キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、公園より南側ファサードを見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークエリア(製造部・経営企画室) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス photo©小川重雄
キー・オペレーション とパーク・コーポレーション が設計した、富山市の「十全化学本社社屋」です。
医薬関係の製造企業の新社屋の計画です。建築家は、自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案しました。また、四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出しています。施主企業の公式サイトはこちら 。
十全化学は医薬原薬の受託製造などを行っている1950年に創業された富山市の企業で、神通川と富岩運河の間に位置する工業団地の中に各種プラントのある4つの工場棟、研究棟等が展開されていた。将来の事業展開の為に各建物の機能を整理し、散らばっていた事務機能、会議室、食堂を集約した新社屋が計画された。
富山は、南北にのびる本州の中央北部に位置し、立山連峰などの急峻な山岳地帯から流れ込む豊かできれいな水と、日本海に面した富山湾は豊かな自然の恵みと、漆器、薬、ガラスなど多種多様な文化と産業を生み出している。豊かな森林資源と豊かな水がもたらした北前船の水運によって「富山の売薬」を生み出した薬文化が形成された。
新社屋の設計を始める前に十全科学の各部署から年齢性別が多様な社員が集まり、数回に及ぶワークショップを重ねて、今回の新事務所のテーマは何か、現状の事務所の問題点、どのように改善していきたいか、新しい働き方のモデルを考えた。ワークショップで十全化学の重要なカルチャーとして認識されたのは、様々な部門の社員が自由な交流を大切にしていることだった。
しかし現状では交流を培うため場所が足りないこと、また個人が集中して作業できる場も足りないことも分かった。そのため新社屋では「集中(solo)」、「交流(collaboration)」 の「切り替え(switch)」が出来る場が実現できるようにオフィス全体のゾーニングを構築していった。
周りの工場群は、機能上、窓のない高い壁で覆われている。そのためそれぞれの工場の間は配管で繋がれるものの、ヒューマンスケールで繋がる空間はほとんどない。この社屋は工場棟とは対照的にガラスファサードとして周辺の工場群全てを見渡せるようにして、職員が働いている工場群と空間的に繋ぐことを試みている。さらには西側の神通川、東側の立山連峰とも視覚的に繋げて、富山全域との連続性を感じられるようにした。
ガラスファサードの前にはバルコニーを設け、仕事の合間に外に出てリフレッシュできるようにした。その結果、平滑なファサードの工場群とは対照的な陰影のあるファサードとなり、ペリメーターゾーンの環境調整装置としても機能している。バルコニーは庇のように夏の室内への日射を遮断するが、日射角度が低くなる冬は日射を取得して、冬の暖房負荷を下げる事ができる。西日が入る階段部分にはグリーンスクリーンを設置して、日射を遮るようにしている。また火災時に2つある階段に何かしらの問題があった場合でも、この全周にあるバルコニーからの救助が可能である。
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キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路から見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 俯瞰、敷地上空より見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 俯瞰、北東側より見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側のファサードを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路より見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路から見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路から見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 企業名のサイン photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、公園から東側ファサードを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、公園から北側ファサードを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、サブエントランスのあるピロティを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、西側ファサードを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、地上から見上げる。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、北側ファサードを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、北側よりメインエントランスのあるピロティを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、メインエントランスのあるピロティから隣接する公園側を見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、ピロティからメインエントランスを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、エントランスロビーから風除室越しにメインエントランスを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、エントランスロビー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、ワークエリア(総務部) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階から2階への階段 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークラウンジ photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークラウンジ photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークラウンジ photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークエリア(製造部・経営企画室) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークエリア(営業部・生産企画室) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、バルコニーからワークエリア(製造部・経営企画室)側を見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階、食堂 