architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 動画
  • 展覧会
  • コンペ
  • 書籍
  • 建築求人
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2024.3.26Tue
2024.3.25Mon
2024.3.27Wed
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る
photo©小松正樹

SHARE 村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る

architecture|feature
建材(内装・床)SONOBE DESIGN OFFICEゆとり・祥建設soso建材(内装・造作家具)建材(内装・家具)建材(内装・照明)建材(内装・建具)建材(内装・天井)建材(内装・壁)図面あり菊田康平村上譲小松正樹山形Buttondesign住宅
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る外観、東側道路より見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭からテラスを見返す photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングエリアからダイニングエリアを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、左:リビングエリア、右:ダイニングエリア photo©小松正樹

村上譲+菊田康平 / Buttondesignが設計した、山形市の「山形の家」です。
雪が降りカーポートも必要な地域での計画です。建築家は、“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案しました。また、内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作りました。

県内としては降雪量が少ないもののまとまった雪の日もあり、冬季は日常的に雪かきが必要な地域。対して夏季は盆地のため気温も高く、年間の気温差が大きい環境です。そのため、建築には高い断熱性と、日々の使い勝手に対する工夫が求められます。
市内の住宅を見て回ると劣化している箇所は共通しており、建物の外壁や基礎周り、屋根の軒先など、雪と接触している時間が長い箇所が劣化している事がわかりました。

また、主な移動手段が車のため、住宅には2台以上停車できる駐車スペースと雪対策のカーポートが設置されていることがほとんどです。

建築家によるテキストより

設計におけるクライアントからの要望は「家のどこにいても繋がりがあるようにしたい」との一つだけでした。
それを受け、家の中だけではなく母屋とカーポート、庭が分断されてしまわないような繋がり、また家族や来客がどこにいても心地よく過ごせる場所づくりを大切に考えこの家を計画しました。

建築家によるテキストより

駐車エリアと玄関ポーチの間に、カーポートの屋根延長したテラスを設け、玄関までのアプローチを自然に繋げました。カーポートの屋根には駐車スペースだけではなく、テラスを覆う役割も与え、また玄関先までの動線をも包み込みます。

植栽の管理負担を減らす意味で草木の面積は少なくしたものの、大きなヤマモミジを庭の中心に据え、それを囲むように母屋、テラス、デッキを配置しました。それらも軒下の導線で繋がり、室内の各部屋からはどこからでも庭の景色を楽しめます。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る外観、東側道路より見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作るカーポートから庭側を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作るカーポートからエントランス側を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭から建物側を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭から建物側を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭からテラスを見返す photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭からテラス越しにエントランスを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る左:インナーテラス、右:エントランス photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングエリアからエントランスを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングエリアからダイニングエリアを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、ダイニングエリア photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、左:リビングエリア、右:ダイニングエリア photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、左:リビングエリア、右:ダイニングエリア photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングから外部を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、手前:リビングエリア、中央奥:エントランス、右:インナーテラス photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングからインナーテラスを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、左:ダイニングエリア、右:キッチン photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、ダイニングエリアからキッチンを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、キッチン photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、キッチン photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、キッチン photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、畳ルーム photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、からスリット越しに階段を見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階から2階への階段 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る2階、ホール photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る2階、ベッドルーム(東側) photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る2階、ベッドルーム(東側) photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、サニタリー photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る配置図 image©Buttondesign
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階平面図 image©Buttondesign
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る2階平面図 image©Buttondesign

以下、建築家によるテキストです。


山形県山形市の住宅街に4人家族のための住宅を設計しました。

県内としては降雪量が少ないもののまとまった雪の日もあり、冬季は日常的に雪かきが必要な地域。対して夏季は盆地のため気温も高く、年間の気温差が大きい環境です。そのため、建築には高い断熱性と、日々の使い勝手に対する工夫が求められます。
市内の住宅を見て回ると劣化している箇所は共通しており、建物の外壁や基礎周り、屋根の軒先など、雪と接触している時間が長い箇所が劣化している事がわかりました。

