小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」
photo©三嶋一路

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」 photo©三嶋一路
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小野寺匠吾建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」です。店舗の公式サイトはこちら

パーソナルジムというと筋力トレーニングなど身体作りに特化したイメージがあるが、ここでは店舗名にも表れているように、「本当の自分」「飾らない自分」「等身大の自分」と向き合えるような場所を作ることが求められた。
身体を鍛えるだけでなく、徒手・物理療法によるメンテナンスを大切にするような場所であり、カウンセリングによる心のケアができるような場所でもある必要がある。

すべからく、機能の中心をコンディショニングとした。普通のパーソナルジムではあまり大きな面積をとることができないコンディショニングルームとパウダールームを思い切って全体の半分以上の面積とし、残りをアクティブトレーニングルームとすることで従来型のジムと異なる構成になるよう意識した。

建築家によるテキストより

また、誰でも気軽にトレーニングに来やすいよう、やわらかい雰囲気を持たせることが効果的だと考えた。
コンディショニングルームには曲線を多用することで、従来型のトレーニングルームが持つストイックな側面を和らげている。開口部・出入り口にはアーチを使い、艶のある曲面の壁が光を映り込ませる。
また、パウダールームやコンディショニングルームの仕切りにはカーブレールのカーテンを使用することで、ゾーンを優しく区切りながら奥行きが増すような効果を意図している。

建築家によるテキストより

アクティブトレーニングルームは、お客様だけでなく、自身がライフセービング競技(ビーチフラッグス)のアスリートでもあるクライアントのトレーニングにも使用される。ウェイトトレーニングだけでなく、ダッシュやジャンプに対応できるよう、なるべく大きくきれいな気積を作るよう空間を整頓した。既存の窓から入る自然光を活かしながら開口部とパネル割りで部屋全体のリズムを作っている。コンディショニングルームとは対照的に直線を多用し、意識を集中しやすい緊張感のある空間とした。

建築家によるテキストより

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小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」 image©小野寺匠吾建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


二子玉川に新しくオープンしたパーソナルジム“THE REAL”の店舗設計である。

パーソナルジムというと筋力トレーニングなど身体作りに特化したイメージがあるが、ここでは店舗名にも表れているように、「本当の自分」「飾らない自分」「等身大の自分」と向き合えるような場所を作ることが求められた。
身体を鍛えるだけでなく、徒手・物理療法によるメンテナンスを大切にするような場所であり、カウンセリングによる心のケアができるような場所でもある必要がある。

すべからく、機能の中心をコンディショニングとした。普通のパーソナルジムではあまり大きな面積をとることができないコンディショニングルームとパウダールームを思い切って全体の半分以上の面積とし、残りをアクティブトレーニングルームとすることで従来型のジムと異なる構成になるよう意識した。

また、誰でも気軽にトレーニングに来やすいよう、やわらかい雰囲気を持たせることが効果的だと考えた。
コンディショニングルームには曲線を多用することで、従来型のトレーニングルームが持つストイックな側面を和らげている。開口部・出入り口にはアーチを使い、艶のある曲面の壁が光を映り込ませる。
また、パウダールームやコンディショニングルームの仕切りにはカーブレールのカーテンを使用することで、ゾーンを優しく区切りながら奥行きが増すような効果を意図している。

アクティブトレーニングルームは、お客様だけでなく、自身がライフセービング競技(ビーチフラッグス)のアスリートでもあるクライアントのトレーニングにも使用される。ウェイトトレーニングだけでなく、ダッシュやジャンプに対応できるよう、なるべく大きくきれいな気積を作るよう空間を整頓した。既存の窓から入る自然光を活かしながら開口部とパネル割りで部屋全体のリズムを作っている。コンディショニングルームとは対照的に直線を多用し、意識を集中しやすい緊張感のある空間とした。

それぞれの部屋の床にはデンマークのプロダクトであるBolonを採用した。トレーニングなどへの耐久性が高く、かつ再生PVCを織り込んで作るエシカルなマテリアルは“THE REAL”を体現するにふさわしく、健全で、強い。
青い糸(PVC)が織り込まれているため、海の近くでライフセービングやトレーニングを積んできたクライアントらしい、爽やかな空間になることをイメージした。

