SHARE 江藤健太アトリエによる、大分の住宅「臼杵の家」
江藤健太アトリエが設計した、大分の住宅「臼杵の家」です。
地方の場合、360°周辺に建物が密集していない恵まれた環境が多く、何を手掛かりに建築形態を決定すべきかの迷いや、問題定義の研鑽という問題が逆に生じる。
建物は大分県臼杵市に建つ4人家族のための住宅である。
敷地は東西南北に連なる山々に囲まれ、田園風景の広がる平地から上がった丘陵地の中に位置する。この場所の豊かな自然環境を読み解きながら周辺環境へ溶け込む建築を導き出す事、及び建て主が望んだ風景への開放や眺望、道路や隣家からのプライバシー確保を同時に実現する住環境を獲得する事が計画での主題となった。
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以下、建築家によるテキストです。
建築を起伏させ環境と調和させる
地方の場合、360°周辺に建物が密集していない恵まれた環境が多く、何を手掛かりに建築形態を決定すべきかの迷いや、問題定義の研鑽という問題が逆に生じる。
建物は大分県臼杵市に建つ4人家族のための住宅である。
敷地は東西南北に連なる山々に囲まれ、田園風景の広がる平地から上がった丘陵地の中に位置する。この場所の豊かな自然環境を読み解きながら周辺環境へ溶け込む建築を導き出す事、及び建て主が望んだ風景への開放や眺望、道路や隣家からのプライバシー確保を同時に実現する住環境を獲得する事が計画での主題となった。
丘陵地であり地形がなだらかに起状している事から、山の稜線や地形のレベル差を手掛りに建物形態へ投影し、地盤面から直接繋がる片流れの屋根を生成する事で風景の延長線上として周辺環境と溶け合い調和させる事を図った。
一本の斜線を斜面として起伏させ、内部空間・軒下中間領域・中庭・屋根空間を連続、一体的に形成。建築形態を周辺環境と調和させながら、豊かな風景へ眺望・開放・享受する住宅を目指した。
(江藤健太)
■建築概要
竣工:2018年9月
所在地:大分県臼杵市
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:477.29㎡
延床面積:98.12㎡
建築面積:92.12㎡
構造:木造
設計監理:江藤健太アトリエ 担当/江藤健太
構造設計:木村洋介
施工会社:㈱新成建設
建築写真:矢野紀行 (矢野紀行写真事務所)