沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 外観、北側の道路より見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、道路側から「広場路」を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、「広場路」から北の道路側を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットD、リビングダイニングから開口部越しにテラスを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studio が設計した、富山市の「花水木ノ庭 広場路(ヒロバロ)の長屋」です。
設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築の計画です。建築家は、“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案しました。
富山市の中心市街地から南へ徒歩3分の花水木通りに4住戸(設計者の自邸、両親の住戸、賃貸住戸2戸)の長屋に店舗とシェアスペースを併設した複合建築である。
花水木通りには個人経営の個性際立つ飲食店や自転車屋などが集まり、商業と住居が混在する。この通りと計画敷地に繋がりが生まれることを意識した。前面通りに面して駐車スペースを設けると効率はよいが、通りとの関係が分断され、駐車場が利用されていない時はただの空き地となり歩行体験が乏しくなる。
本計画では、通りに面した店舗の脇から通りを引き込み、「広場路(ヒロバロ)」とした。「広場路」に面して、店舗とシェアスペースの入り口、また入居者の駐車スペースや各住戸への玄関や階段を設け、来客や入居者が必然的に集う場所とした。
建物に引き込まれた「広場路」は、機能としては駐車場の車路であり車や人のための路であるが、自動車から導かれたスケールの広がりは住宅と隣り合うと独特な解放感を生み、心地よい広場のようにも感じられる。
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沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 鳥瞰、北西側より見下ろす。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 俯瞰、敷地上空より見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 外観、北側の道路より見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、道路側から「広場路」を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、ユニットA(店舗) photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、「広場路」からユニットB(シェスペース)を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、ユニットB(シェスペース)から「広場路」を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、「広場路」から北の道路側を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、「広場路」からユニットCを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、「広場路」からその他のユニットがある2階への階段を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、共用廊下からユニットDの横のテラスを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットEとユニットFの間にあるテラス photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットD’側から吹抜越しにユニットD前のポーチを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ポーチからユニットDの玄関を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットD、リビングダイニングから開口部越しにテラスを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットD、テラス photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、ユニットD、リビングダイニングからキッチン側を見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階、階段手摺の詳細 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階、ユニットC、リビングからダイニングを見る。 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 外観、北側の道路より見る。夕景 photo©志摩大輔
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 1階平面図 image©dot studio
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 2階平面図 image©dot studio
沼俊之+上野宏岳 / dot studioによる、富山市の「花水木ノ庭」。設計者の自邸・両親の住戸・賃貸2戸と店舗に加えてシェアスペースも内包する建築。“商業と住居が混在”する前面道路との繋がりを求め、“広場路”と名付けた“通りを引込む”為の空間を設ける構成を考案 断面図 image©dot studio
以下、建築家によるテキストです。
敷地と都市の関係を再編集する
富山市の中心市街地から南へ徒歩3分の花水木通りに4住戸(設計者の自邸、両親の住戸、賃貸住戸2戸)の長屋に店舗とシェアスペースを併設した複合建築である。
花水木通りには個人経営の個性際立つ飲食店や自転車屋などが集まり、商業と住居が混在する。この通りと計画敷地に繋がりが生まれることを意識した。前面通りに面して駐車スペースを設けると効率はよいが、通りとの関係が分断され、駐車場が利用されていない時はただの空き地となり歩行体験が乏しくなる。
本計画では、通りに面した店舗の脇から通りを引き込み、「広場路(ヒロバロ)」とした。「広場路」に面して、店舗とシェアスペースの入り口、また入居者の駐車スペースや各住戸への玄関や階段を設け、来客や入居者が必然的に集う場所とした。
建物に引き込まれた「広場路」は、機能としては駐車場の車路であり車や人のための路であるが、自動車から導かれたスケールの広がりは住宅と隣り合うと独特な解放感を生み、心地よい広場のようにも感じられる。
「広場路」の空間の可変性により、地域と敷地という関係を超えた繋がりが生まれ始めている。
■建築概要
題名:花水木ノ庭 -広場路(ヒロバロ)の長屋-
所在地:富山県富山市
主用途:店舗、シェアスペース併用長屋(4住戸※うち2戸は単身者向け賃貸住戸)
意匠設計:dot studio 担当/沼俊之、上野宏岳
構造設計:なわけんジム 担当/名和研二
円酒構造設計 担当/円酒昂
外構・造園:山﨑箱庭設計 担当/山﨑広介
施工:前田建設 担当/谷川竜太
設備:富山ホクリョー 担当/宮原孝志 市橋佑太郎
電気:富山ホクリョー 担当/老月良志
外構・造園:山﨑箱庭設計 担当/山﨑広介
木工事:もくもく 担当/宮欣二
塗装工事:ヤマトコ(SOUPAINT) 担当/山本武良
板金工事:水上板金工業 担当/水上弥志
制作金物:エキスパート商会 担当/金尾栄
造り付家具:高木家具製作所 担当/高木博之
制作家具(ダイニングテーブル):中嶋工芸社 担当/中嶋誠
構造:木造在来工法
階数:地上2階
軒高:8,315mm
最高高さ:8,505mm
敷地面積:360.22㎡
建築面積:258.39㎡
延床面積:317.65㎡
1階床面積:169.92㎡
2階床面積:147.73㎡
設計:2017年4月~2019年4月
工事:2019年5月~2020年6月
竣工:2020年6月
写真:志摩大輔