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階、食堂 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階、食堂 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階、食堂 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階、食堂 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、エレベーター前からライブラリーラウンジを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ライブラリーラウンジ photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ライブラリーラウンジからルーフテラスを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、廊下からバルコニーを見る。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、応接室 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、社長室 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ワークエリア(経理部・情報システム部) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、バルコニー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階から5階への階段 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、ミーティングロビー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、ミーティングロビー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、ミーティングロビー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、ミーティングのスペース photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、バルコニー photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階、階段を見下ろす。 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、ギャラリーからエントランスロビーを見る、夕景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、エントランスロビー、夕景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、北側ファサードを見る、夕景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階、ルーフテラス、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階、ワークエリア(営業部・生産企画部)、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階、ピロティからメインエントランスを見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、公園より南側ファサードと東側ファサードを見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、公園より南側ファサードを見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、北側の道路より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、東側の隣地より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側アプローチより見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 外観、南側の道路より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 配置図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 1階平面図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 2階平面図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 3階平面図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 4階平面図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 5階平面図 image©KEY OPERATION
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す 断面図 image©KEY OPERATION
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以下、建築家によるテキストです。
十全化学は医薬原薬の受託製造などを行っている1950年に創業された富山市の企業で、神通川と富岩運河の間に位置する工業団地の中に各種プラントのある4つの工場棟、研究棟等が展開されていた。将来の事業展開の為に各建物の機能を整理し、散らばっていた事務機能、会議室、食堂を集約した新社屋が計画された。
富山は、南北にのびる本州の中央北部に位置し、立山連峰などの急峻な山岳地帯から流れ込む豊かできれいな水と、日本海に面した富山湾は豊かな自然の恵みと、漆器、薬、ガラスなど多種多様な文化と産業を生み出している。豊かな森林資源と豊かな水がもたらした北前船の水運によって「富山の売薬」を生み出した薬文化が形成された。
新社屋の設計を始める前に十全科学の各部署から年齢性別が多様な社員が集まり、数回に及ぶワークショップを重ねて、今回の新事務所のテーマは何か、現状の事務所の問題点、どのように改善していきたいか、新しい働き方のモデルを考えた。ワークショップで十全化学の重要なカルチャーとして認識されたのは、様々な部門の社員が自由な交流を大切にしていることだった。
しかし現状では交流を培うため場所が足りないこと、また個人が集中して作業できる場も足りないことも分かった。そのため新社屋では「集中(solo)」、「交流(collaboration)」 の「切り替え(switch)」が出来る場が実現できるようにオフィス全体のゾーニングを構築していった。
また立山連峰や富山の豊かな自然を感じられる社屋にして来客に富山をアピールしたい、ここで働きたいと思わせるデザインにして新しい仲間を募りたいという要望もあった。