また、主な移動手段が車のため、住宅には2台以上停車できる駐車スペースと雪対策のカーポートが設置されていることがほとんどです。駐車スペースを差し引いてしまうと庭となる屋外の面積も限られてしまい、冬季の寒さに加え植物が雪に潰されてしまうため、住宅地に緑が少なかったのも印象的でした。

設計におけるクライアントからの要望は「家のどこにいても繋がりがあるようにしたい」との一つだけでした。
それを受け、家の中だけではなく母屋とカーポート、庭が分断されてしまわないような繋がり、また家族や来客がどこにいても心地よく過ごせる場所づくりを大切に考えこの家を計画しました。

駐車エリアと玄関ポーチの間に、カーポートの屋根延長したテラスを設け、玄関までのアプローチを自然に繋げました。カーポートの屋根には駐車スペースだけではなく、テラスを覆う役割も与え、また玄関先までの動線をも包み込みます。

植栽の管理負担を減らす意味で草木の面積は少なくしたものの、大きなヤマモミジを庭の中心に据え、それを囲むように母屋、テラス、デッキを配置しました。それらも軒下の導線で繋がり、室内の各部屋からはどこからでも庭の景色を楽しめます。樹木にとっても庭の中心は環境が良く、より長く自然な成長が期待できます。

リビングでは、景色と採光のための窓と、屋外への導線のための窓を分けました。庭を望む南向きの窓は構造壁によって程よく仕切られ、隣り合う窓ごとに違う景色が楽しめるとともに、それぞれの窓の内部には格子戸を設置しています。二階では外部に格子戸、内部に障子を設置し、季節や生活に応じた光や気温の細やかな調節を可能にしました。

リビングから屋外へ出る動線の窓はソファ脇にあり、開け放つと風通しの役割も果たします。インナーテラスから網戸の役割を果たすガラリ戸を開けると屋外のカーポートテラスへと続きます。このガラリ戸があることで気候の良い時期には、窓を開け放つことでインナーテラスがリビングの一部となります。

山形の環境に合わせたこの家は、建物全体が高断熱仕様のため、細かく空間を分けずとも心地よく過ごすことができます。そのメリットを活かして、1階では客間とダイニング、2階では子供部屋とホールとの扉を開けたままでも使用できるよう、最大限幅の大きな引き戸で構成しました。引き戸を開けた状態では、大きな吹き抜けを介して1階と2階がひとつの大きな部屋のように開放的に感じられます。

配置、平面と共に単純な構成でありながら、身を置いたときに繋がりを感じて安心できるような場所を作ることが私たちの目標でした。家族の繋がりに勝るものはありませんが、どこにいても繋がりを持てる住まいとしての役割を果たすことを期待しています。

■建築概要

主要用途:住宅
所在:山形県山形市
設計:Buttondesign
施工:株式会社ゆとり・祥建設
構造設計:soso 大川誠治
照明計画:SONOBE DESIGN OFFICE 園部竜太
構造:木造二階建て(住宅)、鉄骨造(カーポート)
敷地面積:325.26㎡
建築面積:93.75㎡(住宅)、51.72㎡(カーポート)
延床面積:157.67㎡
竣工:2022年4月
写真:小松正樹

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床床

チークフローリング(IOC)

内装・壁壁

漆喰左官仕上げ
マホガニー突板

内装・天井天井

漆喰左官仕上げ

内装・建具建具

木製サッシ:夢窓(アルス)
木製ガラリ:ピーラー制作
アルミ樹脂複合サッシ:サーモスX(LIXIL)

内装・造作家具家具

収納家具:マホガニー突板
ダイニングテーブル:制作

内装・家具置き家具

ダイニングチェア(Time & Style)

内装・照明照明器具

ダウンライト(コイズミ照明)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません


House in Yamagata
We designed a house for a family of four in a residential area of Yamagata City, Yamagata Prefecture.

