SHARE トラフによる、埼玉の、二つのずれて配置された直方体ヴォリュームの上に、切妻のヴォリュームが積み重ねられた「栗橋の住宅」の写真
トラフのウェブサイトに、埼玉の、二つのずれて配置された直方体ヴォリュームの上に、切妻のヴォリュームが積み重ねられた「栗橋の住宅」の写真が掲載されています
トラフのウェブサイトに、埼玉の、二つのずれて配置された直方体ヴォリュームの上に、切妻のヴォリュームが積み重ねられた「栗橋の住宅」の写真が22枚掲載されています。
埼玉の郊外に建つ、夫婦と子ども2人のための、木造2階建ての住宅。東西に細長い敷地の南側には農地が広がり、北側には大きな銀杏や桜の木を挟んで、施主の両親の家が並ぶ。設計開始当初、施主からはアウトドアリュックのイメージ写真が与えられ、機能性と意匠性を併せ持つような家が求められた。
生活のための主室を、地面とは切り離して2階に設けるという要望を手がかりに、リビング、寝室、アトリエという3つの矩形のボリュームに分け、それらを積み上げるような構成とした。
家族全員の主な生活場所となるリビングのボリュームは、寝室棟とアトリエ棟の上に、橋のように架け渡して両者をつなぎ、周囲の樹木や農地の風景を望める見晴らしの良い場所とした。また、文字通り橋のようなトラス構造とすることで、無柱の室内と、無柱のピロティ空間をその下に実現した。3つのボリュームは、ピロティの開放感とその奥の樹木との関係や、外部からのアクセスなどから、敷地に対して角度を振りながら配置し、上下階でもずらす構成にした。ずれによって生じる2階のテラスからは周囲の開けた環境を一望できる。1階のピロティは、駐車スペースや子どもの遊び場となる開かれた場所であると同時に、裏をつくらず、両親の家との間を行き来できる通り道にもなっている。内装においては、デザイナーである施主自らが選んだ壁紙やタイル、石材などで壁面をコラージュしていった。外観においては逆に、家型という形式を際立たせるために真っ白い外装材を選択した。これは、隣の両親の家との家族関係を象徴するものでもある。この郊外住宅の典型とも言える2階建てのボリュームを解体して、余白を与えながら再構成することで、家の内側から周囲の環境に開いていくような、豊かな生活空間となることを目指した。