村上譲+菊田康平 / Buttondesignが設計した、東京・千代田区の「OAG office」です。
複数の法人を束ねる本部事務所の計画です。建築家は、社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向しました。そして、会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供しています。
東京都千代田区にある税理士法人をはじめとする14のグループを束ねる法人のヘッドオフィスの改修です。
改修の目的は、これまで各階の部署毎に散らばっていた書架や会議室、休憩所をワンフロアに集約すること。それにより、これまで交わりのなかった社員同士のコミュニケーションを生み、出会わなかった書籍や資料に触れる機会を作ること、そして接客やリクルーティングに重要な法人の顔としての空間を整えることです。機能的な向上だけではなく、社員のモチベーションアップにも繋がり、活気あるオフィスにすることを望まれました。
改修の中心となるフロアは、顧客を迎え入れるメインエントランスと共に、法人が発行及び所有する書籍と資料をアーカイブする機能と大小の会議室、オンラインミーティンングブース、フリーアドレスの為のデスクとラウンジが混在することになります。
入居するビルは築35年のSRC造のオフィス建築で、現代的なガラスのカーテンウォールではなく、コンクリートの躯体に等間隔に開け放たれた窓が印象的でした。
整然と並んだそれらの窓辺に気持ちの良い空間が生まれる気配を感じ、既存のオフィスでは感じられなかった空間の広がりと、オフィスで活動する人々の様々な営みが混じり合う新しい風景を作りたいと思いました。
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以下、建築家によるテキストです。
東京都千代田区にある税理士法人をはじめとする14のグループを束ねる法人のヘッドオフィスの改修です。
改修の目的は、これまで各階の部署毎に散らばっていた書架や会議室、休憩所をワンフロアに集約すること。それにより、これまで交わりのなかった社員同士のコミュニケーションを生み、出会わなかった書籍や資料に触れる機会を作ること、そして接客やリクルーティングに重要な法人の顔としての空間を整えることです。機能的な向上だけではなく、社員のモチベーションアップにも繋がり、活気あるオフィスにすることを望まれました。
改修の中心となるフロアは、顧客を迎え入れるメインエントランスと共に、法人が発行及び所有する書籍と資料をアーカイブする機能と大小の会議室、オンラインミーティンングブース、フリーアドレスの為のデスクとラウンジが混在することになります。
入居するビルは築35年のSRC造のオフィス建築で、現代的なガラスのカーテンウォールではなく、コンクリートの躯体に等間隔に開け放たれた窓が印象的でした。整然と並んだそれらの窓辺に気持ちの良い空間が生まれる気配を感じ、既存のオフィスでは感じられなかった空間の広がりと、オフィスで活動する人々の様々な営みが混じり合う新しい風景を作りたいと思いました。
計画にあたり、まずこのビルの特徴である既存の窓を手掛かりに、天井へ新たなグリッドを設定しました。そのグリッドに沿って会議室と本棚を点在させ、その余白の空間をフリーアドレスや休憩所として利用できるように家具を配置しました。
これまで、窓側に寄せ集められていた個室群とそれによって生まれた中廊下により閉鎖的だったフロアに対し、会議室を窓側から離して配置することで窓際に連続した空間が生まれ、そこに光や風を感じる居心地のいい場所が生まれました。また、会議室をずらして配置したことで路地的な複雑さが生まれ、小さな溜まりのような空間が複数出来上がりました。目的や用途によって居場所を選んで滞在することができます。
新たに設定した天井のグリッドは配置計画の手掛かりとなるだけではなく、空間に規律と重厚感をもたらしています。
リモートワークが難しい業種なだけに長時間過ごすことになるオフィスですが、どこか住宅のような雰囲気をもつ小さな居場所が点在していることで、それぞれの社員が居心地の良い場所を見つけ、これまでと違う働き方が生まれることを期待します。
■建築概要
主要用途:オフィス
所在:東京都千代田区
設計:Buttondesign
照明計画:YLIGHTS
施工:D.BRAIN CO.,LTD.
延床面積:801.3㎡
竣工:2022年11月
写真:西川公朗