Although the amount of snowfall is low for the prefecture, there are days of heavy snowfall, and shoveling snow is necessary on a daily basis during the winter season. In contrast, the summer temperatures are high due to the basin, and the environment has large temperature differences throughout the year. Therefore, construction requires a high level of insulation and ingenuity for daily usability. When we looked around houses in the city, we found that deteriorated areas are common, and that areas that spend a lot of time in contact with snow, such as the outer walls of buildings, around foundations, and at the eaves of roofs, are deteriorating.

In addition, since the main means of transportation is a car, most houses have parking spaces for two or more cars and carports for snow protection. If parking spaces are subtracted, the outdoor garden area is limited, and it was also impressive that there was little greenery in the residential areas because of the cold winter weather and plants being crushed by the snow.

The client had only one request in the design process, “I want there to be a connection everywhere in the house.” This was the only request. With this in mind, we planned this house with the importance of creating a connection that would not only divide the house, but also the main house, carport, and garden, as well as a comfortable place for family members and visitors to spend time wherever they are.

Between the parking area and the front porch, a terrace with a carport roof extension was created to naturally connect the approach to the front door. The roof of the carport not only provides parking space, but also serves to cover the terrace and also wraps around the flow line to the front door.

Although the area of plants and trees was reduced in order to reduce the management burden of planting, a large mountain maple tree was placed at the center of the garden, and the main house, terrace, and deck were arranged to surround it. The main house, terrace, and deck are connected to each other through the eaves. Each room in the house has a view of the garden from anywhere in the house. The center of the garden is also a good environment for trees, which can be expected to grow naturally for a longer period of time.

In the living room, we divided windows for views and lighting and windows for leading to the outdoors. The south-facing windows overlooking the garden are moderately separated by a structural wall, allowing each adjacent window to offer a different view, and each window has an interior lattice door. On the second floor, lattice doors on the exterior and shoji screens on the interior allow for fine control of light and temperature according to the season and lifestyle.

The window that leads from the living room to the outdoors is located by the sofa, and when opened, it also serves as a ventilation system. From the inner terrace, a screen door leads to the carport terrace.

This screen door allows the inner terrace to become part of the living room when the windows are open during the warmer months.

The entire building of this house, which is adapted to the Yamagata environment, is highly insulated, allowing for a comfortable living environment without having to divide the space into smaller sections. Taking advantage of this, the guest room and dining room on the first floor, and the children’s room and hall on the second floor, are separated by sliding doors that are as wide as possible so that they can be used without opening. With the sliding doors open, the first and second floors feel open and airy as if they are one large room through the large atrium.

Our goal was to create a place where people feel connected and at ease, even though the layout and plan are simple. While there is nothing better than family connections, we hope that the house will serve as a place where people can feel connected no matter where they are.

DATA
Primary Use: Residential
Location: Yamagata City, Yamagata Prefecture
Design: Buttondesign
Structural Design: SOSO, Seiji Okawa
Construction: Yutori & Sho Construction Co.
Lighting Design: SONOBE DESIGN OFFICE Ryuta Sonobe
Structure: 2-story wooden structure (residence) / steel frame (carport)
Site area: 325.26㎡
Building area: 93.75㎡ (house) / 51.72㎡ (carport)
Total floor area: 157.67㎡
Completion: 2022.4
Photo:Masaki Komatsu

あわせて読みたい

村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・荒川区の住戸改修「尾久のアパートメント」。陽当たりと風通しの良い建物角の区画。集合住宅でも“開放的な空間”との要望に、外部との繋がり等で“空間の広がり”を創出する設計を志向。触覚に着目して床に屋外を感じさせる“砂利の洗い出し仕上げ”を用いる
  • SHARE
建材(内装・床)SONOBE DESIGN OFFICEゆとり・祥建設soso建材(内装・造作家具)建材(内装・家具)建材(内装・照明)建材(内装・建具)建材(内装・天井)建材(内装・壁)図面あり菊田康平村上譲小松正樹山形Buttondesign住宅
2024.03.26 Tue 07:18
0
permalink

