SHARE 松原慈の展覧会”PUBLISHED”が開催中[-2009/8/9]
松原慈の展覧会”PUBLISHED”が吉祥寺のArt Center Ongoingで開催されています。開催期間は2009年8月9日まで。2009年8月9日(日)3PM ~には作家によるレクチャーも行われるそう。
以下、展覧会の概要と作家によるテキストです。
松原慈は1977年生まれの女性アーティストです。東京大学大学院学際情報学府、そしてロンドン・バーレット建築学校の両校にて修士号を取得。在学中より国内にとどまらず、世界各地の展覧会への参加や展覧会場の空間構成およびアートディレクションを手掛けてきました。複合領域的な活動を多彩な分野で実践する「assistant」の創設メンバーでもあります。
松原の作品世界は、存在/不在、反射、バランス、透明/不透明、動き、視界、あるいはコンセプトや思考、そのようなたくさんのキーワードが浮かび上がる空間として呈示されます。そこからは、「建築」という土台・手法の上に、美学、社会学、音楽など様々な領域の思考方法が多層的に織りなされ構築されている様相を見てとることができます。
「カテゴリーや職業という概念を、幼い頃から理解できたことがない」と松原が語るように、「建築」という学問的経歴を経ながらも、複合的に呈示される作品空間は、ひとつの分野や領域といったものの「区切り」が融解しているかのようです。
ある秩序にそって呈示されるイメージ・オブジェ。幾重にも重ねられた思考の結果としての空間。そして松原が掲げる、存在するがそれがなんであるのかを認識できない「存在の不在」という概念。松原の作品には、意味を読み取るという行為自体がそもそも可能なのかどうかを、観る者に問いかけてくるかのような緊張感が漂います。この度Ongoingにて展開される松原の新たな試みを、是非多くの方に拝見していただければと思います。
小川希(Art Center Ongoing 代表)
以下は、作家本人による本展示へのコメントです。
人は自分のいる土地を匂いで知ろうと、土の中に指をつっこむ.ぼくは世界に指をつっこむけど、なんの匂いもしない.ぼくはいったいどこにいて、世界とはいったいなんなんだ?
― キェルケゴール
「そこにある私」が「そこにあるもの」を手折り、香り、運び、閉じ込め、結局のところ手放し、ふたたび別の場所へ差し出す一連の動作の完了を「PUBLISHED」とよびます.PUBLISHEDは、アートセンター・オンゴーイングで展示されたあと、ばらばらにされ、スウェーデンのアートパブリケーションMUSEUM PAPER1000部の誌面上に巡回します.
会場:
アートセンター・オンゴーイング(Art Center Ongoing)
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7 地図
営業時間:12:00 – 21:00(カフェは23:00まで)
定休日:月、火
TEL:0422 26 8454
URL:http://www.ongoing.jp
展覧会詳細、会期中イベント参加申込、連絡先:
小川希 Art Center Ongoing(代表)
ogawa@ongoing.jp
主催:Art Center Ongoing, Museum Paper, assistant.
協力:Anders Jander, PMKFA, Hiroi Ariyama, Konstantinos, Marianna, Elina, Missla, Ega, Satoshi, Asahi Beer Arts Foundation.