■建築概要

名称:THE REAL
所在地:東京都世田谷区玉川3-13-4 第一玉川ビル 2階
計画面積:60㎡
用途:パーソナルジム
設計:小野寺匠吾建築設計事務所
施工:株式会社七保
竣工:2021年2月
クライアント:THE REAL(堀江星冴)
撮影:三嶋一路

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床

Bolon[エレメンツ フリント500角]アドヴァン
Bolon[ニュークリエイトファブリコ500角]アドヴァン

内装・壁壁1

フレキシブルボード貼仕上 素地[オートフレキ t3](チヨダウーテ)

内装・壁壁2

PB+塗装仕上-エコファイン[N-93,3分艶](SK化研
     -エコフレッシュ[N19-80B,3分艶](SK化研
     -アレスアクアグロス[25-70A](関西ペイント

内装・天井天井

PB+塗装仕上-エコファイン[N-93,3分艶](SK化研
     -エコフレッシュ[N19-80B,3分艶](SK化研
     -アレスアクアグロス[25-70A](関西ペイント

内装・建具カーテン

SINFONIAクリエーションバウマン

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません


This is a facility design of the newly opened personal gym “THE REAL” in Tokyo.
The common image of personal gym usually is somewhat related to bodybuilding, but here, what we were asked to design was a place where you can just “be yourself”. The purpose of this gym is not only to work out physically but to maintain one’s body and mental by manual and physical therapy, and by counseling.

Therefore, we decided to make “conditioning” as the center of all functions. Therefore, we let the conditioning room for manual therapy and physical therapy, and a hotel-like powder room take up half of the whole gym, and the rest was made into the active training room.

We also gave the space a soft atmosphere so that anyone could easily come to training. The conditioning room uses a lot of curves to soften the masculine and stoic side of a traditional training room. Arches are used for the openings and doorways, and the glossy curved walls reflect the light. In addition, by using curved rail curtains to partition the powder room and conditioning room, we aimed to increase the sense of depth while gently dividing the zones.

The active training room is used not only for training customers but also for the owner who is an athlete himself in lifesaving and beach flags. The space was arranged to create as large and simple volume as possible so that it could handle not only weight training but also sprints and jumps. The rhythm of the entire room is created by splitting the openings and panels while taking advantage of the natural light that enters through the existing windows. In contrast to the conditioning room, we used a lot of straight lines in the active training room to create a tense space where you can easily concentrate and focus your mind.

Bolon, a Danish product, was used for the floor of each room. The ethical material, which is highly durable for training and is made by weaving recycled PVC, is healthy and strong, suitable for embodying “THE REAL”. Moreover, by using the color blue, we aimed for the space to remind a fresh ocean-like atmosphere, which was perfect for the client who had been training himself close to the sea.

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阿曽芙実建築設計事務所が設計した、奈良・香芝市の住宅「TO…」です。

畑と、住宅と、
都心から郊外へ
ひとつから2つへ、
ふたつからひとつの家族に、

家族の背景をいかようにも読み取れる物語を
この建築に詰め込みました。

ここからまた、新しいTとOが始まる気がしてます。

建築家によるテキストより
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吉村真基建築計画事務所|MYAOが設計した、愛知・名古屋市の住宅「駒場町の家」です。

賑やかな文教地区、比較的小さいスケールの住宅が建ち並ぶ古い市街地の一角に建つ住宅。
北側の道路以外、南、東、西の3方を隣家に囲まれた場所にあって、周辺の微細な変化に反応し得る方法として、いくつかの建屋が重なり合ったような建ち方とした。

建築家によるテキストより

3階建てが建て込む環境だが、高さを上げると敷地境界を示す塀やフェンスは視界から消え、バルコニーのセットバックもあり、道路レベルよりも街が粗になってくる。そうして隣地の建物と建物の間に現れた抜けに反応して、この建屋は斜めに振った。風通しと採光を確保し、道路の反対側で街に接続するポイントとなっている。

建築家によるテキストより

内部空間は、建屋が重なり合うことで生まれた環境を新たに敷地と見立て、庭のようにつくろうとした。全体の構成から演繹的にデザイン言語を展開するのではなく、様々な要素が強い階層性なく混在する状況をつくろうとしている。全体のヴォリュームを床、壁、天井という建築要素に分解し素材によって分節することで、ヴォリュームの構成を曖昧にし、さらに階段、手摺り、家具、建具、棚板といった2次エレメントもそれぞれ個性ある存在としてひとつひとつ設計している。

建築家によるテキストより
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アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/3/22-3/28)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


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