関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、南側より見る。 photo©繁田諭
関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニングから広間側を見る。 photo©繁田諭
関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニング側から南の内土間を見る。 photo©繁田諭
関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、北側より見る、夜景 photo©繁田諭
関本竜太 / リオタデザインが設計した、埼玉・川越市の「越屋根の家」です。
地域から失われつつある農家住宅の建替え計画です。建築家は、新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案しました。また、縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場としています。
川越で観光農園を営む農家さんの母屋建替え計画です。
既存の母屋は築50年ほどでしたが、随所に良質な建具が使われ、瓦の乗った入母屋屋根の典型的な農家のつくりでした。
周辺は市街化が進み、このような武蔵野の農家の佇まいが連なる景観は急速に失われようとしていました。
そこで建て替わる新しい母屋は、周辺環境に馴染む低いプロポーションに抑えた越屋根を持つ家とし、畑をそよぐ風を利用した通風や採光などを採り入れると共に、新しくも昔からそこに建っていたかのような佇まいとなるよう心がけました。
南側には広い縁側を設け、農作業後の休憩や近所の方たちとの交流の場となるよう、室内とも連続した開かれた作りとしています。室内には上足で上がる現代的な土間空間を設けることで、幾重にもレイヤードされたバッファー空間となるようにしています。このことにより、室内と屋外とはまもられながらも一体につながったような空間となりました。
泥だらけで帰宅しても気兼ねなく入れるように裏動線を設け、帰宅後は着替えから入浴、洗濯までを最短の動線で済ませられるようにしています。バスガーデンのある浴室は、家族の一日の疲れを癒やしてくれます。
計画は、多様な価値を大らかに受け容れて下さるご家族の懐に抱かれるように進みました。随所に様々な居場所をつくりこんでいますが、家族やそこに訪れるゲストたちが、常に一体感を感じることのできる大地の家です。
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関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、南側より見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、南側より見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、玄関から廊下を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニングから南の内土間を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、左:南の内土間、手前:ダイニング、奥:広間 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニング側から南の内土間を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニングから広間側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、広間から南の内土間側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、広間からダイニングとキッチン側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、左:北の内土間、中央手前:広間、中央奥:ダイニング、右:南の内土間 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、広間から北の内土間を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする中庭より祠側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする中庭よりガーデンテーブルと祠を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、廊下から主寝室側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、和室 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、「おばあちゃんの部屋」 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする2階、ライブラリから西の個室を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする2階、西の個室 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、手洗場から通用口側を見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、左:浴室、右:洗面所 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、浴室から開口部越しにバスガーデンを見る。 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、ダイニングから広間側を見る、夜景 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階、広間からダイニング側を見る、夜景 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、北側より見る、夜景 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、南側より見る、夜景 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする外観、南側より見る、夜景 photo©繁田諭

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする1階平面図 image©リオタデザイン

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする2階平面図 image©リオタデザイン

関本竜太 / リオタデザインによる、埼玉・川越市の「越屋根の家」。地域から失われつつある農家住宅の建替え計画。新しくも“昔から建っていた”佇まいを目指し、“低いプロポーション”と“越屋根”を特徴とする建築を考案。縁側と土間で内外を繋げて休憩や交流の場とする断面図 image©リオタデザイン
以下、建築家によるテキストです。
川越で観光農園を営む農家さんの母屋建替え計画です。
既存の母屋は築50年ほどでしたが、随所に良質な建具が使われ、瓦の乗った入母屋屋根の典型的な農家のつくりでした。
周辺は市街化が進み、このような武蔵野の農家の佇まいが連なる景観は急速に失われようとしていました。
そこで建て替わる新しい母屋は、周辺環境に馴染む低いプロポーションに抑えた越屋根を持つ家とし、畑をそよぐ風を利用した通風や採光などを採り入れると共に、新しくも昔からそこに建っていたかのような佇まいとなるよう心がけました。
南側には広い縁側を設け、農作業後の休憩や近所の方たちとの交流の場となるよう、室内とも連続した開かれた作りとしています。室内には上足で上がる現代的な土間空間を設けることで、幾重にもレイヤードされたバッファー空間となるようにしています。このことにより、室内と屋外とはまもられながらも一体につながったような空間となりました。
泥だらけで帰宅しても気兼ねなく入れるように裏動線を設け、帰宅後は着替えから入浴、洗濯までを最短の動線で済ませられるようにしています。バスガーデンのある浴室は、家族の一日の疲れを癒やしてくれます。
計画は、多様な価値を大らかに受け容れて下さるご家族の懐に抱かれるように進みました。随所に様々な居場所をつくりこんでいますが、家族やそこに訪れるゲストたちが、常に一体感を感じることのできる大地の家です。
■建築概要
所在地:埼玉県川越市
用途:専用住宅
設計:リオタデザイン 担当/関本竜太、岩田舞子、今村文悟、吉岡紗奈
施工:堀尾建設
構造設計:野村基建築構造設計 担当/野村基
植栽:小林賢二アトリエ 担当/小林賢二
温熱性能:外皮平均熱貫流率 UA=0.39 W/㎡K。断熱等性能等級6(6地域・川越市)
耐震性能:耐震等級2
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造:木造在来工法 地上2階建て
敷地面積:1664.74㎡(503.58坪)
建築面積:202.14㎡(61.14坪)
法延床面積:222.20㎡(67.21坪)
設計期間:2021年5月~2022年8月
工事期間:2022年12月~2023年11月
写真:繁田諭