SHARE 南木隆助の空間設計・展示ディレクション・映像脚本による「とらや 和菓子の原理展」
南木隆助の空間設計・展示ディレクション・映像脚本による「とらや 和菓子の原理展」です。
東急プラザ銀座6階にて2019年10月27日まで開催中(詳細は本記事下部を参照ください)。
銀座で年に一度、街ぐるみで茶会を様々な場所で行う「銀茶会」に合わせて、また東京各地でデザインの催しとなるDesignartTokyoのオフィシャルイベントとして、とらやの四季の和菓子を取り上げ、その成り立ちや作り方などを分解し、和菓子の原理までを伝えることをコンセプトとした展示を行うことになった。
展示に合わせ、和菓子と原理を同じくした空間をデザインすることを考えた。
以下の写真はクリックで拡大します
こちらは展示されている4つの映像のうちの一つ。
以下、建築家によるテキストです。
銀座で年に一度、街ぐるみで茶会を様々な場所で行う「銀茶会」に合わせて、また東京各地でデザインの催しとなるDesignartTokyoのオフィシャルイベントとして、とらやの四季の和菓子を取り上げ、その成り立ちや作り方などを分解し、和菓子の原理までを伝えることをコンセプトとした展示を行うことになった。
展示に合わせ、和菓子と原理を同じくした空間をデザインすることを考えた。
和菓子は小豆をはじめとする限られた素材を使いながらも、風景から恋心まで、森羅万象の無限で複雑なものを作ることができる食の芸術だ。
そこで、空間も、限られた素材やシンプルな作られ方でありながら、複雑な造形ができる仕組みから考えた。
不燃処理されたヒノキを、強靭なケブラー繊維で結びつけ、様々な大きさの木の正方形でできたグリッドを作り、それを展示を行うKIRIKO LOUNGEの天上高約26mを活かして数カ所で吊ることで、シンプルな仕組みでありながら、山のような、和菓子のきんとんのような複雑で抽象的な形を作ることができる。
また、合わせて展示と映像をディレクションしている。
展示は空間の内部でとらやの和菓子や、そのメイキング映像、素材や道具などを見ることができる。
映像は和菓子を分解し、その原理をアニメーションやバイリンガル解説で理解しやすくしたものをこの展示のために特別に制作した。
音楽については、一つの映像ごとに1つ楽器を設定し、4つの映像の曲が聞こえるちょうど真ん中に立つと、一つの音楽が聞こえる仕組みを考え、音楽家に依頼した。
とらやという和菓子文化を体現するブランドと、日本人でも知っているようできちんと知らない、同時に深く知るほど面白い和菓子の世界の魅力的で入りやすい入り口を作れればと考えている。
■展覧会概要
とらや 和菓子の原理展
開催日時:2019年10月11日(金)ー10月27日(日)
11:00-23:00(日曜祝日は21:00まで)
会場:東急プラザ銀座6階 KIRIKO LOUNGE
主催:東急プラザ銀座
企画制作:Bunkamura
■建築概要
空間設計/展示ディレクション/映像脚本:南木隆助
展示プロデュース:高山典子、加藤真耶
アートディレクション/グラフィックデザイン:加藤亮介
施工/テクニカルディレクション:bibariki
音楽:馬場宏樹
映像制作:パドル
映像プロデュース:柳原一太
映像制作マネージメント:山口楓
アニメーション/映像編集:堀 恵貴
アニメーション用写真撮影:髙﨑昌知
のれん製作:iroiro LLC.
和菓子職人:森山一幸
和菓子撮影協力:小泉 芙美恵、松平 斉忠
協力:株式会社 虎屋
空間撮影:Yas Kojima