敷地のある街区の角には民家があり、もう一方の角は小さな公園になっているため、敷地はクランクした形状となっている。道路幅員の広い前面道路側は5層にすることができたが、隣接した住宅への朝日を遮蔽しないように配慮しつつ、社屋自体に自ら影を作らないように南側のファサードをフラットにした結果、建物の平面形状はL字型となり、隣接した公園のオープンな空間を覆う形となった。
周りの工場群は、機能上、窓のない高い壁で覆われている。そのためそれぞれの工場の間は配管で繋がれるものの、ヒューマンスケールで繋がる空間はほとんどない。この社屋は工場棟とは対照的にガラスファサードとして周辺の工場群全てを見渡せるようにして、職員が働いている工場群と空間的に繋ぐことを試みている。さらには西側の神通川、東側の立山連峰とも視覚的に繋げて、富山全域との連続性を感じられるようにした。
ガラスファサードの前にはバルコニーを設け、仕事の合間に外に出てリフレッシュできるようにした。その結果、平滑なファサードの工場群とは対照的な陰影のあるファサードとなり、ペリメーターゾーンの環境調整装置としても機能している。バルコニーは庇のように夏の室内への日射を遮断するが、日射角度が低くなる冬は日射を取得して、冬の暖房負荷を下げる事ができる。西日が入る階段部分にはグリーンスクリーンを設置して、日射を遮るようにしている。また火災時に2つある階段に何かしらの問題があった場合でも、この全周にあるバルコニーからの救助が可能である。
春秋の中間期は積極的にバルコニーに面した窓を開けて、この地域に吹く北東からのあいの風を執務空間内に取り入れる事ができる。各階に入った風は中心の階段室を通って最上階の5階へと抜けていく。
ハザードマップによると、敷地は神通川の氾濫域に位置するため、社屋のメインのワークエリアやミーティングルーム、食堂などが入った建物ヴォリュームは、2階の床が浸水しない程度に地面から持ち上げて、1階の大部分をピロティとした。1階には受付と取引先と簡単な打ち合わせが出来るミーティングルーム、社屋と工場群全体を管理する総務部のワークエリアを配置した。また十全化学の取り組みを訪問者に広く知ってもらうためのギャラリースペースも設けた。社屋の垂直動線は、L字の平面の中心に配置して、効率よく各フロアにアクセスできるようにしている。
2階には営業部、生産企画部、製造部、経営企画室といったメインの部署のワークエリアとした。垂直動線が通る中央部は社員同士がコミュニケーションを取り、気分を切り替えてリラックスできるワークラウンジとしている。
3階には本社屋で働く社員だけでなく、工場群で働く社員も集まる食堂がある。社員の満足度を高めるだけでなく、健康管理や社内外のコミュニケーションの活性化にもこの食堂は役立つ。工場にいる社員もただ食事をして戻るだけでなく、リラックスが出来る様に、食堂内にラウンジエリアを設けた。
4階には2階の部署と独立した経理部、情報システム部を設けた。また社長室と応接室からは近くの環水公園と立山連峰を望む事ができる。
ライブラリーラウンジには社長や社員が薦める書籍を置いて、昼食後に社員と社長が気軽にコミュニケーションを取り、自習をすることもできる。ライブラリーラウンジからはルーフテラスに出る事ができ、気候の良い時は立山連峰景色を眺めながら、外で食事をし、散歩することもできる。夏はビアガーデンやBBQパーティを催して、社内外の交流を活性化することもできる。
5階は社内、および取引先とのミーティングに使用される大小のミーティングルームを設けた。ELVの前のスペースは来客用のミーティングラウンジがあり、4階の屋上テラスやその他の工場群を眺めることができる。ミーティングルームにアプローチする廊下はペリメーター側にあり、窓を開ければバルコニーに出ることができる。東側の大きなミーティングルームからは立山連峰を望む事ができる。
ワークエリアの天井は国産針葉樹のルーバーを設置して、天井内設備機器を隠しながら木材の質感で自然で温かみのある空間とした。このルーバーは準不燃にする必要があったが、注入式の場合、節のないA材にする必要がある。そこでよりコストも安く素材感もある節ありのB材やC材でも準不燃にできる塗膜タイプとしている。この塗膜タイプは認定上松材にする必要があったため、国産の唐松を採用した。
天井をルーバーとしたことで、将来的な設備更新や配線を増やすことが容易になっている。空調器は通常の天井カセットタイプをルーバーの上に設置しているが、フィルター清掃の時にはその部分のルーバーが容易に外せるようにしている。ルーバーの間隔は隙間に照明が入るように、間が100mm開くようにした。このルーバーは窓サッシを超えて外部の軒裏へ連続して、バルコニーのために突き出したスラブの軒下を覆って寺社の屋根の手先のような、特徴的な陰影のある外観となっている。
内部の天井懐から外部へ突き出している吸排気口などの設備もこのルーバーで覆われている。夜にはデッキの手すりに仕込まれた照明器具でこの軒裏の木製ルーバーはライトアップされる。ピロティの天井部分もこの木製ルーバーで覆われ、富山の薬の原料を運んだ北前船の船底のような佇まいとなっている。
風が抜けるピロティ空間には車寄せや駐車場だけでなく、薬になる木々や様々な草花が植えられ、医薬品業界の中で地球規模の視野で製品を作る薬品の原点を見つめ直すことができる。車寄せの融雪やピロティやデッキの植栽の灌水には北アルプスから神通川を通して富山湾に流れ込む地下水を井水として汲み上げて使用している。町内会で管理している隣接した公園も同時に整備して連続させることで、社員だけでなく、近隣住民や訪問者も散策できる憩いの空間としている。
■建築概要
建物名称:十全化学本社社屋
所在地:富山県富山市木場町
主要用途:事務所
施主:十全化学株式会社
設計:キー・オペレーション+パーク・コーポレーション設計共同体
建築設計:キー・オペレーション
内装設計:パーク・コーポレーション
構造設計:デルタ構造設計工房
設備設計:コモド設備計画
照明計画:LIGHTLINKS
外構計画:パーク・コーポレーション+ふるうち設計室
施工:日本海建興
構造・構法:鉄骨造
階数:地上5階
最高高さ:25.122m
敷地面積:1,134.23㎡
建築面積:578.80㎡
延床面積:1,885.26㎡
竣工:2023年3月
写真:小川重雄
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外装・床 屋上テラス ウッドデッキ:ハードウッド t=30+木材保護着色塗料植栽
外装・床 バルコニー ウッドデッキ:ハードウッド t=30+木材保護着色塗料植栽
植栽:地被類、低木程度
外装・床 屋上(最上階) 硬質ウレタンフォーム t=50、アスファルトシート防水、押さえコンクリート t=80+撥水剤
外装・壁 外壁 ALC t=100+湿式外断熱
湿式外断熱:アウサレーション湿式外断熱工法 (サンクビット )
外装・建具 窓サッシ アルミサッシ [下部アルミ水切り]
スチールドア [下部ステンレス水切り]
外装・その他 軒裏 松ルーバー [2×4材] 準不燃塗装(サワダケミカルノットバーン )+保護材
外装・その他 手すり スチール製溶融亜鉛メッキ+フッ素現場塗装
外装・その他 屋外階段 鉄骨階段
踏面:モルタル t=30+撥水材
手すり:スチール製溶融亜鉛メッキ+フッ素現場塗装
外装・その他 樋 竪樋:アルミ竪樋ハンドレスタイプ (井上商事 )、ルーフドレイン:鋳鉄製
内装・その他 屋内階段 鉄骨階段
踏面:モルタル t=30+撥水材
手すり:スチール製溶融亜鉛メッキ+フッ素現場塗装
外構・床 外構 ポーラスコンクリート舗装 植栽とはSUS FBにて見切り
外構・その他 ポスト ステンレス製、防滴仕様
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