SHARE 槻橋修+ティーハウス建築設計事務所による、東京の住宅「西荻角地の家」
槻橋修+ティーハウス建築設計事務所が設計した、東京の住宅「西荻角地の家」です。2014年竣工の作品です。
またティーハウス建築設計事務所のウェブサイトがリニューアルされており作品が多数閲覧できます。
西荻の閑静な住宅街の角地に建つ4人家族の住処。この土地が宅地化される以前、この角地には樹高20mを超えるヒマラヤスギの高木が立ち、近隣の樹木と呼応して、緑豊かな住宅地の景観を織りなしていた。この景観を引き継ぐべく、地上のシンボルツリー(カツラ)と2階テラスの樹木(シマトネリコ)により立体的な緑のヴォリュームを形成し、周囲に住宅が立て込んでいる環境と住処との間に適度なクリアランスを設ける。そこからこの計画はスタートした。
子供達の成長に合わせて親密な〈かぞく〉は刻々と変化する。家の使い方を自由にどんどん変えられることが望ましく、同時にこの土地に新しく参入した〈家族〉としての時間を蓄積し、街の景観に馴染んでいくのがよい。
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以下、建築家によるテキストです。
[ 家族の街/かぞくの巣穴 ]
西荻の閑静な住宅街の角地に建つ4人家族の住処。この土地が宅地化される以前、この角地には樹高20mを超えるヒマラヤスギの高木が立ち、近隣の樹木と呼応して、緑豊かな住宅地の景観を織りなしていた。この景観を引き継ぐべく、地上のシンボルツリー(カツラ)と2階テラスの樹木(シマトネリコ)により立体的な緑のヴォリュームを形成し、周囲に住宅が立て込んでいる環境と住処との間に適度なクリアランスを設ける。そこからこの計画はスタートした。
子供達の成長に合わせて親密な〈かぞく〉は刻々と変化する。家の使い方を自由にどんどん変えられることが望ましく、同時にこの土地に新しく参入した〈家族〉としての時間を蓄積し、街の景観に馴染んでいくのがよい。
そこで〈家族〉のための街のような空間(ホール、家族室、テラス、ルーフガーデン)が、〈かぞく〉が成長していく巣穴のような空間(スペース0〜3、バスルーム)のブロックを包み込むように空間を構成した。街のような空間は〈家族〉という小さな社会のステージとなり、住宅街の景観を借景として取り込む。巣穴のような空間には、生活に必要な機能がコンパクトに収まり、互いに立体的に繋がることで〈かぞく〉のプライベートなスキンシップを生み出す。
2階の家族室(L&D)は南と西に大きく開かれており、室内と同面積のテラスに繋がっている。土壌室によって地面と直接繋がったプランターに植えられたシマトネリコが、隣接する土地の豊かな緑と重なり合いながら景観を育てていく。屋外階段を上ったルーフガーデンからは周囲が見晴らせ、混み合った家並みの上にイカダを浮かべて漂流しているような自由な気分を感じられる。
■建築概要
設計・監理:槻橋 修 + ティーハウス建築設計事務所
構造:佐藤淳構造設計事務所
写真:太田 拓実(俯瞰写真のみ槻橋 修)
所在地:東京都杉並区
用途:住宅
構造:RC造 一部S造
敷地面積:96.86㎡
建築面積:57.66㎡
延床面積:114.03㎡
竣工:2014年7月