SHARE 菊竹清訓が1966年に完成させた「旧都城市民会館」が解体されることに。市が制作したPDFに議論の過程がまとめられています。
菊竹清訓が1966年に完成させた宮崎の「旧都城市民会館」が解体されることになったとのことです。市が制作したPDFに約15年の議論の過程がまとめられています。日本建築学会とのやり取りの概要も掲載されています。建物の写真はこちらのページで多数閲覧できます。
菊竹清訓が1966年に完成させた宮崎の「旧都城市民会館」が解体されることになったとのことです。市が制作したPDFに約15年の議論の過程がまとめられています。日本建築学会とのやり取りの概要も掲載されています。建物の写真はこちらのページで多数閲覧できます。
藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボのウェブサイトに、神奈川・鎌倉の住宅「二階堂の家」の写真と図面が15枚掲載されています。
二階堂という土地は、鎌倉の中でも古くから人が住んだところで、谷戸の地形の中に複数の神社の参道が織り込まれるようにして街ができている。門構え、神社の領域、谷戸の地形、水路、というようなさまざまな境に沿うように、路地を散策していていつまでも飽きることがない。建主がひと目惚れして取得した土地は、神社の森を背後に抱く特別な場所だったが、狭小であることに加えて土地形状も不整形で、駐車場の取り方など造成もアイデアなく成されていて、さらには軟弱地盤であるという難しい条件だった。考えられる最小のコストで、しかし、今までの住居のありようとは異なる性質の場所をつくりたいという建主の要望に対して、われわれが提示したのは2×3という最小限の仏間的構成を縦に積層し、そこに階段室とパントリーを付加するというだけという極小の操作だった。操作は単純だが、そのことで内部の空気のかたちをつくり出しながら、そのままそれが建築の外側にまとう空気のかたちにもなるというアイデアだ。2×3のフレームとふたつのアタッチメントがひとつの空気の塊になるように内部には極力壁をつくらないようにしている。駐車場の上に架けた木製のテラスは、建築の周りの空気に人を呼び込むエレメントである。開口部は、外部の空気と内部の空気を繋ぐ大きな連窓の開口、森に繋がる開口、空と繋がる細い連窓開口、風の抜ける屋上開口というようにシンプルに整理した。外部の空気は開放的な下層階から内部の空気に混ざり込み、吹き抜けや階段室に向かって上に流れていく。内部に入った視線は吹き抜けを介して敷地の裏側の森や空に向かうようにして、内部と外部には常に空気や意識の動きがさまざまに交錯するようにした。
元木大輔 / DDAAと工藤桃子/ MMA inc.の会場設計による建築展「森美術館 / 建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」です。
建築について考えることを仕事にしていてラッキーだな、と思うことがある。建築はとても多角的なメデイアなのであらゆるものを考えなくてはいけないからだ。例えばキッチンについて考えるとき、テーブルの位置や素材や料理やカトラリーや家族の会話を想像する。寝室の窓から見える景色と光の入り方やカーテンの柄について考える。1階と2階のつなぎ方をあれこれ模索し、階段の素材や手摺の触り心地について考える。公共的なプログラムであれば社会との繋がりを考え、コストコントロールのため、構造的な合理性と意匠のはざまで悩んだりする。ほんとうに考えることが多くてしんどさもあるのだけれど、あらゆるものについて考えることができる楽しさに溢れている。これは建築には実物を体験することに以外にも多くの楽しみ方がある、と言い換えることもできる。歴史的背景、構法的面白さ、構造的な面白さ、時代背景や社会的意義、新しい技術との親和性、造形や空間的な面白さ。建築の面白いところは、とにかく情報量が多いことだ。そして建築を展示することにおいて一番ネックなのが、その「情報量が多い」という部分だ。古典から現代建築までを9つのセクションに分け展示する森美術館で開催された「建築の日本展」の会場構成を担当させてもらうことになり、最初に考えたのがこの根本的な矛盾をどう整理するか、ということだった。
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