SHARE 久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、京都の宿泊施設の一室の改修プロジェクト「HOTEL SCREEN KYOTO #103 Moon Phases」
久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、京都の宿泊施設の一室の改修プロジェクト「HOTEL SCREEN KYOTO #103 Moon Phases」です。
月の満ち欠けをつくる
13室すべてデザインが異なるデザイナーズホテルの改装プロジェクト。短期的なサイクルで流行が変わっていく、素材を組み合わせたデコレーションではない装飾のあり方がホテルデザインで実現できないかと考えました。そこで、ホテルの客室には必ずというほど組み込まれている調光という機能を装飾化することを試みました。
改修するのは1階の中庭に面する細い窓が1つあるだけの部屋。外部からの明かりではなく、壁に円形の照明器具を彫り込んで満月のような光を生み出し、調光によって光を絞ることで満月から三日月に月相が変化していく仕掛けを計画しました。室内の壁と天井のコーナーを左官で丸く仕上げ、土の中のような籠った雰囲気の中、調光操作によって光の広がり方と室内の雰囲気が劇的に変化します。
月の満ち欠けが海の満ち引き影響するように、体の多くが水分でできている人間へも、体や感情に大きな影響を及ぼすと考えられています。調光という操作によって作り出す光環境と装飾によって、新たなスタイルの客室デザインを作り上げました。
以下の写真はクリックで拡大します
video©Kubo Tsushima Architects
■建築概要
主要用途:ホテル
所在地:京都府京都市中京区寺町丸太町下ル下御霊前町640-1
構造:RC 造改装
延床面積:51.81㎡
施工:船場
設計監理:久保秀朗+都島有美/久保都島建築設計事務所
照明計画:杉尾篤照明設計事務所
キュレーション:TRON TOKYO
全体企画:株式会社NPC、TRON TOKYO
設計期間:2019年6月1日~2019年7月末日
工事期間:2019年8月1日〜2019年8月末日