SHARE 高橋勝建築設計事務所による、山口・周南市の「TOMONi保育園」
高橋勝建築設計事務所一級建築士事務所が設計した、山口・周南市の「TOMONi保育園」です。
介護スタッフ確保と地域交流拠点のための保育園
TOMONi保育園は定員19人の企業主導型保育所である。クライアントは100人以上の規模の老人福祉施設を運営しており、介護スタッフ確保のための事業所内保育所及び地域交流スペースを設け地域活動の拠点づくりが求められた。
木の枝の様に四方に伸びて多点で屋根を支える
屋根上でも風景に接する事が出来る施設とするため、屋根は勾配の少ない片流れとしている。屋根を支える架構は、木の枝が四方に伸びて広範囲の葉を支える様に、柱と方杖で広く多くの点で屋根を支える形式を採用した。3.64mの間隔で建つ柱をつなぐ梁でも方杖間では1.82mとなり垂木と組み合わせる事で十分屋根及び屋根上利用の荷重にも無垢材の105mm角の杉又は桧の梁で耐える構造とする事ができた。
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以下、建築家によるテキストです。
介護スタッフ確保と地域交流拠点のための保育園
TOMONi保育園は定員19人の企業主導型保育所である。クライアントは100人以上の規模の老人福祉施設を運営しており、介護スタッフ確保のための事業所内保育所及び地域交流スペースを設け地域活動の拠点づくりが求められた。
素晴らしい風景と共にすごす
敷地は南西から北西にかけて広大な水田と、その向こうに山並みが広がる素晴らし風景に囲まれている。設計ではこの広がりある風景を保育園にいかに取り込むか、さらに平屋ながら複数のレベルで風景と接する事を検討した。
また、里山風景を形成する一つの要素に杉や桧が植林された人工林がある。ここから見える山の木材が使えるわけでは無いが、里山風景を取込むTOMONi保育園は里山を維持していく循環の持続に寄与するような建て方が相応しいと考えた。
木の枝の様に四方に伸びて多点で屋根を支える
屋根上でも風景に接する事が出来る施設とするため、屋根は勾配の少ない片流れとしている。屋根を支える架構は、木の枝が四方に伸びて広範囲の葉を支える様に、柱と方杖で広く多くの点で屋根を支える形式を採用した。3.64mの間隔で建つ柱をつなぐ梁でも方杖間では1.82mとなり垂木と組み合わせる事で十分屋根及び屋根上利用の荷重にも無垢材の105mm角の杉又は桧の梁で耐える構造とする事ができた。
均一断面の横架材でできた架構の天井は構造を現しながらも視線を遮る出っ張りのない均質な天井面を形成する。加えて全ての欄間を透過性のある素材とする事で、広いとは言えない保育室でも開放的で広がりが感じられる内部空間を生み出している。
■建築概要
所在地:山口県周南市
構造規模:木造地上1階
延床面積:157.33m2
建築面積:212.62m2
敷地面積:65.02m2
竣工年月:2018年9月
施工:サンリフォーム
設計・監理:髙橋勝建築設計事務所
構造設計:能戸謙介(アトリエSUS4)
設計協力:杉江崇(スギエタカシ建築研究所)
撮影:髙橋菜生
第11回JIA中国建築大賞2019 一般部門優秀賞