子浦中 / シオ建築設計事務所が設計した、神奈川・小田原市の「山林のラウンジ ARUYO ODAWARA LOUNGE」です。
地域の財団が運営する起業支援施設の中のカフェ等の計画です。建築家は、エリアの“山林資材”の周知を主題とし、天井・建具・家具などに“地場産の木材”を用いた空間を志向しました。そして、素材それ自体の大きさや質感を生かした設計を行いました。施設の公式ページはこちら。
かまぼこに代表されるような海産物の街として認識されている神奈川県小田原市には、約4,000haの山林があり市域の約40%を占めているが、誰もがそのように認識していない。
このプロジェクトは、さまざまな人の出会いや交流を図るための街に開いた小田原のコワークスペースのカフェ、バーラウンジを作ることである。
この施設は、小田原市を中心とした起業家の起業支援を行うことや、出会いと発見を創出することを主な目的とし、神奈川県、小田原市から補助金と小田原の財団で運営している。そのため、小田原にこだわり地場の材料、特に山林資材を使うこととした。
一方で、私たち建築の人間が山林を保護する方法として、伐採をした資源を建材として生かす一つの方法が考えられる。
そのため運営側と設計が同じ地場の山林資材を使うという考えのもとラウンジを作り、たくさんの人に小田原の材料を知ってもらうことを目的とした。地場産の木材は、地場で加工し天井材、カウンター材、建具、机などの家具に使用した。床の左官は山林から採取し、三和土とするなど徹底的に地場産にこだわった。
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以下、建築家によるテキストです。
かまぼこに代表されるような海産物の街として認識されている神奈川県小田原市には、約4,000haの山林があり市域の約40%を占めているが、誰もがそのように認識していない。
このプロジェクトは、さまざまな人の出会いや交流を図るための街に開いた小田原のコワークスペースのカフェ、バーラウンジを作ることである。
この施設は、小田原市を中心とした起業家の起業支援を行うことや、出会いと発見を創出することを主な目的とし、神奈川県、小田原市から補助金と小田原の財団で運営している。そのため、小田原にこだわり地場の材料、特に山林資材を使うこととした。
一方で、私たち建築の人間が山林を保護する方法として、伐採をした資源を建材として生かす一つの方法が考えられる。
そのため運営側と設計が同じ地場の山林資材を使うという考えのもとラウンジを作り、たくさんの人に小田原の材料を知ってもらうことを目的とした。地場産の木材は、地場で加工し天井材、カウンター材、建具、机などの家具に使用した。床の左官は山林から採取し、三和土とするなど徹底的に地場産にこだわった。
ラウンジはワンルーム平面とし、誰もが見渡せ誰がどこにいるか把握しやすいようにした。扉を開けると大きな幹を脚に使った丸テーブルが利用者の目に入り、利用者を驚かせる。
次に、皮付一枚板のカウンターがどんと構える。厚みのある年輪の天板のスタンディングテーブルの質感に驚きながら、利用者はこれらを様々な使い方で使うことで、利用者同士の交流を図る。
またシーリングライトが、幅広の杉の天井を照らし山林のラウンジを暖かく照らすことで街を歩く人々が立ち寄りたくなる街の公園のような場所を目指した。
将来的には森林の農産物が買えたり、 身の回りのものが山林の木であったりすることで地域住民の生活の中で山林との結びつきを強めていくための最初のプロジェクトである。
■建築概要
題名:山林のラウンジ ARUYO ODAWARA LOUNGE
所在地:神奈川県小田原市
主用途:飲食店
設計:シオ建築設計事務所 担当/子浦中、川鍋哲平、大金司
施工:株式会社セゾン
家具:竹広林業株式会社
床面積:80.75㎡
設計:2022年6月~2022年11月
工事:2022年11月~2022年12月
竣工:2022年12月
写真:淺川敏