SHARE 澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす
- 日程
- 2021年10月10日(日)–12月12日(日)
澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、東京・恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだすことを意図しました。展示期間は2021年12月12日まで。施設の公式サイトはこちら。
CAGE Galleryは、ギャラリーとはいうものの、街路に面した窓が2つあるのみである。一辺1.7メートル程度のほぼ正方形の窓が2つ、奥行きは24センチ程度しかない。この場所での展示をするにあたり、下記の3点から構想することにした。
ひとつは既存のステンレスの窓枠を作品のための単なる額縁としてだけ扱うのではなく、額縁であると同時に作品を形作る一要素として作品の中に取り入れること。次に、たとえ薄くても窓の内側には空間が存在するものとして考えること。そして、その空間が2つあること。
作品の形態は、窓枠内の空間の寸法から導き出される形としている。つまり、サブロク(3尺×6尺)と呼ばれる規格サイズの合板2枚をギャラリーの奥行き分だけ湾曲するサイズに調整してはめ込むことでおのずと決まる曲面としている。そうして窓枠の中におさまった曲面とギャラリーの壁面によってできたギャラリー内の「スキマ」の空間を撮影し、もう片方の窓枠の曲面に印刷することで、立体と平面の両義性を持つオブジェクトがそれぞれの空間を写し合う、相互の参照関係をつくった。
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以下、建築家によるテキストです。
CAGE Galleryは、ギャラリーとはいうものの、街路に面した窓が2つあるのみである。一辺1.7メートル程度のほぼ正方形の窓が2つ、奥行きは24センチ程度しかない。この場所での展示をするにあたり、下記の3点から構想することにした。
ひとつは既存のステンレスの窓枠を作品のための単なる額縁としてだけ扱うのではなく、額縁であると同時に作品を形作る一要素として作品の中に取り入れること。次に、たとえ薄くても窓の内側には空間が存在するものとして考えること。そして、その空間が2つあること。
作品の形態は、窓枠内の空間の寸法から導き出される形としている。つまり、サブロク(3尺×6尺)と呼ばれる規格サイズの合板2枚をギャラリーの奥行き分だけ湾曲するサイズに調整してはめ込むことでおのずと決まる曲面としている。そうして窓枠の中におさまった曲面とギャラリーの壁面によってできたギャラリー内の「スキマ」の空間を撮影し、もう片方の窓枠の曲面に印刷することで、立体と平面の両義性を持つオブジェクトがそれぞれの空間を写し合う、相互の参照関係をつくった。
互いの作品が互いの被写体であり、かつ互いのメディアであるという、時系列としては同時には成立し得ない状態を作り出すために、実際には原寸のモックアップを製作し、撮影している。
そうした矛盾を含みながら出来上がった作品は、立体/平面、パレルゴン/エルゴン、実体/虚像というあらゆる両義的な曖昧さを孕みながら無限の循環参照状態を示している。
■建築概要
Every man is a liar.
主催:CAGE GALLERY
キュレーション:佐藤拓真(CAGE GALLERY)
設計・施工:Sawada Hashimura
写真:Sawada Hashimura, CAGE GALLERY
■展覧会概要
Every man is a liar.
会期:2021年10月10日(日)– 12月12日(日)
点灯時間:11:00–20:00
会場:CAGE GALLERY
住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-16-8 1F
ハンドアウト:ギャラリー向かいのHender Scheme「スキマ」内
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・その他 | 作品本体 | MDF+UVプリント(プロネート), MDF+AEP塗装, LED照明 |
内装・その他 | モックアップ | MDF+AEP塗装, シナ合板, ステンレス, 荷締めベルト |
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