SHARE 中村太一・榎本裕亮 / NEAによる、神奈川・横浜市の大衆居酒屋「新杉田の線形 -とんぺい 新杉田店-」
中村太一・榎本裕亮 / NEAによる、神奈川・横浜市の大衆居酒屋「新杉田の線形 -とんぺい 新杉田店-」です。
やきとんをメインとした大衆居酒屋「とんぺい」の新規3号店舗の計画である。
JR新杉田駅からほど近く、大通りに面した1階部分という好立地に位置するテナントに、「大衆居酒屋ではあるが、清潔感のある店」という大衆居酒屋像で内外装デザインを行うことが、今回クライアントからの依頼内容だった。
我々は大衆居酒屋をデザインするにあたり、大衆居酒屋の雰囲気をつくっている要素の1つが、壁などに設置されているメニュー札やポスター、一升瓶などであるということに着眼した。それらの大衆居酒屋の雰囲気をつくっている雑然としがちな要素を、整理しつつデザインに昇華出来れば、新しい「清潔感のある大衆居酒屋」に出来るのではないかと考えた。また、店にお客さんが集まってきてくれるような仕掛けとして、人通りの多い大通りの通行人の視線を引き込み、店の雰囲気を発信できるデザインも必要だと考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
新杉田の線形 -とんぺい 新杉田店-
やきとんをメインとした大衆居酒屋「とんぺい」の新規3号店舗の計画である。
JR新杉田駅からほど近く、大通りに面した1階部分という好立地に位置するテナントに、「大衆居酒屋ではあるが、清潔感のある店」という大衆居酒屋像で内外装デザインを行うことが、今回クライアントからの依頼内容だった。
我々は大衆居酒屋をデザインするにあたり、大衆居酒屋の雰囲気をつくっている要素の1つが、壁などに設置されているメニュー札やポスター、一升瓶などであるということに着眼した。それらの大衆居酒屋の雰囲気をつくっている雑然としがちな要素を、整理しつつデザインに昇華出来れば、新しい「清潔感のある大衆居酒屋」に出来るのではないかと考えた。また、店にお客さんが集まってきてくれるような仕掛けとして、人通りの多い大通りの通行人の視線を引き込み、店の雰囲気を発信できるデザインも必要だと考えた。
今回設計は、奥行きのある平面が特徴的なテナントであったので、その特徴を活かすように線状の木製レールを壁と天井に流し、外部にも連続させた。そして、メニュー札、ポスター、お知らせ看板、サイン板、一升瓶、テレビ、レジカウンターを、大衆居酒屋の要素として位置付けし、線状の木製レールの間に要素を組み込み展開させた。一升瓶、レジカウンターの要素は木製レールの奥行きを変化させて組み込んだ。メニュー札、ポスター、お知らせ看板、サイン板の要素は、それぞれが取り外し可能な設計になっており、追加、変更していくことが出来る。メニューが増えていくことや、スタッフがお知らせ看板へコメント記載、お客さんがサイン板へサインすることなど、要素が増えるにつれて、線で整理されながら店がどんどん成長していくデザインになっている。清潔感を感じさせながらも新しいイメージの大衆居酒屋を作り出していく。
また、中から外に連続するこのデザインと開放性をもたせたファサードは、大通りに店の雰囲気を発信する。このような街に発信出来るデザインが、人々が気軽に訪れ、また足を運びたいなと思ってくれるような賑わいを生み出す大衆居酒屋を実現させるのではないかと考えた。
(中村太一・榎本裕亮 / NEA)
■建築概要
作品名:新杉田の線形 -とんぺい 新杉田店-
設計:中村太一・榎本裕亮 / NEA
所在地:神奈川県横浜市磯子区杉田4-1-18
用途:大衆居酒屋
床面積:63.00㎡
竣工:2018年7月