SHARE 白川在建築設計事務所による、岩手の「東北の集会場施設(屋根の集会場)」
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白川在建築設計事務所が設計した、岩手の「東北の集会場施設(屋根の集会場)」です。
岩手県の北部にある海側の街、野田村に集会場とテナントの複合施設をつくる計画である。2011年の東日本大震災で被害にあった敷地周辺は、海まで更地が続いている。街のシンボルである大鳥居の参道沿いに敷地が面しており、参道と反対の図書館をつなぐ道をつくりながら集会場を計画することが求められた。
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以下、建築家によるテキストです。
岩手県の北部にある海側の街、野田村に集会場とテナントの複合施設をつくる計画である。2011年の東日本大震災で被害にあった敷地周辺は、海まで更地が続いている。街のシンボルである大鳥居の参道沿いに敷地が面しており、参道と反対の図書館をつなぐ道をつくりながら集会場を計画することが求められた。
まずは参道と図書館をつなぐ道に大屋根をかけ、残った場所に集会場を配置した。これにより津波被害で遮るもののなくなった“やませ”と呼ばれる偏東風を除け、雨のかからない外部空間ができる。断面はノコギリ型に二枚の屋根をかけることにより、建物で南側を遮られた軒下にも明るい場所を提供できるようにした。雨や風を除けながら陽の当たる外部空間は集会場やテナントと連続的に使われる。野田村は緯度の割に温暖で、外部イベントの盛んな街だ。イベント好きなこの街の人たちが安定した環境を持つ外部空間を積極的に利用してくれると嬉しい。
■建築概要
所在地:岩手県九戸郡野田村
用途:集会所・商業施設
構造・階数:木造平屋建て
敷地面積:1200.02㎡
建築面積:409.90㎡
床面積:358.61㎡
建ぺい率:34.16% (許容80%)
容積率:29.88% (許容200%)
設計監理:白川在建築設計事務所
構造設計:寺戸巽海構造計画工房
設備設計:環境エンジニアリング
風洞解析:法政大学川久保研究室