猿田仁視 / CUBO Design Architectが設計した、長野・松本の住宅「M4」です。
松本城と松本平を眼下に、その向こうには美しい山々の稜線を臨む場所に母の家を設計した。
自身も幼少期を過ごした故郷・松本に想いを馳せながら設計した。
空の色、雲の流れ、山の表情、自然の移ろいは壁の切り抜き方に依って、いつまでも新鮮な発見に満ちて眺めることができる。勝手自由に開けているように見えるランダムな開口部は、様々な大小、奥行、仕上、形状、高さで配置することにより、歩き、座る際に、多様なシークエンスを日々楽しめるように考えた窓群である。
景色をより強く切り取るために設えたフジツボ窓は、外観を印象的なものとすると同時に、内部の陰影ボリュームをあげる装置として設えている。
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以下、建築家によるテキストです。
松本城と松本平を眼下に、その向こうには美しい山々の稜線を臨む場所に母の家を設計した。
自身も幼少期を過ごした故郷・松本に想いを馳せながら設計した。
空の色、雲の流れ、山の表情、自然の移ろいは壁の切り抜き方に依って、いつまでも新鮮な発見に満ちて眺めることができる。勝手自由に開けているように見えるランダムな開口部は、様々な大小、奥行、仕上、形状、高さで配置することにより、歩き、座る際に、多様なシークエンスを日々楽しめるように考えた窓群である。
景色をより強く切り取るために設えたフジツボ窓は、外観を印象的なものとすると同時に、内部の陰影ボリュームをあげる装置として設えている。
敷地はくの字に曲がった平面をしており、家のどこからでも松本平を臨むことができる。
道路側はプライバシー確保のため閉じたが、反面、景観側は多くの開口を擁する完全片側採光の住宅である。
それにより、光のコントラストが強調され、窓配置に加え、より陰翳の強い空間構成となった。
また、ピアニストのための音楽堂も離れとして設えた。木構造現しのミニマルな室内は蕪束を採用し、松本らしい伝統的なデザインでありながら、屋根に様々な傾斜を加えることで、稀有な空間にしたいと考えた。自由奔放かつ大胆な内部構成を持たせることができたと思う。
■建築概要
場所:長野県 松本市
敷地面積:469.92㎡
建築面積:194.89㎡
延床面積:(住宅)248.04㎡ (音楽堂)35.80㎡
構造設計:なわけんジム 名和研二
施工:株式会社 滝澤工務店
期間:2015.2~2017.12
竣工年月:2017年12月