SHARE 青木律典 / デザインライフ設計室による、東京の「小平の住宅」
青木律典 / デザインライフ設計室が設計した、東京の「小平の住宅」です。
この計画は緑を感じながら暮らしたいという建て主と一緒に土地を探すところからはじまりました。
敷地は道路に接する路地状の部分とその奥に広がりのあるいわゆる旗竿地ですが、前面道路の反対側にあたる裏手には小さな道と大きな緑地が広がっています。旗竿地としては恵まれた環境にあり、この緑を借景として取り込み、生活の一部として感じられるような住まいにしたいと考えました。
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以下、建築家によるテキストです。
この計画は緑を感じながら暮らしたいという建て主と一緒に土地を探すところからはじまりました。
敷地は道路に接する路地状の部分とその奥に広がりのあるいわゆる旗竿地ですが、前面道路の反対側にあたる裏手には小さな道と大きな緑地が広がっています。旗竿地としては恵まれた環境にあり、この緑を借景として取り込み、生活の一部として感じられるような住まいにしたいと考えました。
借景を生活の一部として取り込むために、室内の振る舞いに合わせて緑の異なる表情を感じられるよう窓際に細長い吹き抜けを設けました。1階と2階で同じように緑と接しているようですが、この吹き抜けがあることで、それぞれの室との関係により緑の感じ方に違いが生まれることを意図しました。大きな窓を設けただけではなく、窓の配置と高さ、窓際の設えと距離の取り方を工夫することにより心理的な変化が起こることを期待しています。
用途地域は低層の住宅が建ち並ぶ第一種低層住居専用地域のため、建物の北側の高さに制限があります。1階と2階の室の組み合せを考え、高さを調整することで天井の高さを十分に確保しにくい状況でも積極的に使いたくなる場となるよう工夫をしました。制限を取り込み上手く利用することで小さな住宅だからこその親密で落ち着きのある空間が生まれました。
敷地内に新たに植えた木々と既存の緑が層のように重なり合い、この住まいと共に一体的な風景をつくりあげていくことだろうと思います。
(青木律典 | デザインライフ設計室)
■建築概要
名称:小平の住宅
用途:専用住宅
家族構成:夫婦、子供2人
敷地面積:122.49㎡(37.05坪)
延床面積: 85.79㎡(25.95坪)
1階床面積:43.64㎡(13.20坪)
2階床面積:42.15㎡(12.75坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域 / 第一種高度地区
防火地域:法22条地域
構造規模:木造軸組工法 地上2階建て
設計期間:9.0ケ月
工事期間:7.0ケ月
竣工年 :2019年9月
設計監理:デザインライフ設計室 | 青木律典 田中恵子
構造設計:ハシゴタカ建築設計事務所 | 髙見沢孝志
施工会社:幹建設 | 澁澤遼
植栽:彩苑 | 栗田信三
不動産:創造系不動産 | 須永則明
写真:中村 晃(Akira Nakamura)