、などがあると言う。
試作品は、青木茂建築工房と首都大学東京とその有志の学生団体「e」により学内に造られた。試作した住宅のサイズは縦6m、高さ2.5m、高さ2.5m。使用された竹は川崎市の山中から切り出したモウソウ竹約120本が使われている。(*朝日新聞2008.8.20の記事より。)
竹の構造体に、ビニールシートやテント生地をかけることで雨風をしのぐことができ、コンクリートで壁を作れば恒久的に使用できる住宅になるとの事。
以下、プロジェクトのコンセプト文です。
輸送コスト ゼロ
この被災地住宅の、最も大きな利点は輸送コストがかからないことである。すべての材料を現地調達できることで、テントの骨組などを輸送しなくても済む。都市とは異なり、一部の農村地域ではプレハブの仮設住宅の輸送が困難なこともあり、仮設住宅の供給が遅れることがある。そのような農村地域においては特に有効な住宅である。
早い生産性
竹で作ることの利点は、生産性が良いことである。木に比べても、圧倒的に成長が速いため、たくさんの被災地住宅のために、大量に竹を伐採しても、竹林は数年で元に戻る。
膨大な輸送のためのコストを削減して生まれた予算は、現地の被災者を雇用し、竹を建てるために使う。これによって、一時的に仕事を失っている人へ、仕事を与えることになる。
現地で雇用を生み出す
仮設から恒久へ変更可能
竹は、それだけでは恒久的な建築物としての強度はないが、震災によって大量に出たガラなどを柱の間に詰め、コンクリートで打つことで、強度を増すことができる。隣に恒久住宅をたてて、仮設を解体するのではなく、徐々に恒久に作り替えることが可能である。
セルフメンテナンス
全てセルフビルドであるということは、全てセルフメンテナンスできるということである。自分で手入れできれば、日本の建売住宅のように「使いっぱなし」ではないので、耐用年数も延びる。
ゴミを出さない
全て、現地のものでできているということは、万が一この建物を壊しても、そのまま現地の土に戻るということである。通常の仮設住宅では、大量のごみが発生し、何らかの処分が必要になるが、この住宅ではその問題は起こらない。
なお、この”Bamboo House Project”は横浜防災フェア2008で展示されました。
□第32回ラジオ日本防災キャンペーン『横浜防災フェア2008』
8月23日(土)午前11:00~午後6:00
24日(日)午前11:00~午後5:00
横浜赤レンガ倉庫イベント広場
入場無料
□リンク
首都大学東京 都市環境学部 建築都市コース
http://www.ues.tmu.ac.jp/aus/
青木茂建築工房
http://www.aokou.jp/
e
http://smalle.ifdef.jp