SHARE 間宮晨一千デザインスタジオによる、京都・京都清水寺門前の、私設美術館・店舗「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」
all photos©岡村靖子
間宮晨一千デザインスタジオが設計した、京都・京都清水寺門前の、私設美術館・店舗「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」です。
2017年10月31日に内覧会も開催されます。事前申込は不要とのこと。
場所はこちら(Google Map)。
「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」内覧会開催
当日の見学につきましては事前申込は不要です。
お気軽にお越し下さい。日時:2017年10月31日(火)、12:00〜16:00
住所:京都市東山区清水1-287(茶わん坂)
※専用駐車場はございません。公共交通機関でお越しください。
■お問合せ:info@m-s-ds.com
京都清水寺門前、茶わん坂に位置する「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」。
京都の清水寺周辺は音羽の滝に象徴されるように四神の青龍が宿る水の聖地である。
その清き水の地に清水焼が江戸時代より今日まで発展し、清水寺の門前には近藤悠三記念館が設立されている。本プロジェクトはその記念館のリニューアルである。
※以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
京都清水寺門前、茶わん坂に位置する「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」。
京都の清水寺周辺は音羽の滝に象徴されるように四神の青龍が宿る水の聖地である。
その清き水の地に清水焼が江戸時代より今日まで発展し、清水寺の門前には近藤悠三記念館が設立されている。本プロジェクトはその記念館のリニューアルである。
今回、リニューアルに際して清水焼の人間国宝 近藤悠三氏だけでなく、
同じく陶芸家である長男の近藤豊氏と次男の近藤濶氏、
アーティストとして国際的に活動している孫の近藤高弘氏という
4人の作品を展示するKONDO MUSEUM として新たな時を刻むこととなった。
この空間は4つの領域で構成している。
①これまで広く公開されていなかった悠三氏の最大級の作品である梅染付大皿を茶わん坂の通りから誰でも見ることができるエントランススペース。
②悠三氏の「近藤染付」と呼ばれる生命感に溢れる染付から始まり豊氏、濶氏、高弘氏に受け継がれ新たに展開されていく近藤家の4人の作品展示。
③1924年、悠三氏がこの地に陶工房を構えた当時の作業場と資料の保存。また悠三氏が日本酒を好み製作に勤しんだ‘ぐい呑酒器’の展示。
④新たなコンテンツとして作品を鑑賞するだけでなく「柳水(りゅうすい)」という場を設け、清き水にちなんだ利き酒を楽しみ、鑑賞と体感の両方から清水の歴史を感じとることができるスペース。
また空間は黒をベースに照度を落としながら竹、石、和紙、塗りなど和の素材感引き立たせ、単純な展示空間としてではなく、文脈の中で作品を楽しんでもらえることを意識している。
そして近藤高弘氏の技法である銀滴彩をあしらった横幅7mものレリーフを空間のメインに据えた。暗がりの中でこの銀の滴りが浮かびあがることで、この地の水に纏わる流れ、滴、潤いや艶などを陶器の世界の中で感じてもらうことを目指した。
このミュージアムが観光客の行き交うこの坂の賑わいに新たな彩りを与えるとともに、陶芸の通りとして象徴となることを願っている。
■建築概要
所在地:京都市東山区
主要用途:私設美術館・店舗
施工期間:2ヶ月
計画面積:89.35㎡
構造・規模:鉄骨造
計画期間:1年9ヶ月
完成時期:2017年5月