#sosoの関連記事

  • 2023.2.13Mon
    小林裕志 / フォーアイズによる、東京・世田谷区の「美しい雨の家」。密集地に建つ家具デザイナーの為の住宅。自然が感じられる開放的な建築の要望に、天候や季節の変化を“バルコニーの中で増幅”して体感できる空間を志向。内外の繋げ方や天井高の操作で求めた効果を生み出す
  • 2022.7.18Mon
    川島範久建築設計事務所による、愛知の「豊田の立体最小限住宅」。地球環境危機時代のプロトタイプも目指し計画。周辺への応答と快適性や省エネ性を求め、街との距離を計る開口部と限られた費用でも実現する断熱と空調のシステムを考案。現しの仕様で居住者の仕組の理解も促進
  • 2022.4.07Thu
    藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、茨城の店舗兼住宅「常陸太田の町家」。地域との接点になる生業の場を併設との施主の要望に、“離れつつ繋がる”状態を意識して“通り土間”を挟む構成と“軒の出が変わる屋根”等を考案、対象を選びながら町・店・住居の連続性をつくる
  • view all
view all

#小松正樹の関連記事

  • 2024.3.13Wed
    村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・荒川区の住戸改修「尾久のアパートメント」。陽当たりと風通しの良い建物角の区画。集合住宅でも“開放的な空間”との要望に、外部との繋がり等で“空間の広がり”を創出する設計を志向。触覚に着目して床に屋外を感じさせる“砂利の洗い出し仕上げ”を用いる
  • 2023.12.11Mon
    村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京の住戸改修「足立小台のアパートメント」。一階の庭のある区画での計画。限られた面積で“豊かな住空間”を作る為、暮らしの原点に立ち返る対話を行い“特定の寝室を持たない”生活に着到。個室の無い“曖昧な平面”とし床の高低差や素材の切替で空間を構築
  • 2022.11.09Wed
    栗間敬之+栗間亜沙美による、東京・中野区の、設計者の自邸「南台の家」。住宅密集地の旗竿地に計画。場の持つ“おおらかな空気感”を引継ぐ建築を求め、外壁の一部を後退させ圧迫感を軽減して視線や風の抜けも確保。内部では空間の連続性や回遊性で“豊かな奥行”を作る
  • 2022.6.13Mon
    徳田直之 / tokudactionによる、千葉の、住宅改修「四街道の住宅」。生活変化で在宅時間が増えた施主の為に計画。子達が家を出た後に生まれた広さへの対処を求めて、様々な要素を整理し関連付け心理的距離を縮める空間を考案。最小限の操作で最大限の効果も目指す
  • 2020.1.28Tue
    徳田直之 / tokudactionが設計した、東京・港区の「赤坂の飲食店」
  • 2019.7.26Fri
    徳田直之 / tokudactionによる、東京・豊島区の「駒込の託児所」
  • 2018.10.01Mon
    徳田直之 / tokudactionが改修を手掛けた、千葉・佐倉市の「佐倉の住宅」
  • 2015.9.08Tue
    サムネイル:SIL Design Office + Buttondesignによる、オフィス「株式会社スキーマ 渋谷オフィス」
    SIL Design Office + Buttondesignによる、オフィス「株式会社スキーマ 渋谷オフィス」
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    61,002
    • Follow
    83,372
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More
    2024.3.25Mon
    • 【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 秘書兼総務を募集中
    • 谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る
    • 高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西新町の住宅」。通学路に面した角地での計画。プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案。2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節する
    • 最も注目を集めたトピックス[期間:2024/3/18-3/24]
    2024.3.27Wed
    • 小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る
    • 齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る
    • UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    61,002
    • Follow
    83,372
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 動画
    • 展覧会
    • コンペ
    • 書籍
    • 建築求人
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white