藤本寿徳建築設計事務所による”那須の家”
サムネイル:藤本寿徳建築設計事務所による

藤本寿徳建築設計事務所による”那須の家”

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photo©Kazunori Fujimoto

藤本寿徳建築設計事務所が設計した”那須の家”です。

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以下、建築家によるテキストです。


「那須の家」
栃木県那須町の標高550mの高さに建つ週末住宅である。敷地は昔ゴルフ場だったものを別荘用地へと開発した住宅地にある。別荘地であるが半数は定住で、住宅地の雰囲気はゆとりのある新興住宅地のようでもある。この区画にはOBの樹々が残っていた。
敷地の周囲は道路や隣家が近いため、プライバシーを守ることと、北欧的な柔らかく包まれるような室内をつくることを目指した。閉じた空間と自然とのつながり方がテーマとなった。
周囲のいかにも別荘らしいかわいい建物群の中にあって、凛とした佇まいで、樹々の中にひっそり隠れるように建物を配置した。建物中に入ると、抽象的な室内空間に自然の景色や色そして光が拡散し充満するような静謐な空間を目指した。
7.0×7.5m平面の天井の高いワンルームの室内は白く抽象的な空間となっている。樹々に向かって開けられた大きな開口は縦方向に高く、引き残しのない全開放が可能な引戸である。中庭側の開口は横方向に低く外部を取り込んでいる。
収納や台所といった生活を想起させるものは窓と同じ白いカーテンで覆っている。窓、収納、台所の区別が無くなり、抽象的な空間はカーテンを開けることで、生活の機能を獲得できるようになっている。室内に現れる色は床と家具に使われた木の色、カーテンや壁の白色のみに限定している。その白い空間は季節や天気によって変わる自然の色、光が充満し彩られる。
室内に設けたコンクリートの独立壁はモノリスである。抽象的な存在感と物質性を持ちながらも、空間をゆるやかに分割し、生活を秩序づけるように機能している。
延床面積は85.4m2である。
(藤本寿徳)

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